〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =027= ハキリアリは農業を営む(パート1) ◆◇
熱帯アメリカを代表する昆虫のひとつ、ハキリアリは農業を営むアリだ。木々や草花から新鮮な葉や花を切り取って巣に持ち帰り、巣の中で細かくして、それに菌を植え付けて小さなキノコを栽培、収穫して食べる。
このアリが誕生してもう5000万年にもなるそうだから、人間の農業(1万年)に比べてずいぶん長い歴史がある。
ハキリアリの集団(コロニー)には女王、それに大型、中型、小型の働きアリたちがいて、大型は巣や行列を守る「兵隊アリ」、小型はキノコの世話などをする「世話アリ」。そして一連の農作業のうち葉っぱ切りと運搬を担当するのが、中型の「葉切りアリ」だ。
写真を見てもらえばわかるように、体が「葉切り」に適した形になっていて、葉っぱや花だけでなく、果実や細い茎、たま~に落ち葉だって切り取って運んでくる。
このハキリアリ、葉を運搬しやすいように、巣と切り取り作業現場の間にある草などを刈り取って通り道を整備することもある。さながら「高速道路」だ。長いものだと200メートル以上にもなるという。
今回写真で紹介しているのは、セファロテスハキリアリ。コスタリカに生息する30種ほどのハキリアリの中で一番よく見かけるもので、海抜ゼロメートル地帯から標高1500メートルの森林縁や、適度な木々のある街中でも見かけることができる。
そういえば、このアリの女王は巨大!(一番下の写真)
ぼくがコスタリカに来て一番最初にびっくりさせられた昆虫だったことを、原稿を書いていて思い出した。
次回は、ハキリアリの巣(アリ塚)や他の働きアリの様子をご覧いただきます。
Ӂ 〝ヒッチハイク“ハキリアリの役割は? Ӂ
今回もハキリアリからのクイズです。 行列になってどんどん葉を運ぶ中型働きアリ。でも写真をよく見ると、運搬中の葉の上に3匹の小型働きアリが乗っています。
いったい何のために、葉っぱに乗っかっているのでしょうか? 巣まで楽に帰るために「ヒッチハイク」をしているとか?
いや、そうではないんです。 こたえは下に記載のイラスト参照。
葉を運ぶ中型働きアリを、敵から守るためです。 昼間は、ハキリアリの天敵であるノミバエの仲間が、アリたちに卵を産みつけようとスキをうかがっています。
あるノミバエは、運ばれている葉に乗り、葉をくわえているアリのアゴの付け根に卵を産みます。
だから葉の上に陣取った小型働きアリは、外に向かってアゴを広げ、ノミバエが葉の上に乗りにくい状況をつくったり、乗られたら追い払ったりするのです。 運ばれている葉から途中で下りたり、途中で乗ったり、葉から葉へと移動するものも少なくありません。
夜の外敵はまだあまり知られていませんが、昼間と同じく葉を切ったり運んだりすることに集中している無防備な中型働きアリたちを守る役割を果たしているのだと考えられます。 以下、夜中じゅう活動するハキリアリの動画をご覧ください。
=参考資料・文献=
ハキリアリ その一(1/2)
ハキリアリ(葉切蟻)は、ハチ目(膜翅目)・アリ科・フタフシアリ亜科に属するアリ。体色は赤褐色、体長は3~20mmと各アリの大きさに非常にばらつきが目立つのが特徴で、最大は女王アリから、大型兵隊アリ、大型働きアリ、中型兵隊アリ、中型働きアリ、小型兵隊アリ、小型働きアリ、そして繁殖に生まれるオスアリなどといった具合に、多くのバリエーションに分かれるのは、後述する生態から生まれたこのアリが持つ特色が持つものである
他のアリには見られない特異な生態を持つ事で有名で、働きアリは列を成して、様々な木に登り、そこにある葉を切り落として次々と巣へと運んでいく。その姿は葉が独りでに歩いているように見える光景になる。そして切り落とした葉を巣へ持ち運ぶが、この葉をエサにする訳ではなく、地下の巣の広大なスペースに葉を運んで、その葉に特殊な菌類を植え付ける。
これはアリタsケと呼ばれ、植物の葉を栄養源にして菌類は増殖し、育っていくが、その為にアリ達は葉を運び、この菌類をエサにしている。地下のこの菌類を栽培するスペースは、生育に適した温度と湿度が保たれ、アリ達はその環境を維持するために葉を運び続ける。そしてアリタケもハキリアリがいなければ生息と増殖が出来ない相互共生の関係にある。
また、養分の尽きたいわゆるゴミ(不要物)となった葉はそこから運び出され、特定の場所に捨てられ、そこでゴミの山のように積もっていく。なお寿命が尽きたり、身体欠損などで生きられなくなったハキリアリもここへ運ばれ、そこで一生を終える。
・・・・・つづく
◇◆ セファロテスハキリアリの行列 ◆◇
午前0時、懐中電灯で照らした木の幹を、行き交うハキリアリたち。葉を切る活動は、天敵のノミバエが活動しない夜に行われることが多い。 撮影地:シキレス付近、コスタリカ 撮影者:Tamaki Morita
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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