〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =025= 夢が叶って熱くなった ◆◇
本年もどうぞよろしくおねがいいたします!
さて、この冬にアメリカのボストンへ行ってきたことを前回お話しましたが、冬のアメリカで夢がひとつ叶いました!
それは、今回ご紹介するフユシャクという「冬場に成虫になって繁殖活動し、メスの翅は極端に小さくて飛ぶことができないシャクガの仲間」に出会えたこと。
フユシャクは日本にもいて、ずっと耳にしていたけれど、実際この目で見たことがなかった。ボストンにもいることを知ったぼくは、ぜひ翅の短いメスに会ってみたいと意気込んで、アメリカについた翌日からハーバード大学比較動物学博物館の研究者、ピーター・ナスクレンスキー博士の指導のもと、森の中の探索を開始。
「この蛾は夜行性だけど、昼間でも木の幹に止まって休んでいるのを見ることができるんだ」とピーター。
探すとたくさん見つかった。でも、オスばかり・・・。オスがいるのにメスがいない。二人で「どうなっているんだろう?」と首をかしげる。
ピーターの予想では「もう季節的に遅いのかも知れない。交尾を済ませて、木の高い所へ登って卵を産んでいるのかも知れない。でもこれだけオスがいるから、まだメスが見つかるはず」
探し始めて3日目の夜。
ピーターの家の周りの木を探すと、「見つかった!!」
木にしがみついてじっとオスを待つメス、オスの飛行、交尾、羽化・・・。カメラを持つ手がかじかむほど冷える夜に活動するフユシャクたちを見ているだけで、心が熱くなった。元気をもらった。
木の幹の上の方に産みつけられた卵は春に孵化し、幼虫たちは勢いよく育つ若葉をモリモリ食べるという。
Ӂ 頭のお皿は何のため? Ӂ
写真はコスタリカにすむアリの仲間。 頭がお皿のようになっています。
これは何のためでしょう? 答えは下記のイラスト参照。
巣の出入り口にフタをするためです。 上から見るとこんな形で・・・こんなふうに巣の出入り口をふさぎます。
いったい何のためにフタをするのか? 巣の中はどんなことになっているのか? くわしくは次回にご紹介します。
お楽しみに!
=参考資料・文献=
アリ(蟻、螘) その一(1/2)
アリ(蟻、螘)は、ハチ目・スズメバチ上科・アリ科(Formicidae)に属する昆虫である。体長は1 mm-3 cmほどの小型昆虫で、人家の近くにも多く、身近な昆虫のひとつに数えられる。原則として、産卵行動を行う少数の女王アリと育児や食料の調達などを行う多数の働きアリが大きな群れを作る社会性昆虫。世界で1万種以上、日本で280種以上がある。種類によっては食用となる。
基本的にはハチと共通の特徴を持つ。体はおおむね円筒形で細長く、頭部、胸部、腹部のそれぞれの間がくびれ、大きく動かすことができる。腹部の前方の節が細くくびれて柄のようになった「腹柄節」は昆虫でもアリだけにある器官であり、狭い穴の中での生活に適応すべく役割を果たしている。体色は黒いものが多いが、黄色、褐色、赤色などの種類もいる。
頭部には大顎が発達し、餌をくわえたり外敵に噛みついたりできる。複眼はあるが、単眼は退化するものが多い。1対の触角が発達しており、その基部の節が特に長く柄節といわれる。そのため触角全体としてはこの節の先で折れ曲がり、くの字型をなす例が多い。
胸部は体の中央にまとまっているが、これは実際には四つの節からなり、前中後3節の胸部に、腹部第1節が癒合したものである。歩脚3対はよく発達する。
腹部前端には柄のように狭まった部分があり、これを腹柄部という。腹柄部は一節ないし二節からなる。後端にはハチと同じように毒腺を持ち、針で刺すことのできるものも少なくない。
社会性昆虫であり、同種であっても、カーストによって形態が異なる。繁殖をする雌雄(雄と女王)、それに働き蟻(雌)は形態的に区別できる。働き蟻の中に、さらに複数の形態差が見られる場合もある。繁殖行動を行う雄アリと雌アリには翅がある。女王は、後に翅を切り離して無翅になる。それに対して、働き蟻は当初から翅を持たない。数の上では、これが圧倒的に多いので、一般的にはアリは無翅の昆虫との印象がある。
・・・・・つづく
◇◆ フユシャクの交尾 ◆◇
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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