〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =013= モンテベルデの恋しい色 ◆◇
モンテベルデの森での調査から、コスタリカの首都サンホセに近い自宅に戻ってくると、いつも恋しくなるものがある。美味しい水、美味しい空気、昆虫や植物に覆われた熱帯雲霧林、そして夕暮れの色だ。
夕暮れ時、モンテベルデの空は、さまざまな色に移りかわる。太陽の光、空、雲、風、森が調和して、不思議な光景を描き出してくれる。
言葉では表現できないような色に、ぼくはしばし息をのむ。
そして、「太平洋の向こうに沈むあの夕日は、日本の朝日やねんなぁ~」と、感慨にふけったりもする。
博士課程に編入するという新たな挑戦(前回 挑戦の夜明け)に向けて、虫こぶができている木々の場所をある程度確認できた。それぞれの枝に、蛍光オレンジのリボンを付けることもできた。これから1年、虫こぶと蛾の幼虫は、どう成長するのだろう。不思議な生きものへの挑戦は始まったばかりだ。
Ӂ 虫が作った究極の芸術作品 Ӂ
葉っぱにできた、きれいなイソギンチャクのような造形作品。これはタマバエという、蚊のような小さなハエの幼虫がつくった「虫こぶ」だ。
ぼくが研究している虫こぶについて、これまでの連載で触れたことはあったけど、虫こぶそのものの紹介はまだでした。今日はそのお話。
虫こぶは、「小さな虫たちが植物につくり出す、究極の生きた自然芸術」。
虫が植物の組織の中に入り込み、植物の成長をうま~く操作してつくり上げる。大きさや形、色、質感、内部の組織の構造や細胞内の成分までコントロールすることがわかっているから、それは職人技ともいえる。
菌類やダニも虫こぶをつくるけれど、つくり手のほとんどは昆虫で、なかでもタマバエ科の幼虫の作品が多い。
虫こぶの中は幼虫が住む部屋になっていて、その部屋の壁は幼虫の食料でもある。つまり虫こぶは芸術作品であると同時に、住処でもあり、食料でもある。「お菓子の家」を想像してしまう。
コスタリカでは、これまでに1000種を超える虫こぶ職人が見つかっている。さらに調べれば、3000種を超えるだろう。
それぞれの種類の昆虫が、それぞれ違った虫こぶを、それぞれ決まった植物の決まった場所につくる。つくる場所は葉、茎、芽、花、実、根などさまざまだ。例えば、ある植物1種に形の異なる10個の虫こぶが出来ていたとすると、それは10種類の違った昆虫による芸術作品というわけだ。
日本でも、春から秋にたくさん見つかるので、この機会に探してみては?
=参考資料・文献=
タマバエ
タマバエは、ハエ目(双翅目)タマバエ科(Cecidomyiidae)に分類される昆虫の総称。世界で約4600種以上が記録されている。なおハエと名がつくが、分類学的には蚊に近い仲間である。タマバエのほとんどの種は、成虫の体長が1-3mm程度と小型である。触角は長く、翅は毛で覆われる。
タマバエの多くの種は外部寄生性であり、幼虫がハチ目の昆虫や植物などに寄生して生活していることが知られている。植物を利用する種は虫コブ※を形成する事が多い。また Mycophila 属の種などで、幼生生殖を行うことが知られている。
タマバエの中には、農作物に被害を及ぼすハチなどの天敵となる種があり、生物的防除に用いられることがある。特によく知られているのはショクガタバエAphidoletes aphidomyza であり、ハチやアブラムシの天敵としてしばしば導入されており、その防除効果が認められている。
一方、植物の葉などを利用して虫こぶを形成するような種は、農作物や花卉に被害をもたらすため、農業害虫として扱われる。特にヘシアンバエは、コムギやオオムギに深刻な被害をもたらす害虫として知られる。また、ランツボミタマバエContarinia maculipennis は、デンドロビウム・ファレノプシスなどの洋ランに寄生して被害をもたらしている。またキノコを利用する種もおり、キノコ栽培場に発生する害虫として扱われることもある。
・・・・・・つづく
◇◆ コスタリカ サン ヘラルド デ ドタ San Gerardo de Dota Costa Rica ◆◇
・・・・・・・・・・・・・
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/72a7acfb5fd79ddd277b27d905e756ce
後節へ移行 :http://blog.goo._not-yet//014//
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;如水総覧】 :http://thubokou.wordpress.com
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【疑心暗鬼;如水創作】 :http://bogoda.jugem.jp/
下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行
================================================
・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
================================================