〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』 12p 白黄
◇◆ =012= イチジクの砦を支える小さなハチたち ◆◇
モンテベルデでの下見調査3日目。観光客でにぎわうモンテベルデ自然保護区の森に、普段のバッグマン姿でおじゃました。
旅行者の邪魔にならないように調査を進めていくが、やはり怪しい人物と認識されるのか、こちらのほうを不思議そうに見つめたり、おそるおそるぼくの横を通り過ぎたりする。
そんな状況も楽しみながら林道を進んで行くと、大きな一本の絞め殺しイチジクの木にぶつかった。いかにも物騒な名前だが、巨木に絡みついて成長し、絡みつかれた木を枯死させてしまう(つまり絞め殺す)、イチジク科の木だ。
ぼくが出会った絞め殺しイチジクも、絡みつかれたほうの木はすでになく、空洞になっていた。幹の根元から頭を潜り込ませてみると、絡み合う幹と人が入れる中の空間が、砦のように感じられた。
この“砦”に欠かせないのが、体長1ミリほどのイチジクコバチ。そのメスバチは唯一、イチジクの花を受粉させる役割を担っている。
一本の絞め殺しイチジクの木には、何千、何万という数のイチジク花序(イチジクの小さな花がたくさん集まった器官。一般的にイチジクの“実”と呼ばれている部分)が成る。メスバチは、若い花序の先端にある隙間から潜り込み、中にある花を受粉させてから、胚珠(タネになる部分)に産卵していく。そして花序の中で命を終える。
やがて花序の中で幼虫が育ち、サナギになり、オスとメスがおよそ1対10の割合で生まれてくる。オスには翅がなく、その一生を花序の中だけで終える。交尾の後、メスは花序の先端から続々と脱出していく。その数は一つの花序で100以上にもなる。
そこから次のイチジクの木を求めて旅をする。飛行距離は、50キロメートルとも100キロメートルともいわれ、膨大な数のイチジクコバチのメスは、まるで海のプランクトンのように空中を漂っている。
Ӂ コウモリみたいなチョウ Ӂ
下の写真は、モンテベルデでのぼくのねぐら「モンテベルデバイオロジカルステーション」。今日は、このステーションの近所の「穴」をねぐらにしている昆虫を紹介しよう。
その昆虫とは、低地の森からモンテベルデの雲霧林の森へと渡りをするマナタリア・ヘルキナというジャノメチョウの仲間。
昔は、ステーションの近くの林道をちょっと歩くだけで、人間の気配に反応したチョウたちが、コウモリの大群のような勢いで、ううわっ!と目の前に飛び出してきて、よくドキッとさせられていた。でも、近年はその回数が減ってきているような気がする。
ステーションの建物や森のメンテナンスをされているエイリエンさんに尋ねた。「集まって休んでいる茶色いチョウを林道沿いで見ていませんか?」
エイリエンさんは、ステーションから少し離れた場所2カ所が確認できていると教えてくれた。そのうちの1カ所へ、チョウたちに会いに向かった。
チョウたちが驚いて飛んでいかないように、抜き足差し足忍び足。木の根の下、土手の陰になった穴に・・・いた。50匹ほどの集団だ。
日中、このチョウは日陰になる小さな洞穴のような場所に目立たないように集まっている。太陽が沈むと飛散し、近くの木々の葉の上にとまって夜を過ごす。そして早朝にねぐらへ戻る。そんなところも、ちょっとコウモリ的だ。
雨季に入る4月から5月ごろになると、繁殖をするために、再び低地の森へ飛び立ってゆく。その渡りの飛行も夕暮れから夜にかけて行われる。
=参考資料・文献=
コバチ
コバチ(小蜂)は、ハチ目(膜翅目:まくしもく)・細腰亜目(さいようあもく)・コバチ上科 Chalcidoideaの昆虫の総称(時にムカシホソハネコバチ上科 Mymarommatoideaを含めて言うこともある)。ほとんどの種で体長が数mmから1mm以下と非常に小さく、さまざまな動植物に寄生する寄生蜂類である。
大型種では16mmほどにもなるが、これは本グループにおいては例外的な巨大さで、大部分は数mm
ただし翅脈は非常に単純化しており、時に翅が縮小したり消失している種もある。特にオスのみが翅を持たないものもある。様々な色のものがあるが、緑色の金属光沢をもつものや黒っぽいものが多い。動物に寄生するものは他の昆虫の幼虫や蛹などに寄生することが多く、植物に寄生するものは虫コブの原因となるものもある。
植物に寄生するものは、モウソウチクやマタケに寄生するモウソウタマコバチやマダケコバチ(共にカタビロコバチ科)など害虫として知られているものもある一方で、カイガラムシなどの害虫に寄生する種(クワコナカイガラトビコバチなどトビコバチ科に多い)は人間にとって益虫であると見なされている。
・・・・・・つづく
◇◆ コスタリカ コルコバード Corcovado Costa Rica ◆◇
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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