〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です。』
◇◆ =002= 西田賢司は虫と暮らしている ◆◇
森から生きたまま持ち帰った昆虫のほとんどは、成虫ではなく幼虫。幼虫を自宅で育て、成虫になるまでの生態を観察するのだ。台所の一角に張った物干しロープに、幼虫が入った透明のビニール袋を洗濯バサミで吊り下げていく。そうすると虫たちや餌となる植物がちょうど目の高さにくるので、観察がしやすい。多いときには20から30袋ほどが所せましとぶら下がっている。
ぼくがお好み焼きなどを食べながら、虫たちが食事をしているところを観察することもしばしば。たまに排便行動を目にするが……、新しい発見をしたり幼虫が成虫になっているのを見かけると、食べることそっちのけで虫の観察や写真撮影にのめり込んでしまう。お好み焼きはどんどん冷めていくのだ。
物干しロープには、もちろん洗濯ものを干さないといけないけれど、優先順位は虫たちが上。「自然保護は身の回りから」をモットーにしている僕は、家の庭を草ぼうぼう状態にして、できるだけ多くの虫たちに住んでもらうようにしている。家の中にもシロアリや小さな蛾、クモ、ヤモリなんかが、元気よく住んでいる。生態系のバランスがとれている中で過ごすことは、気持ちの良いものだ。
Ӂ 雨季の到来_天井から降ってくるものは・・・・・ Ӂ
コスタリカ、イラス火山のふもと、標高1420mにあるコロナドという小さな町で、古くて薄っぺらい木造の家を借りている。前の道路を大きな車やトラックが走ると、震度1~2の揺れを感じるような家だ。バイクは轟音を立てて走り去り、隣の家の犬たちは無駄吠えをよくするし、だいぶ住み心地は好ましくない。そんな生活も学者貧乏ならではなのだが・・・・・・ぼやいても始まらない。
さて、雨季が始まった。この時期、コスタリカでは天気予報はあまり意味がなくなる。午後になると必ずといっていいほど、毎日雷雨に見舞われるからだ。 大粒の雨がダーッと降ってきて、トタン板1枚の屋根をバシバシと響かす。ラジオは聞こえなくなるけれど、周りのうるさい音もかき消してくれる。車の騒音に比べれば、屋根を叩く雨音のほうがよっぽど気持ちいい。
今のところ部屋に雨は降ってこない。豪雨でも、洗濯場が少し雨漏りするくらいだ。けれどこの部屋には、雨季、乾季を問わず、天井や壁の隙間から降ってくるものが2つある。ひとつは天井裏に降り積もった火山灰。1963年から1965年にかけて噴火したイラス火山の灰だ。もうひとつは、シロアリの糞。24時間休むことなく、ポロポロ、ポツポツと降り続けている。
=参考資料・文献=
コスタリカ
コスタリカ共和国(República de Costa Rica)、通称コスタリカは、中央アメリカ南部に位置する共和国国家。北にニカラグア、南東にパナマと国境を接しており、南は太平洋、北はカリブ海に面している。首都はサンホセである。 1949年に常備軍を廃止する憲法を成立させ常備軍を持たない国となったが、同じく憲法によって非常時徴兵を規定している。
チリやウルグアイと共にラテンアメリカで最も長い民主主義の伝統を持つ国であり、中央アメリカでは例外的に政治的に安定が続き、かつ経済状態も良好な「中米の楽園」と呼ばれるほどの国家であったが、1990年代以降は麻薬の横行により治安の悪化と社会の不安定化が進行している。
イラス火山(Volcán Irazú)は、コスタリカのカルタゴ近郊にある火山である。山頂の標高は3,432m。名前は、"ara"(点)と "tzu"(雷)の合成語とも山の中腹にある村の名前である "Iztarú" の方言とも言われる。コスタリカ国内では過去に災害を起こしたことから "El Coloso"(神話に登場する巨像)とも呼ばれている。
山頂には多くの火口があり、緑色の水をたたえたさまざまの深さの火口湖が存在している。コスタリカで最も高い活火山である。首都サンホセから近く、山頂まで続く道路や定期的に運行されるバスもあるため、代表的な観光地にもなっている。山頂には、サンホセなどのテレビ局の中継局もある。天候が良いときには山頂から太平洋と大西洋の双方を見ることができるが、山頂は雲に覆われていることが多くそのような機会はあまりない。
・・・・・・つづく
◇◆ National Museum of Natural History - Student Orientation Video ◆◇
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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