〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
◇◆ =003= 西田賢司がバイオリンを弾けない理由 ◆◇
前回に引き続き、雨季を迎えたわが家の話。屋内の湿度が増し、同居している小さな蛾やシロアリたちの活動が活発になってきた。蛾だけでも5種類はすんでいて、少しずつ生態もわかってきた。夕方から晩にかけて、さまざまな舞いを元気よく見せて、楽しませてくれる。で、そこに現れるのが、食欲満点!のお母さんヤモリ。体長は15センチほどで、卵が2つ大きく膨らんだお腹の中に透けて見える。最近、戸棚を開けたり、箱の中を整理したりすると、ヤモリの卵によく出会う。必ず2個いっしょに産んである。
先日バイオリンを持ちあげると中からコロコロコロと音がしたので、「わちゃ~、中の魂柱(こんちゅう)*が外れてる~」と思いきや、ちゃんと魂柱はついている。
はて? なにがコロコロしているのか?
f字孔からのぞくと、なんか白いものが? もしかして・・・・・・「ヤモリの卵やん! わちゃ~。昨日はなかったのに!」
しばらく音を鳴らすのはお預けになった。「無事に孵化して、バイオリンから旅立っていっておくれ~!」
(*魂柱:バイオリンの表板と裏板の間で支えている棒)
Ӂ 輝かしいコガネムシ Ӂ
中米特有の昆虫、プラチナコガネ。全部で100種ほどが確認されていて、コスタリカには22種生息している。
「これだけ目立つ色をしていて大丈夫なんでしょうか?」とよく質問される。
大丈夫だったからこれまで生き延びてきているわけだけれど、実際のところ、これだけ目立っているにもかかわらず、その生態はまだほとんど明らかになっていない。夜行性だということはわかっているが、それならこの輝かしいメタリック色の役割は何なのであろう?
プラチナコガネの色は、色素の色ではなく、構造色という、光の干渉によって再現される色である。表皮の構造の極微細な違いで、色が変わる。上の写真のプラチナコガネは、なんとも言えない赤っぽい金色。同じ種でも、普通の金色や銀色のものもいる(下の写真)。昼間は樹上の葉の裏なんかで休んでいて、周りの景色を自分の体に映し込み、森の中に溶け込んでいるのであろう。
ただし、自然の恩恵を踏みにじる違法な乱獲が横行している今の時代に、これだけ目立つ色をしていることは、やっぱり大丈夫ではない。
=参考資料・文献=
コガネムシ & ヤモリ
コガネムシ(黄金虫、Mimela splendens)は甲虫目コガネムシ科の昆虫。 成虫の体色は時に赤紫の混ざった光沢の鈍い赤色、赤紫・黒紫色のものもある。体長は17-23mm。食性は食葉性であり、サクラ等の広葉樹の葉を食害する。幼虫は土中で植物の根を食べて成長する。
また、コガネムシ科の昆虫の総称または一部のグループを指して「コガネムシ」という場合もある。一般的にカブトムシやダイコクコガネなど形態に著しい特徴があるものを除き、ときにはハナムクリ亜科などのカナブン・ハナムクリの類を除いて草食のものだけをいうこともある。
狭義のコガネムシMimela splendensは、外見的には、前肢基節間に前胸突起が確認できることにより上記広義のコガネムシと区別できる。 本種には「ナミコガネ」の和名もあるが一般的とはいえず、広義コガネムシとの混乱に注意する必要もある。
ヤモリ(学名:Gekkonidae)南極大陸を除く全大陸に分布する。小型種が多いこともあり、漂流物に乗って海洋島に流れ着くなどの広域な分散が行われたと考えられている。有史以後は、貨物に紛れ込んで移動先で定着した例も多いものと考えられている。日本にはニホンヤモリほか十数種が棲息する。
体形は扁平。全身は細かい鱗で覆われる。眼は大型で、瞼が変化した透明な鱗で覆われる。瞼を閉じることができないため、舌で眼(表面の透明な鱗)を舐め清浄に保つ。瞳孔は縦長の種が多く(昼行性の種は瞳孔が丸い種もいる)で、多くの光を集め夜間の活動に適している。舌は太くて短く、先端にはわずかに切れこみが入る。耳孔は小型。
森林、砂漠などの様々な環境に生息し、民家に生息する種もいる。主に夜行性。威嚇や求愛のために鳴き声を出す種もいる。食性は主に動物食で、昆虫、小型爬虫類、小型哺乳類などを食べるが、花の蜜や果実を食べる種もいる。繁殖形態は主に卵生。主に1回に2個ずつの卵を数回に分けて産む。イモリが両生類で体表がヌルヌルしているのに対し、ヤモリは爬虫類でゴツゴツしたさわり心地である。
・・・・・・つづく
◇◆ Caribe Costa Rica ◆◇
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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