〇◎ “命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇
= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =
【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】
☠ 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」 ☠
曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』
]◇◆ =001= 西田賢司は昆虫学者である ◆◇
なぜ探検昆虫学者なんですか? とよく聞かれる。 __ 多くの方々は自称しているように思っているかもしれない。でもそうではなく、ちゃんとそういう「職業」がある。昆虫学をやっている人にもあまり知られていないほどだけれど、英語でExploratory Entomologist(直訳すれば探検の昆虫学者)といい、生態系のバランスを保つために、特定の植物を食べる未知なる昆虫を探し、研究する。探検家ではなく、昆虫学者だ。でも探検昆虫学者という肩書きは、ぼくの研究活動のスタイルによく合っている。
コスタリカには35万種ともいわれる多種多様な昆虫が生息している。そのほとんどに、まだ名前が付いていない。付いていても、生態が明らかにされていないものばかり。ぼくはジャングルや高山、樹上や洞窟など、さまざまな場所で主に昆虫たちの生き方を調べている。観察、採集、飼育、そしてそのデータを論文などにして発表する。毎日が発見の連続で、そんなところは探検的だ。次回から未知なる昆虫の生き方と、昆虫が中心となったぼく自身の生活を、写真やビデオなどを交えながら紹介していきます。お楽しみに。
Ӂ 研究仲間は僕を「バックマン」と呼ぶ Ӂ
米国ワシントンにあるスミソニアン博物館のハムシやゾウムシの分類学者仲間たちは、僕のことを「バッグマン」と呼ぶ。なんで?__ その理由は、森へ採集に行った時のぼくの格好にある。いつも腰に大きな緑色のゴミ袋をぶら下げているのだ。ぼくは昆虫を採集すると、餌や住まいとなる植物も一緒に小さな透明のビニール袋に入れる。空気もたっぷりと入れ、洗濯バサミで封をする。そのパンパンに膨れ上がったビニール袋を、腰にぶら下げた緑色のゴミ袋にためていくのである。少し怪しい姿だが、重心は腰回りにドシン!とあって、両手も常に空けていられるので動きやすい。で、さらなる虫を求めて森の中を歩く。
つまり、昆虫の住みかごとお持ち帰りして、昆虫の生態を飼育して調べるのがぼく。一方、分類学者はできるだけ多くの標本を得るために、昆虫だけをエタノールや毒薬が入った5センチぐらいのガラスチューブにためていく。胸ポケットに軽く納まるサイズだから、大きなゴミ袋なんて必要ない。ちなみにバッグマン(bagman)はアメリカ英語で「ちんぴら」、イギリス英語では「浮浪者」と言う意味。なるほど、ハズレではない。
=参考資料・文献=
スミソニアン博物館
スミソニアン博物館(Smithsonian Museum)は、アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体の呼び名。スミソニアン学術協会が運営している。
1848年、英国人科学者が「知識の向上と普及に」と委託した遺産を基金としてにつくられた。スミソニアン協会が運営する19の博物館並びに研究センターの施設群であり、多くはワシントンDCの中心部にあるナショナル・モールに設けられているが、ニューヨーク市、バージニア州、アリゾナ州、メリーランド州や海外(パナマの熱帯研究所)に置かれたものも含まれる。収集物は1億4200万点にも及ぶ。運営資金は合衆国連邦政府の財源及び寄付、寄贈、ミュージアムショップ、出版物からの利益で賄われているため、入場料は無料である。
世界各国の本物の航空機を展示している国立航空宇宙博物館は特に有名で、月の石の展示や、広島の原爆展を企画したことでも知られている。他に、国立アメリカ歴史博物館、産業・技術史の博物館や国立アメリカ・インディアン博物館<などもある。それら9つの博物館とナショナル・ギャラリー(国立美術館。スミソニアン協会とは別)は、国会議事堂前に展開する広い道路「ナショナル・モール」の両脇に配置され、一帯は広大な博物館地域となっている。
中央アメリカコスタリカの自然
自然が豊かで、独立当初は国土の95%が密林に覆われていた。現在の森林面積は国土の40%以下となっている。コスタリカは太平洋から大西洋まで、最も狭いところで119km、最も広いところでも226kmしか距離がなく、細長い国土だが、国土の中央をグアナカステ山脈、ティララン山脈、中央山脈、タラマンカ山脈が貫き、国土中央には標高2000mに達する中央盆地が存在する。国内最高峰はデリポ山(3901m)。
カリブ海岸の低地は熱帯性気候で雨が多い。太平洋岸にはニコヤ半島や、ニコヤ湾があるグアナカステ低地と、オサ半島やドゥルセ湾のある低地があり、気候は太平洋岸の南北で異なる。また、地球上すべての生物種のうち5%が生息すると言われ、「環境保護先進国」として名高い。国立公園・自然保護区の総面積は全国土の1/4を超える。
・・・・・・・・続く・・・・・・・
◇◆ Smithsonian National Museum of Natural History ◆◇
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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