〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠
ᴂ 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ ᴂ 12p
◇◆ 宇宙の深海をめざして =3/4= ◆◇
土星の衛星で生命を探す
山岸さんと吉村さんは日本版火星生命探査プロジェクトを推進しているし、高野君は「はやぶさ2」リターンサンプル科学分析に深く関与している。しかしそれらの研究は、アストロバイオロジーではあるものの、まだリアル地球外生命探査と呼ぶにはかなり果てしない距離がある段階のものだ。 ところが実際に、世界最初の小惑星サンプルリターンを成功させたプロジェクトに関わっていた人の口から「エンケラドゥス地球外生命探査」という言葉を聞くと「マジかよ」という疑問が湧き上がってくるのだった。
実は「はやぶさ型ナヴィゲーションとフライバイサンプルリターンによってエンケラドゥス地球外生命探査をしようず」というアイデアを聞いたのはこれで2回目だった。1回目はアメリカのペンシルバニア州立大学のアストロバイオロジー研究部門のディレクターをやっているクリストファー・ハウスが2010年にJAMSTECでセミナーをやった時に聞いたのだった。
その時ボクは、はやぶさの事も、エンケラドゥスの事もあまり知らなかったので、「へえー、はやぶさはアメリカでも大人気なのね。エンケラドゥスって潮吹き衛星なのね」ぐらいのなんとも盛り上がらない反応だった。でも「確かに面白いアイデアだな」と、「アメリカはそんな事をやろうとしているのか」と、脳内メモリーインプットは完了していた。
なので、矢野さんの口から「エンケラドゥス地球外生命探査」と出た時、やはりエンケラドゥスが地球外生命探査のターゲットとしてホッテストなのかと痛感したのだった。
本気で打ち込めますか?
矢野さんは続けた。「興味があることはわかりました。それでもう一度確認したいですが、どこまで本気ですか? もしやるとなったら本気で打ち込めますか?」
ボクは正直なんてシビアな事を言う人だと思った。今の日本の研究者で、本気でエンケラドゥス地球外生命研究なんてできるはずがないだろうと。研究試料もなにもない状態でどうやって本気を出せと言うのだ。
「エンケラドゥス地球外生命研究なんて所詮絵に描いた餅だろ。まあ良くてNASAの十八番アルアル詐欺商法、つまりアミノ酸の発見ぐらいの炎上商法、が関の山だわな」とボクの頭の中では瞬間的に分析完了していた。そして「それは高野君の得意とする研究分野だから、ここは高野君をプッシュしてフォローに回ろう」と逃走経路を確保する態勢をとった。
ただ一つ気になっている事があった。それはアメリカにおけるアストロバイオロジーの隆盛ぶりと日本におけるアストロバイオロジーの貧弱ゥぶりの差だった。ボクの中ではその理由ははっきりしていた。アメリカのアストロバイオロジーのプロデューサーはNASAであり、それがアストロバイオロジーの研究資金と方向性の策定、そして一般社会の興味喚起の原動力となっているのに対して、日本の宇宙研究の親玉になるべきJAXAはアストロバイオロジーに対してあまりにひどい塩対応ぶりだった。
日本にアストロバイオロジーを深く根付かせるためには、とにかく「JAXAをどげんかせんといかん」と、ボクは東国原元宮崎県知事風に、ずっと勝手に連呼していたのだった。
そこに現れたのが矢野さんだった。ボクにとってコレはある意味千載一遇のチャンスだった。なので、逃走経路は確保しながらも、もう少し深入りする気にもなっていたんだ。
日本独自の貢献とは?
矢野さんはさらに続けた。「実はNASAの一つのプロジェクトとしてエンケラドゥス地球外生命探査が計画されていて、もし皆さんが本気でやる気があるのなら日本としてそれに参加する意思があるということを早急に返事しないといけないのです。だからまずはそれをお聞きしたいのです」
「国際協力なら話は簡単だ。だったら即オーケーしましょう」とみんな。
矢野さん「実はそれで問題があるのですが、実は国際共同研究なら日本独自の貢献部分を示した上で参加表明をしないと単なるワリカン要因になってしまって全く意味がないんです」
高野君「その場分析とかリターンサンプルの分析とか科学的な部分での貢献はダメなんですか?」
矢野「もちろんそういう貢献も可能ですが、どちらかというとそういう貢献する側にメリットの大きい部分は国際競争も激しいし、計画段階での貢献としては分かりにくいですね」
矢野「そこで個人的に考えたことがあるんですが、例えば地球外生命探査の際に問題になると予想される宇宙検疫の部分で日本が貢献できる部分がないでしょうか?」
その瞬間にボクの頭の中に閃いたことがあった。
「例えばリターンサンプルのカプセルって海に落とせないんでしょうか? 映画で見たんですけどアポロの宇宙飛行士の帰還用カプセルって海に落としてませんでしたっけ?」
ボクの質問で高野君もボクの言いたい事が分かったようだった。
= カリブ海からオラ、コモエスタス? (1/2) =
高井研さんは「しんかい6500」で、カリブ海にある“世界で最も深い”熱水噴出孔を調査
みなさん。オラ、コモエスタス(こんにちは。お元気ですか)?久しぶりに舞い戻ってきたJAMSTECのタカイケンです。
最初味わってみた時は「うっ。なんかクドくて濃ゆくてお腹にもたれるわー」と思うのに、なぜかその味の中毒患者になり、いつの間にか1週間も食べないと夜な夜な禁断症状まで発症するようになるという、京都で学生時代を過ごした人々の青臭い青春の一ページに郷愁とともに必ず記録される「天下一品」のコッテリラーメン。
そんな「天下一品」のコッテリラーメンのような味わいも無くもないワタクシのコッテリ・ネットリとした文章を待ちわびて禁断症状で苦しんでいた方も全国で1031人ぐらいはいたのではないだろうか? いや決していない(反語)。
ワタクシは今、さんさんと太陽が照りつける海面が鏡のように滑らかで穏やかな、サービス残業で身も心もお疲れのオフィス・レイディ(略してOL)が、思わず「サンオイル 背中に塗ってと 水着の上 外しながら 寝そべっ」てしまいたくなる「真夏のCaribbean good!」からサービス残業的原稿を書いています。
実は、ワタクシがおよそ2年弱、このナショジオWebにヘロヘロと連載してきた「青春を深海に賭けて」が、なんと、最新情報(著者の心変わりとも言う)に更新しつつ、新たなエピソードを加えつつ、よりポップカルチャー・テイスト(マニア臭)を醸し出しつつ、「微生物ハンター、深海を行く」というタイトルで劇的ビフォー・アフターされ、無事7月6日にイースト・プレスから発売されることになりました。パチパチパチ。
そんな折、「おい。本の宣伝をさせてやるから、盛り上がった「しんかい6500」ライブ中継に関する原稿でも寄こせや! もちろんタダやで」。そんな大阪の天王寺界隈の風情を残すナショジオ日本版Web編集長からのナマ温かい依頼(メール)が地球の裏側にまで届いたのです。
なんと言えばいいでしょうか。そのメールを見たとき、ワタクシの脳裏にまっさきに「金の切れ目が縁の切れ目」という古今東西すべからくニンゲンのリアルをついた至言が浮かびあがったことは否定できません(0.0001秒)。 しかし、 ・・・・・・続く
・・・・・・・・つづく・・・・・・・
動画 : 400 の熱水噴出孔に生息する深海生物
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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