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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =124=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ ᴂ

◇◆ 宇宙の深海をめざして =1/4=  ◆◇

約2年にわたって続いてきた高井研さんの青春譚の最終回。バーチャルな組織としてスタートしたプレカンブリアンエコシステムラボラトリー(略称:プレカンラボ)は、存続の危機を乗り越えてリアル研究者を抱える研究プロジェクトになりました。そして高井さんは新たなフロンティアを目指します!

2009年4月から始まった新生プレカンラボには3名の専任研究員がやってきた。

「ラボひとり」としてプレカンラボ不遇の時代を支えた渋谷岳造。

せっかく東京大学大学院工学研究科に栄転したくせに、面接試験で「人生は一回きりなんで、やっぱりやりたい研究をやるために出戻りさせてください」と、またもやボクの涙腺を決壊させそうな事を言って戻ってきてしまった中村謙太郎。

そしてカナダの国際学会で発表を聞いた後、ボクが「オメェー、太古代の微生物による窒素循環とかほざいてるけど、今の微生物の窒素代謝を実際調べたことあんのかよ? あっ? オレが本物の窒素固定を見せてやる。ついてこい!」とか言って脅迫したら、ホントーに募集に応募してきてびっくりした西澤学。

それにプレカンラボ専任ではなかったけど、外見は豪快なゴリラ顔のくせに、内面は口先番長気質の繊細なメガネ君タイプで、「高圧的にJAMSTECに来い!とか言われると行く気が失せるんで適度に勧誘して後はネチネチかまわないでくれ」とか扱いの難しい彼女のような口をきくワリには結局いつも情にほだされる川口慎介を加えた4人体制になった。

ボクはあの第一回絶滅危機を乗り越えた時、しっかりと感じた事があったんだ。新生プレカンラボには、若いしっかりした力が着実に育っていると。もうボクの力なんてほとんどいらないということを。あとは個性豊かな彼らが創っていけばいいと。

日本で最初に地球化学と微生物学を融合させた希有な人材

実際、新生プレカンラボの連中は個性豊かな頼もしいヤツラばかりだった。上で紹介した4人はみんな日本地球化学会の若手奨励賞を立て続けに受賞してしまった(まあ全然大した賞じゃないと言ったら日本地球化学会には怒られそうだが)。

彼らの頼もしさは研究がしっかりしているというだけじゃない。ちゃんとボクの長期的人体実験研究である「一人の若者研究者の中に分野融合を実現させる」というテーマを実践してくれているところだ。

中村謙太郎君は変質岩石の専門だったはずなのに、いつのまにか「インド洋で見つかった新しい深海熱水域での白いスケーリーフット発見と黒いスケーリーフットとの遺伝的・生理学的・発生学的比較」みたいな論文をまとめあげるようにまで変態化が進んできた。

西澤学君は日本地球化学会の若手奨励賞をもらったときの理由として、「日本で最初に地球化学と微生物学を融合させた希有な人材」とか言われて有頂天になっていたらしい。ほう、オレ様を差し置いて「地球化学と微生物学を融合させた最初の研究者」だと。上等だ、表に出ろ。勝負したる。

川口慎介君はこれまた、知識だけはバッチリの耳年増の女子中学生みたいな、もう頭の中だけはパーフェクトな分野融合を成し遂げた「希有な人材」である。しかしとにかく実験が嫌いという不治の病に侵されているので、まずは「居残り試験管洗い2万本の特訓です」と言いたい。

渋谷岳造君は肉食獣指導教官の影響か壮大な放置プレーの後遺症のせいか、研究指向において一番保守的なところがあった。とはいえ彼自身は、絶滅が危惧されつつある変質岩石学やフィールド地質学の研究者なのでそれはそれでとても貴重な人材である。

ところが現在、渋谷岳造君はNASA JPLに留学し、分野を超えた天才マイケル・ラッセルと日々濃厚な時間を過ごしている。すごくイイ影響を受けているようで楽しみである。渋谷君が「生命の起源の鍵はRNAワールドですよ」と言い出したら、アンチRNAワールドのボクはいつでもRNAワールド派に転ぶ準備がある。

しかし、プレカンラボの歴史はそんな簡単にハッピーエンドとはいかないのだ。

= エンケラドゥスvsエウロパvsケレス(6/7) =

・・・・・ 宇宙に生命を探せ‼ ・・・・・

世界的な情勢を見れば、強力なコミュニティ・実績作りとロビィ活動で「エウロパ」派は遙かに上を行っていて、サイエンス誌の記事にすら「探査対象として圧倒的にエウロパが優勢、にゃむ」と書かれている状況です。さらに、2013年12月12日にサイエンス誌に極めて重要な発見が報告されました。「ハッブル宇宙望遠鏡の観測によりエウロパの南極付近に水蒸気の噴出が見つかった」という報告です。つまりエウロパにもエンケラドゥスに見つかっていたような内部海の潮吹きの可能性があることが示されたのです。

NASAの宇宙探査計画の審査を睨んだ意図があるのかないのか分かりませんが、そのニュースを聞いたアメリカのエンケラドゥス派研究者達は「ぐぬー、エウロパ派の仕込み爆弾にしてやられた」と負け惜しみみたいなセリフを吐いていたのが印象的でした(かなりナマナマしい世界でしょ)。

 さらにさらに、これまたNASAの宇宙探査計画の審査を見据えた意図があるのかないのか分かりませんが、2014年1月23日にはネイチャー誌に「ケレスにも水蒸気の噴出か?」という論文が発表されました。つまり今度は、ケレスにも内部海っぽいモノがあってその潮吹きがあるかもしれないよ? という可能性まで指摘されたのです。

 2014年1月23日にはネイチャー誌に「ケレスにも水蒸気の噴出か?」という論文が発表されました。つまり今度は、ケレスにも内部海っぽいモノがあってその潮吹きがあるかもしれないよ? という可能性まで指摘されたのです。

 こんな大ネタが次々に出てくると、ワタクシが「もうアナタの好きにして。アタイ行けるんならどこでも行くわよ」と桃井かおり化するのも頷けると言うモノでしょう。 それどころかワタクシ、あまりの大ネタ続きに思わず「エンケラドゥスなんて最初からいらんかったんや! エウロパでよかったんや! いや、スグソコのケレスでよかったんや!」と阪神タイガースファン的セリフを吐いてしまいました。

 しかし冷静になって対決表まで作って、現時点での客観的な比較を見直してみると、やはり太陽系地球外生命探査対象としてのエンケラドゥスのアドバンテージは抜きんでていると言わざるを得ません。

 もちろん「エウロパの内部海の潮吹き」が本当に確実で長期安定政権なら、それは最強の探査対象である可能性はあります。またケレスの内部海の存在の可能性があるのなら、日本独自の比較的小規模な(お手軽な)惑星探査の対象としての魅力が大きいことも強く主張したいっス。

……続く

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 :ABC Catalyst S12E16 Deep Sea Mining  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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