Quantcast
Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

未知なる深海へ 高井 研 =112=

$
0
0

〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第7話(最終話) 新たな「愛と青春の旅立ち」へ ᴂ

◇◆ ボクの熱意とジタバタだけではどうしようもない問題 =1/3= ◆◇

2000年に米国留学から戻って怒涛の深海探査&研究を続ける高井さんが、第7話ではいよいよ「人類究極の研究テーマ」(本人談)である地球生命誕生の謎に挑みます。ただし、それは高井さんという微生物学者一人で太刀打ちできる問題ではありません。別の“武器”をもつ仲間が必要でした。

2000年にボクがアメリカからJAMSTECに戻ってきて以降、ボクは世界熱水微生物生態系制覇という、まるで『魁!!男塾』(かつて週刊少年ジャンプに連載された漫画)の大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)的ノリ、の自己満足的研究テーマを掲げて研究に打ち込んでいた。

その世界熱水微生物生態系制覇の中で、現世の地球に生き残った世界最古の持続的生態系の直系子孫であり、地球活動によって創り出された水素(H2)や無機物質から生命活動のエネルギーを得る事のできる、「ハイパースライム」の存在を証明しようと虎視眈々と狙っていたんだ。

「ハイパースライム」というのは、正式にはHyperthermophilic Subsurface Lithotrophic Microbial Ecosystemという英語の表現を下線部分の文字だけでテキトーに短縮した命名なのだが、日本語でフルに書くと、「地殼内超好熱性化學合成微生物生態系」(ドーン!)というまるで中国語のようなモノになってしまい、書く方も読む方も思わず「それ、ウザい。ホント、ウザい!」と言いたくなる。

思いっきり簡単に言ってしまうと、「深海熱水に含まれる無機物質だけで生命活動を支える事ができる微生物の集団が海底下にワサワサいること」、もっと簡単に言ってしまうと、「深海熱水チムニーの中に水素と二酸化炭素を食べる超好熱性メタン菌がたくさんいて一次生産者になっていること」、を見つけることがほぼハイパースライムの存在の証明になる。

その証拠となるような結果が、2002年1月から3月にかけて行われた「しんかい6500」による中央インド洋海嶺かいれいフィールドの調査で得られていた。

「ハイパースライム」はなぜ、中央インド洋海嶺かいれいフィールドには見つかり、それまで調査を重ねてきた日本周辺の沖縄トラフ、伊豆小笠原火山弧、パプアニューギニアのマヌス海盆の深海熱水環境には見つからなかったのか?

その理由は、おそらく熱水に含まれる水素の量が、かいれいフィールドでは非常に高濃度であるのに対して、他の熱水ではとてもショボイためであろうと、ボクは早々に気付いていた。

そして「その場の環境に存在する水素の量がハイパースライムの成立の成否を握るに違いない。おそらくそれは太古の地球における最古の生態系についても当てはまるはず。いや絶対そうだ!」という直感を抱いたんだ。そうなれば、「最古の持続的生命が誕生、繁栄した場とその成り立ち」が美しく説明できる。ボクの中にその直感が降りてきた瞬間の身体や精神のビリビリ感は過去最強で、もうそれは、ボクには絶対的真実としか思えなかったんだ。

どうして水素が満ちあふれているのか?

ただ「そんな直感にボクはビリビリと震えているよ」(注:笑い飯の漫才ネタ「アリ」からの引用)とは別に、なぜ中央インド洋海嶺かいれいフィールドの熱水がそんなに水素に満ちあふれているのかについては、最初、全くわからなかった。

かいれいフィールドの熱水の水素濃度は、当時の世界ランキング第3位だった。1位は大西洋中央海嶺のレインボーフィールド、2位は同じく大西洋中央海嶺のロガチェフフィールドで、その二つについてはカンラン岩が原因で水素濃度が高い(にちがいない)というのが業界の評判だった(しかし当時は、その関係性はまだはっきりと論文化されておらず、地下でまことしやかに語られていたのみだった)。カンラン岩は、水と反応すると蛇紋岩という鉱物に変質するが、それと同時に水素も生成するのである。

= しんかい6500パイロットチーム <ベテランが語るパイロットの醍醐味>1/6 =

しんかい6500は、世界一深いところを知っている潜水艇ではない。しんかい6500の持つ記録は、6527メートル。これに対して、2012年に中国の蛟竜号は7020メートルを記録している。映画『ターミネーター』シリーズの監督や脚本でも知られるジェームズ・キャメロンも同じ年に、1人乗りの潜水艇で、深さ1万メートル級のチャレンジャー海淵に達している。「記録は、いずれは抜かれるものですから」

つぎは「しんかい10000」ですか?

 しんかい6500のパイロット・小倉訓さんは穏やかに言う。

「より深いところへは、機械があれば、行くには行ける。私らは、そこで何ができるかに携わっているので、どこがどれだけ深く潜ったかよりは、その機械で何ができるか、運用レベルがどうなっているのか、そっちの方が気になりますね」

 やはり、しんかい10000とか、欲しいですよね。

「技術的には造れるでしょうけど。ただ、個人的には、深さばかりが必要なのではないと思うこともあるんです」

 それは、どういうことですか?

「たとえば、しんかい6500というのは、水深6500メートルで最大の能力を発揮できるように造られていて、浅いところの調査には不向きなんです」

 どういうことですか?

「深度によって、海面まで浮き上がるのに必要な力が変わるからです。海面近くと6500メートルの海底とを比べると、しんかい6500にかかる浮力は約250kg違います。基本的に、最深部のコンディションに合わせておいて設計されますので、浅い海域では浮力が足りなくなります」

 ということは?

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 :「ワンピースを求めて、世界の、宇宙の海へ」

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/db66876376e050342e0c74c932887371

後節へ移行 :http://blog.goo._not-yet//113//

----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------

【壺公夢想;如水総覧】 :http://thubokou.wordpress.com

【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【疑心暗鬼;如水創作】 :http://bogoda.jugem.jp/

下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行

================================================

  

・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

================================================

・・


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

Trending Articles