〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠
ᴂ 第6話 JAMSTECの拳―天帝編― ᴂ
◇◆ この研究計画はオレ様のために存在するのだ =2/4 ◆◇
角皆潤さんはボクの発表にとても鋭い質問をした。実はその時、ボクはその質問の意味がよく分からなかった。
「わからないんならエラそうなこと言うな(ボケ!)。(ケッ、)これだから微生物屋は、ふう(使えん!カスが!)」
もちろんカッコ内は当時のボクの脳内変換(0.001秒)だが、まちがいなく彼はそう言いたかったに違いない
ボクは久しぶりに血湧き肉踊った。オープンな討論会のような場で、これほどまで真正面から由緒正しい攻撃的な批判を受けたのはいつ以来だったろうか。ものすごくアタマに血が上ると同時に、とても嬉しく感じたんだ。「これがサイエンスの議論の本質であり、本来学会発表とかで行われるべき真っ当な議論そのものだ」と。
「科学の議論においては、地位も名誉も年齢も性別も、そして互いのこれまでの人間関係や利害関係も、全く関係はなくすべからく対等であり、おかしいと思うことには自分の全存在を賭けて否定し、凄いと思ったら全身全霊で賞賛すべき」。そんな主義・信条を(たぶん)共有していると思われる、同い年ぐらいの超ナマイキな奴がいるということを知ったことがとても嬉しかった。
その後、この角皆潤さんとは、そこそこそれなりに(どうやら彼は生理的に関西人を受け付けないという人間としての重大な欠陥があり、「すっかり」というわけにはいかなかったようだが)意気投合し、いろいろ共同研究など進めることになる。
そんな角皆さんとの遭遇も含めて、ボクには、これまでにない多くの人や科学分野との出会いがあった刺激的な会合だった。そして勝手に「よっしゃー、オレがアーキアンパーク計画を引っ張っていってやるぜ」と盛り上がったんだ。
大ボスから返ってきた予想外の言葉
その会合から2週間位経った頃だろうか。「アーキアンパーク計画」の研究プロポーサルを書く際の研究内容や研究費の分担を具体的に決める必要があったため、ボクは大ボスの掘越先生に相談しに行った。
こういう研究申請に関しては、掘越先生は基本的に「まあ好きなようにやれ」と言うことが多かったので、今回の事についてもそう言うだろうと高をくくっていた。事実、最初に「アーキアンパーク計画」の話をした時も掘越先生の反応は否定的ではなかったし。
ところが返ってきた言葉は全く予想外のものだった。 「ウチのグループからその研究計画に関わることは一切禁じる」
最初に「アーキアンパーク計画」の話をした時も掘越先生の反応は否定的ではなかったし。 ところが返ってきた言葉は全く予想外のものだった。 最初その言葉を聞いた時、ボクは何がなんだかよくわからなかった。
= 映像で伝わらない色彩――パイロットが語る深海調査の1日 2/6 =
深海調査の1日
さて、ここで、しんかい6500の深海調査の1日をシミュレートしてみよう。 予定されていた潜航が行えると判断されると、6500メートルの潜航ならたいてい朝の7時に、潜航前のチェックが始まる。 潜航できないという判断がされることもある。理由は天候。
話し合いは、母船よこすかの船長、しんかい6500の司令(運航チームの責任者、行動の総責任者。小倉さんは司令である)、そして首席研究員の間で行われる。 「数字での基準もあるのですが、私の場合は、無理かなという感覚を持ったら、極力やらないようにしています。一番危険なのは、着揚収、つまりしんかい6500を海面へ下ろすとき、引き揚げるときに海に入って作業する、スイマーなので」
潜航が決まると、乗船者は8時20分位にしんかい6500に乗り込む。 「一番忙しいのは、水につかるまでと、浮き上がってからですね」
しんかい6500の、直径2メートルの居室へは、ハシゴを下りて入っていく。 乗り込む順番は決まっている。まず、コパイロットが乗り、それから、お客さんである研究者が乗り、そして、パイロットが乗る。 「よこすかの上で、しんかい6500に乗る順番を待っているときが、一番好きですね。振り返ると、甲板へ開いたドアから、海が見えて」
クレーンで一度高く吊り上げられ、海面に下ろされる。スイマーによってクレーン索から外され、完全にフリーになって、潜航開始。9時頃から、毎分約40メートルの速度で潜っていく。 「たとえば6500メートルまで潜るなら、約2時間半かかりますから、往復で5時間。すると、8時間引く5時間で、深海底を調査するのは、3時間ということになります」
1回の潜航は、8時間まで。本当はもっと潜っていられるだけの設備はあるが、そう決まっている。 ということは、もっと浅いところへ潜るときは? 「海底にいる時間が長くなります。だから海底でしんかい6500を運転する時間も、長くなります」
10メートルも潜ると、海上にいるときのような波の揺れは感じなくなるという。 そのなかを、約2時間半かけて潜っていく。新幹線で東京-大阪間は最短2時間25分。することがなければ、相当退屈である。まさか、寝るわけにもいかないだろうし。
海底に着くまでは、どんな風に過ごしているんですか。 「大きな仕事の1つに、お客さん、つまり研究者の方の緊張をほぐすよう、話しかけることがあります」
動画 : しんかい6500
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・・・・・・・・つづく・・・・・・・
動画 : 高井研 「生命の起源最大の謎」を解く勇者!」
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