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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =087=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠ 

ᴂ 第6話  JAMSTECの拳―天帝編― ᴂ

◇◆ 「しんかい6500」、世界一から陥落 =1/3= ◆◇

ジェームズ・キャメロンのマリアナ海溝到達をはじめ、今年は深海挑戦の話題が目白押し。世界最深の座を奪われた「しんかい6500」とそれを擁するJAMSTECが、これから向かうべき道は? 高井さんが考察します。

「けっ、負け惜しみヤローが!」と言われれば、その通りです。JAMSTECがトリエステ号以来の有人潜水調査に成功していれば良かったのに・・・、と多くのJAMSTEC職員は心の中で思っているでしょう。

実際「しんかい11000(仮)」のブループリントがこれまで作られてこなかったわけではありません。このディープシー・チャレンジ成功のニュースの後、JAMSTECでは、プレジデントからしんかい11000(仮)の建造に向けた「あしたのためにその〔一〕」が高らかに何度も宣言されています。

確かに、水深11000mに潜航できる科学調査用有人潜水艇を造ることは、未踏技術への挑戦という面から重要であると言えます。ジェームズ・キャメロンもディープシー・チャレンジのビデオドキュメントの中で、その重要性を強調しています。また、そこにかける技術者達の想いは、同じ未踏領域に挑む人間として大いに共感・理解できます。

しかしプロのサイエンティストとして、客観的に冷徹に科学調査用有人潜水艇を造るプロジェクトを俯瞰してみた場合、「必要とされるお金、時間、労力に値するほどの画期的な科学価値」をすぐに想像することができないことに気付きます。

もちろんこれは、ずっと将来に至るまで画期的な科学価値が見つからないことを意味するものではありません。今後の研究成果により、どのような進展があるか、誰にもわからないからです。

ただ現時点でハッキリ言えるのは、11000m潜航可能な有人潜水艇の必要性は明示できないけれど、有人・無人を問わず世界中の海のすべての場所を調査できる機器は今すぐにでも必要だということ。

2003年5月にJAMSTECの「初代かいこう」(11000mまで潜航できた無人潜水艇)が行方不明になって以来、日本には(世界にも)水深7000mより深い海を「バッチこーい!」と調査・観察・研究できる機器がありません。その弱点が、東日本大震災の発生以後の様々な海溝研究科学調査において顕わになりました。有人・無人にかかわらず、全海洋を網羅できる科学調査潜水艇が今すぐ必要なのだ!とワタクシは断言します。

= 人が支える海洋研究 「しんかい6500」潜航同行記 1/4 =

海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」による熱水噴出域の調査が7月20~22日、伊豆諸島最南端の青ケ島近海で行われた。潜航チームと共に支援母船「よこすか」に同乗した記者が、3日間にわたる航海をリポートする。【池田知広】

青く輝くチムニー

 「目の前に、美しい光景が広がっている」

 航海2日目、潜航したしんかい6500の副操縦士を務めていた飯島さつき潜航士(28)から、よこすかの総合司令室に無線連絡が上がって来た。普段、物静かな飯島さんらしくない言葉遣いに、船上の桜井利明司令(58)らは「何を見て言ってるんだ」とざわついた。よこすかに送られてきた映像は少しぼやけていて、全体像がよく分からなかった。

 飯島さんら乗組員3人が深さ約800メートルの海底で見ていたのは、高さ35メートルにも及ぶ巨大な熱水噴出孔(チムニー)だった。「普段はあんなこと言わないですけど、神秘的で思わず口に出ちゃいました」と飯島さん。投光器に照らし出されたチムニーは鮮やかに青く輝き、まるで近代建築のように見えたという。

 チムニーは、マグマの働きで海底から熱水と一緒に噴き出す金属などが積み重なってできる。チムニーが存在するような熱水噴出域は鉱物資源の宝庫とされ、海洋機構と東京大などは2013年以降、無人潜水機などでこの海域の調査を繰り返してきた。15年に巨大チムニーを発見し、今回はより詳しく観察しようと、しんかい6500で潜航に挑んだ。

 潜航地点は、東京から南に約360キロ下った青ケ島の東約12キロにある「東青ケ島カルデラ」内の海域。伊豆・小笠原海溝に沿う火山フロントに位置し、カルデラの大きさは東西約12キロ、南北約18キロ。しんかい6500はその名の通り水深6500メートルまで潜れるが、カルデラは最深部でも水深830メートル程度だ。

 しんかい6500は自力で潜航海域まで移動できない。目的地の海域まで連れて行ってくれるのが、支援母船「よこすか」だ。

酔い止め薬を手放せず

 7月20日午後、海洋機構の本部がある横須賀港から、全長105メートル、総トン数4439トンの「よこすか」は出港した。船内を案内してくれたのは、海洋機構広報担当役の田代省三さん(61)。しんかい6500と、その先代の「しんかい2000」のいずれでも初代のパイロットを務めたパイオニアだ。

 田代さんから「船の『総トン数』は重さではなく、容積を表している」「司厨(しちゅう)長(コック長)と仲良くしておくと、好きな料理が食べられる」などと船乗りの豆知識を教えてもらっているうちに、「よこすか」は浦賀水道を抜けて外洋に出た。

船は12・5ノット(時速約23キロ)で南へ進んだが、南西諸島沖にある台風10号の影響もあり、うねりがあった。船体はゆっくりと大きく左右に揺れ続け、両足で踏ん張らないとよろけてしまうほど。私は3日間、酔い止め薬を飲み続けることになった。

 支援母船「よこすか」の乗組員は船長を筆頭に27人。操船に関わる航海士と甲板部、エンジンなどの機械や装置を動かす機関士と機関部、日々の料理を作る司厨部などで構成される。加えてよこすかには、しんかい6500のチーム11人も乗っていた。皆、海洋機構から船の運航を委託された民間会社「日本海洋事業」の所属だ。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 土星の衛星・エンセラダスの海

  

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