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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =062=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語 ᴂ

◇◆ 最後の「むかつくんですよ!」はよく覚えている =1/3=  ◆◇

JAMSTECにやってくるなり放置され、数少ない知り合いの研究者には「今から3年後の就職先を探しとけよ」と言われ、高井さんは怒りと寂しさと危機感を募らせていた。早急に研究を立ち上げねば。びんびんきてます!

さて、そもそもボクがJAMSTECにやってきたのは、既に前話でも書いたように「世界の誰よりも早く深海熱水の未知の微生物の多様性を明らかにしたい」という具体的な研究テーマがあったからだ。

早速このテーマをブイブイやってやるぜ、と意気込んだものの、ボクはある事実を知って愕然とした。

深海熱水環境の未知の微生物の多様性を明らかにするためには、有人潜水艇か無人潜水機のいずれかによって深海熱水域に潜航しなければならない。自分の目でその環境を良く把握し、必要な環境条件データを測定したうえで、いくつもの異なる環境からサンプルを採取。その新鮮なサンプルを用いて、培養による方法や環境中から直接DNAを取り出して調べる必要がある。そうやってはじめて、微生物群集の多様性や組成・機能がわかるのだ。

つまり研究の第1歩は、有人潜水艇か無人潜水機のいずれかによって深海熱水域を潜航調査すること、だ。実は深海潜航調査というのは、毎年1回、潜航調査計画書を提出して次年度の潜航調査計画が決まる。ボクはJAMSTECに来るなり、「一体いつ深海熱水域に潜れるんですかね~」と聞いたわけだが、その時には既に次年度(1998年度)の申請が終わっていた。

ズッッコーン。JAMSTECに来てから1年半は、サンプルも手に入らないなんてー。  思てたんとちがうー!

余談になるが、当時の深海調査研究(海洋調査船や有人潜水艇を用いた調査研究)の決定プロセスは今とは大きく違っていた。例えば「しんかい2000」や「しんかい6500」の潜航調査の場合、2001年度からは完全にオープンな公募制となり、しっかりした研究目的、研究内容、潜航調査回数の妥当性、研究の意義や期待される成果の重要性、研究遂行能力を示した科学提案のランキングに基づいて決定される仕組みとなった(詳細はすこしずつ変わってきてはいるが)。

しかしそれ以前は、主にJAMSTEC枠、大学枠、公的研究機関枠の3つに、年間潜航回数がほぼ3等分されていて、その枠組みの中でどのような調査研究が決定されるかはあまり透明ではなかった、と言ってみたりして。

いずれにせよJAMSTECに来たばかりのボクは、自分の研究テーマのための深海熱水域潜航調査を1年半以上待たなければならない、ということを知って愕然としたのだった。

しかしホントーは、当時のかなりのんびりした深海調査研究の決定プロセスのおかげで、ボクはちゃっかりそれから半年少し後に、祝! 初「しんかい2000」潜航、しちゃうのだが、それはまた後述する。

困り果てたボクは、JAMSTECにやってきたばかりの初々しい新人だったはずなのにも関わらず、「ワシは、深海熱水域に潜りたいんや! そのためにJAMSTECに来たんや!」といろんな人にダダをこねたようだ。そうすると、多くの人の好意で、1998年の春に決定されていた「しんかい2000」による「伊豆・小笠原水曜海山熱水フィールド」調査や「沖縄トラフ伊平屋北熱水フィールド」の調査に乗船させて貰えることになった。

また、乗船できずとも1997年の秋に採取された「沖縄トラフ伊平屋凹地熱水フィールド」の新鮮なサンプル、1998年の春に行われる「伊豆・小笠原明神海丘熱水フィールド」の新鮮なサンプルを分けて貰えることになった。

= 生命は海から?陸から?宇宙から?—高井研さんに聞く・後段 -2/7- =

世界中の深海に潜り、誰よりも生命の起源を探ってきた男、高井研さんインタビュー。「生命の起源を解明するには地球だけを研究していたのではダメ。宇宙に行かないと!」と高井さんが力説したのに、その後は感動ポイントを逃さないように、しぶとく質問を続けるうち話題は太陽系の果てへ、さらに地球最後の秘境「超深海ゾーン」へと広がっていく。思いっきり熱いトークを聞くうちに、いつしか気持ちも解き放たれ、宇宙や深海探査の魅力にぐいぐい引き込まれていく。

—- 一般性と特殊性?

高井: どっちもある。地球が宇宙の中で一般的な部分もあるし、特殊な部分もたくさんある。それをきっちり見極めて、「なぜ地球の中で生命が生まれるか」を言わないといけない。そのためにはまず地球をしっかり理解した上で地球と他の星を比較して、宇宙の中での地球の存在の意味を考えないといけないのに、地球のことを忘れてしまっているような気がする。

—- 宇宙にばかり目を向けていると?

高井: そう。やっぱり人間はアホな所があるので、自分が知っている環境や現象を基にしないと直感的な理解が出来ない。だから宇宙で起こったことは地球ではこういうことですよ、と理解しないといけないし、みんなが理解できる形で表現しないとサイエンスにならない。エンセラダスでは、シリカが噴き出すことについて「なぜ宇宙空間にシリカが存在できるか」が問題になった。それを解決するには、地球上でシリカができるあらゆるプロセスと環境を考えないといけない。でも宇宙探査の専門家にはその知識と経験がなかった。実際に海や温泉の調査をして実験を行っているのはうち(JAMSTEC)で、我々の実験によって問題が解決できたというわけです。  

—- なるほど、面白いですね。

高井: ごく当たり前のことだと思いますよ。サイエンスの世界に物理学も化学も生物学も境界なんてない。特に大きな命題に対しては、自分で解けないならできる人と一緒にやらざるをえない。 ・・・・・・続く※

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : ちきゅうTV Vol.7 熱水海底下生命圏を調査!

  https://youtu.be/QGy2of-WyN8

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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