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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =058=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ 第4話  JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語 ᴂ

◇◆ 「クマムシ最強生物伝説」の看板、獲ったどー!! =3/3= ◆◇

クマムシは、ゆっくりと生育に都合が悪い条件に変化すると、「樽」構造という休眠状態になるようです。生身のクマムシにも高い放射線耐性があるようですが、この「樽」状態のクマムシが恐ろしく生存能力が高いようです。思わずワタクシ、この無双モードに入った「樽」状態のクマムシを、「マジカル☆樽るートくん」(江川達也さんによる漫画のパクリ)と呼んでしまいました。

このマジカル☆樽るートくんは、151℃という乾熱(水を含まない状態の熱)で、30分間処理しても死にません。7万5千気圧という圧力にも耐えます。さらにクマムシの驚くべき事は、放射線耐性や紫外線耐性が極めて高いことです。

この1年で、多くの人がずいぶんなじみ深くなったシーベルトという単位がありますが、クマムシは5000シーベルトというガンマ線被曝を受けても50%は生き残るという耐性を持っています。

微生物の研究では、放射線耐性や紫外線耐性といった耐性は、乾燥に対する耐性を獲得していった進化の過程で、副次的に得た耐性能力ではないかと考えられていますが、例えばクマムシのDNAの放射線耐性や紫外線耐性機構は、微生物のメカニズムとは異なっているようです。面白いですね。

今回、この対決をきっかけにクマムシの論文を漁り始めて、堀川さんをはじめ、世界中でクマムシの研究が熱く進められていることを知りました。

いやー、おかげで勉強になりました。世の中、いろいろ無駄なちょっかいを出したり、噛みついたりしてみるもんですね。それで新しい世界が開けることもある、ということが今回の件でよくわかりました。

そしてようやく、「料理の鉄人」のあの決めセリフ、「蘇るが良い、アイアンシェフ!」に戻るんです。

先程の表の微生物の欄に、赤字で示した項目があるのですが、どうもその項目が系統的に調べられていなくて、能力の限界が曖昧であることがわかりました。

日本に限らず、世界中のクマムシ研究者達は、意識的なのかそうでないのかわかりませんが、自分たちの研究対象であるクマムシの能力を科学的に丸裸にして、その面白さをわかりやすく一般社会へ訴えようと協力しているように見えます。それによって研究コミュニティー全体を活性化させようと努力しているように感じました。

ひるがえって微生物学研究者について考えてみれば、ただでさえ微生物なんて、「バク(テリア)ちゃん、アー(キア)ちゃん、キミきゃわうぃーねー」なんて言われることが金輪際期待できないわけですから、その生育能力や生存能力の鉄人ぶりをもっと科学的に追求して、その凄みを見せつけ、研究対象の価値を高めなければいけない。そう思ったのでした。

そんなことを考えていると鹿賀丈史さんのマネをして言いたくなったのです。
「蘇るが良い、アイアンマイクローブ! アイアンマイクローブハンター!」

= 生命は海から?陸から?宇宙から?—高井研さんに聞く・前段 -4/6- =

海洋研究開発機構(JAMSTEC)深海・地殻内生物圏研究分野分野長 高井研さん。「しんかい6500」実機前で。(高井さんの右側にある丸窓が研究者用窓)深海や生命について語り出すと止まらない、めちゃくちゃ熱くて濃い方です。

………生命が誕生するための4つの条件。水だけあってもダメ!

—- 有機物は宇宙から来たという考え方もありますよね?宇宙から持ってくる可能性もありですか?

高井: そこはまだ解決できていない。たとえば我々が一番注目しているのは、生命体の重要な材料である核酸とタンパク質に、窒素が必要なことです。窒素を生命活動に一番取り込みやすいのはアンモニアです。地球の仮想原始大気から有機物を作る実験を行った、有名な1953年の「ミラーの実験」では大気中にアンモニアを想定しています。でも当時の地球にはアンモニアがほとんどなくて、それが大きな問題でした。でも宇宙には死ぬほどアンモニアがある。

—- で、宇宙から来たと?

高井: 宇宙からはアミノ酸とか核酸とか、ほしい有機物が都合よく降ってくるわけじゃないけど、石油みたいな複雑だけどゴミみたいなものがアンモニアと一緒に降ってくる。例えば隕石とか彗星とか、宇宙塵として。それが有機物を作る材料として考えられますね。

その一方で、いやいや地球でも有機物は作れますよという説もある。実は有機物が地球でできたか、宇宙から来たかは、生命のでき方にめちゃくちゃ関わっている。宇宙から有機物が来たと考えると、ランダムな中からたまたまある化学反応が起きて生命が生まれて進化した、つまり「いろんな生命が生まれる可能性」も高くなる。一方、地球で有機物ができたとすると、最初に生まれたものがある一定方向に進化を積み上げて行って、最終的に我々生命に近づく。「我々みたいな生命は生まれるべくして生まれた」と。どっちかはわからない。

—- 難しい話になってきたので・・

高井: あまり難しくないんですけどね。今、世界で一番難しい問題を一番やさしいレベルに落とした、素晴らしい説明だったんですけど(笑)

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : ちきゅうTV Vol.1 熱水海底下生命圏を調査!(後編)

  https://youtu.be/1DTrP4EnxZ4?list=PL97pirzgh57Ms7dQy4rBYdXdGFoAdqmXY

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