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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =021=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠  青春を深海に掛けて=高井研=  ☠

ᴂ  第二話 JAMSTECへの道・前編  ᴂ 

◇◆ その一 東京地検特捜部か、ノーベル賞か =1/3= ◆◇ 

前回までの第1話では、もはやほのかな加齢臭とともに哀愁を漂わせつつある中年中間管理職のワタクシ高井研が、残り少ない現役研究者としての情熱を燃焼させてスス煙など巻き散らかしている、そんな有人潜水艇「しんかい6500」での深海調査の様子を紹介しました。

この2009年のインド洋での潜航調査は、じつは、ワタクシ高井研にとって記念すべき「たぶん・・・・・・35回目くらい」の有人潜水艇による潜航調査でした。

そのぐらいの回数で、普通の人がめったに行けないディープ・グランブルーの世界に潜って研究をさせてもらってます。シアワセモノです。耳にする噂では、どうもこの回数は、JAMSTECの深海研究調査が「公募制」になってからの最多記録のようです。さらにシアワセモノです。

そのすべての潜航調査で深海熱水に潜っています。しかも、すべての潜航調査で、深海の海底から熱水が噴いている場面に遭遇しています。「しんかい6500」にチョットした不具合が起きて、緊急浮上した時ですら、深海熱水をちゃんと目に焼き付けてから浮上しているのですね。うーん、運がいいのか、あるいは、ちゃんと美味しいとこを狙って潜っているのか。たぶんどっちもです。

かなり煤けた記憶を呼び起こせば、ワタクシ高井研が有人潜水艇による潜航調査を初めて経験したのは、1998年の初春、沖縄トラフ伊平屋北フィールドだったと思います。あれは、京都大学農学研究科で博士号をとってJAMSTECにやってきて半年も経たないピチピチのフレッシュマン(死語)時代でした。

それから12年と半年後、

すぐに誰かエライ人と喧嘩して生卵でも投げつけてクビになるに違いないと思っていたJAMSTECに居座り、プログラムディレクターなどという名前だけは「まあご立派!」だけど、実は「使い減りしない哀愁の中間管理職なのだ」という職に就き、挙げ句の果てに、そのご縁のある沖縄トラフ伊平屋北フィールドで地球深部探査船「ちきゅう」を使って日本初の大規模熱水掘削調査を指揮することになる。

まさかそんなこと想像していただろうか。いや想像していない(反語)。

だんだん話の道筋と文章のノリがよく分からなくなってしましたが、つまり、今回のマクラは、「遠い目で振り返る過去」と言うことのようです。

京都に生まれ、幼少を過ごし、思春期を山紫水明自然溢れる滋賀県北部(要するにド田舎)でまっすぐ育ち、青春期を再び京都でハジけた根っからの京都人であり滋賀県民であるワタクシが、なぜ「箱根の関所」を超えてJAMSTECにやってきたのか?

これから始める第2話では、そのエピソードを紹介したいと思います。

さあ、みなさんも今、夜な夜な東京都港区芝浦の片隅でボディコン(死語)という特攻服に身を包んだ3000人ものうら若き女子たちが扇子を振り回して踊り狂っていたとまことしやかに語り継がれる、今の若い人には信じられないようなあの平和な1990年代初期に、タイム・スリップしたと思って下さい。

「ジュリアナトーキョー行ってみたい」とうつつを抜かしていたワタクシに、後に「深海に青春を賭ける」ことになる最初のきっかけが訪れたのは、1991年2月のことでした。

京都大学農学部では、3回生の後期試験が終わる頃には、春から始める卒業研究の配属研究室や研究テーマを決めないといけないので、学科の同級生はみんな結構ソワソワしだしていた。自分の進みたい研究室の配属人数、就職率の良さやラボの雰囲気、その人間関係など、調査すべき事柄がたくさんあったのだ。

ボクは元々、将来は研究者になりたいと思って京都大学農学部に入学した。大学は京都大学農学部と大阪大学法学部を受験した。前者を受験したのは生物系の研究者になるのもいいなあと思ったから。それは高校時代の生物の先生の影響があった。

その先生は、いかにも生物教師っぽくって、のどかな昼下がり、学校の生物実験室でホゲーッて感じで飼育生物の世話をしたり、テレテレと実験の準備をしたり、時間の進み方が他の教科の先生とは明らかに違っていた。

=有人潜水調査艇・しんかい6500=

ミッション

「しんかい6500」は、6,500mの深さまで潜ることができる有人潜水調査船で、1989年に三菱重工業(株)神戸造船所で完成しました。その活動範囲は日本近海だけでなく、太平洋やインド洋、遠くは大西洋にまで及び、これまでに延べ1,509回の潜航を行ってきました(2017年8月現在)。現在運航中の大深度まで潜ることのできる有人潜水調査船は、世界でも7隻しかありません。その中で「しんかい6500」は、日本のみならず世界の深海調査研究の中核を担う重要な役割を果たしています。

2012年3月、「しんかい6500」は建造以来最大となる改造を終えました。船尾の主推進装置を、旋回式大型1台から固定式中型2台に変更し、また水平スラスタを後部に1台増設して回頭性能を向上させました。また、全てのプロペラのモーターをよりレスポンスの良いものに換装し、加速・制動性能も向上させました。

「しんかい6500」のミッションは、①地球内部の動きをとらえる =巨大地震の発生場所であるプレートの沈み込み域、新しくプレートが生まれる中央海嶺域など、地球内部の動きに大きく関わる現象を調べ、地球のなりたちを解明します。= ②生物の進化を解明する =深海という未知の世界の探査は、これまで多様で独自性に富んだ生物群や化学合成生態系の存在を明らかにしてきました。化学合成生態系とは、太陽エネルギーにほとんど依存せず、地球内部から湧き出す湧水に含まれる硫化水素やメタンをエネルギー源とする化学合成細菌が作る有機物に依存する生態系です。これら深海の生態を調べることで、生物の起原や進化の過程を解明できると期待されています。=

そして③深海生物の利用と保全 =今後人類が直面する食料問題などに向けて、深海生物資源の持続的な利用や、多様な生理機能を有する深海生物の遺伝子資源の研究が必要とされています。= 更には、④熱・物質循環を解明する =気候変動や潮流の強弱など地球を取り巻く環境変動の歴史は、海底に堆積したさまざまな物質中に記録されています。こうした記録を採取し解読しています。また、海底の熱水活動により放出される熱や物質は、地球環境に少なからず影響をもたらしてきました。海底熱水系を理解することは地球の環境変遷を理解することにつながっていきます。=

・・・・つづく・・・

動画 : 海底調査の1日

https://youtu.be/nWzz3DzuFcw

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