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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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未知なる深海へ 高井 研 =013=

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〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

☠ 青春を深海に掛けて=高井研= ☠

ᴂ 第一話 実録! 有人潜水艇による深海熱水調査の真実 ᴂ 

◇◆ その2 マリンスノーってきれいなんですか? =2/3= ◆◇ 

自分の専用ポシェットに、潜航調査熱水域の地図と潜航計画を書いたメモと酔い止めクスリ(海面に浮いている間はひどく揺れるので必要)、そしておやつとして柑橘系の飴と「きのこの山」を突っ込み、コックピットに乗り込む。

しんかい6500のコックピット内では、速やかにイイジマさんとヤナギタニさんの間で、潜航前の準備が進む。

イイジマ(イ)「無線機電源スイッチオン確認」
ヤナギタニ(ヤ)「はいオン確認」
イ「いち、ふた番主電源NFBオン?」
ヤ「はい、オン」
イ「通信油圧DSオン?」
ヤ「はい、DSオン」……

この流れるようなやり取りのなかで潜航前のしんかい6500の機器のチェックが進んでいく。何度聞いていてもこのやり取りはカッコいい。ボクは聞き惚れて、見惚れて、ボーッとしている。

そして、しんかい6500の位置を決めるピンガー(超音波発信器)を航法管制室と同期するため、無線を介して、イイジマさんと航法管制士との間で、同期が行われる。

「ピンガー同期、よーい…テッ!」

なんだこのテッというかけ声は。かっこいいじゃないか。意味を聞いたことはないけれど、おそらく「用意、射!」という海軍由来のかけ声なんでしょうね。そして、イイジマさんの「内部電源切り替え」の声とともに、それまで「よこすか」の発電機からつながっていた電線を切り離し、コックピット内にひんやりとした空気を送っていた冷風パイプ(夏の潜航時、コックピット内は蒸し風呂状態なので冷風機で涼しい風を送風する)を引き上げると遂にコックピットの蓋が閉じられる。

イイジマさんがツルツルに磨かれたチタン殻と蓋の摺り合わせ部にホコリや髪の毛などが付着していないことを最終確認した後、上からずっしりとした厳重な蓋が降ろされ、完全にボクら3人は閉鎖空間の人と化す。あとは、クレーンで吊り上げられて海水に着水してもらうのを待つだけだ。

しばらくたってチャプンと着水すると、しんかい6500の観察窓からは、太陽の光を燦々と浴びた透き通った海水が織りなす何とも言えないコバルトブルーの世界が拡がる。

目の前の「よこすか」のスクリューがゆっくりと回転し、「よこすか」が微速前進しながら、しんかい6500着水作業を進めていることがわかる。そのスローモーションのようなスクリューの動きと「よこすか」が作り出す白い無数の泡が見えなければ、一体ボクらは今どこにいるのかもわからない「果てのないコバルトブルー」が延々と続いている。

=補講・資料= 

高井研・深海で生命の起源を探る(5/9)

──マリアナ海溝って世界一深いところですよね。

 そうです。水深約11,000mのマリアナ海溝の最深部に複数の研究者で長時間科学探査をしたいと本気で考えています。これまで海溝はものすごく静かな死に近い世界かと思っていたのですが、最近の調査で、実は劇的に激しい生命に溢れた世界だと分かってきました。それを解明するために人がその現場に行かねばならない理由はたくさんがあります。でも国を動かすにはまだまだ決定力が足りないようで、今正面突破や裏口入学や「急がば回れ」的な様々なアプローチを駆使して、そのプロジェクトを実現できるようJAMSTECが一丸となって立ち向かっています。

──ところで、「しんかい6500」にはパイロットとコパイロット(船長補佐)、研究者の3名しか乗れないそうですね。狭い密閉空間で深海まで潜るのは怖くないですか?

 怖いですよ。水深6,500mに到達するまで2時間ほどかかりますが、最初のころは、コックピットの中に海水が浸水してくるんじゃないかとビクビクしていました。最近は海底に着くまでの間、居眠りできるくらいの余裕ができましたけど。

──これまでに何回深海に潜りましたか? 最初の頃と今では、深海の見方は変わってきましたか?

 30回以上潜っていますね。今の方が先が見えるから楽しいです。昔は目の前の深海の風景しか見えていないけど、今は深海を通して見える妄想がいっぱいあるわけですよ。これまで研究してきた情報があるので、その熱水の下にはこんな生き物がいるだろうとか、実際に見えていないところまでどんどん見えてくるんです。例えば、深海の熱水の向こう側に、エンケラドゥスの海が見えるんですね。このように、知識というのは想像力を大きくできる。だから僕らは学ぶんです。それがサイエンスですから!

──高井さんのお話を伺っていると、サイエンスがとっても楽しいものなんだと伝わってきます。

 そうでしょう! 僕がやろうとしているサイエンスは、ヒトの想像力や好奇心を大きく掻き立ててくれると信じています。サイエンスというものは、ヒトが生きることを楽しませてくれるものだと思っているんです。

・・・・つづく・・・

動画 : めぐる生命の輪 ~深海に潜む不思議な生きものたち~

https://www.youtube.com/watch?v=4F0Xmd79vqM

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