〇◎ “私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇
= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =
☠ 宇宙・深海・地殻、生物の根源を求める学究=高井研 ☠◇◆ インタビュー:まだ見ぬ生命を深海・宇宙に求めて =3/5= ◆◇
──JAXAの本気度がもっと国民に伝われば、国民を巻き込んで盛り上がれるかもしれません。
JAXAの持っているフライバイや無人探査などの技術を使って、こういうものを探すんだというビジョンを打ち出す。そして、今まで NASAができなかったような生命探査をやるんだということを国民に示せば、「ウォー!日本スゲー!」となるわけですよ。それがホントかどうか分かりませんが(笑)。世界でまだ誰もやったことがないこと、日本オリジナルのことをやらなければいけないと思います。そういう意味で、JAXAに無理難題を突きつけるだけでなく、JAMSTECにもマリアナ海溝の最深部を複数の研究者で長時間科学探査できる、「日本スゲー!」の無理難題プロジェクトを突きつけています。
──マリアナ海溝って世界一深いところですよね。
そうです。水深約11,000mのマリアナ海溝の最深部に複数の研究者で長時間科学探査をしたいと本気で考えています。これまで海溝はものすごく静かな死に近い世界かと思っていたのですが、最近の調査で、実は劇的に激しい生命に溢れた世界だと分かってきました。それを解明するために人がその現場に行かねばならない理由はたくさんがあります。でも国を動かすにはまだまだ決定力が足りないようで、今正面突破や裏口入学や「急がば回れ」的な様々なアプローチを駆使して、そのプロジェクトを実現できるようJAMSTECが一丸となって立ち向かっています。
──ところで、「しんかい6500」にはパイロットとコパイロット(船長補佐)、研究者の3名しか乗れないそうですね。狭い密閉空間で深海まで潜るのは怖くないですか?
怖いですよ。水深6,500mに到達するまで2時間ほどかかりますが、最初のころは、コックピットの中に海水が浸水してくるんじゃないかとビクビクしていました。最近は海底に着くまでの間、居眠りできるくらいの余裕ができましたけど。
──これまでに何回深海に潜りましたか? 最初の頃と今では、深海の見方は変わってきましたか?
30回以上潜っていますね。今の方が先が見えるから楽しいです。昔は目の前の深海の風景しか見えていないけど、今は深海を通して見える妄想がいっぱいあるわけですよ。これまで研究してきた情報があるので、その熱水の下にはこんな生き物がいるだろうとか、実際に見えていないところまでどんどん見えてくるんです。例えば、深海の熱水の向こう側に、エンケラドゥスの海が見えるんですね。このように、知識というのは想像力を大きくできる。だから僕らは学ぶんです。それがサイエンスですから!
──高井さんのお話を伺っていると、サイエンスがとっても楽しいものなんだと伝わってきます。
そうでしょう! 僕がやろうとしているサイエンスは、ヒトの想像力や好奇心を大きく掻き立ててくれると信じています。サイエンスというものは、ヒトが生きることを楽しませてくれるものだと思っているんです。
ワクワク感の共有が原動力である
──子どもの時から深海や微生物に興味がありましたか?
いいえ。僕は小さい頃は、文筆業に興味がありました。僕は母親に「何者かになれ」と教えられて育ったので、オリジナルな世界を築く人にならなければならないという意識が強かったんです。でも早い時期に文筆の才能がないことが分かったので諦めました。もともと生物には興味があって、小さい頃は、川や湖に水中メガネをつけて潜って、水の中で動く魚とかを見たり採ったりするのが子ども人生最大の楽しみでしたね。それで生物系の研究者になるのもいいなあと思って京都大学農学部に入学しました。分子生物学でノーベル賞をほしいと野望を抱いた時期もありました(笑)。でも大学4年生で研究テーマを選ぶ時に、分子生物学より生命の起源を探ることの方が、まだ誰も解決したことがないから面白いと思ったんです。そちらの方が価値あることだと思いましたね。人類にとって最大の命題に近づきたかったのだと思います。
──研究を進める上で大切していることはありますか?
世界で歴史上最も発行された漫画を知っていますか? 週刊少年ジャンプに連載中の冒険海賊漫画「ONE PIECE(ワンピース)」です。この漫画のように、誰もが知らない場所へ行って、その世界を初めて知ることほど楽しいことはありません。それにそれは人がいろんな意味で成長することと強く結びついているのです。「ウワー!楽しい!」と純粋に感動すること。僕がいつも目指しているのはそれです。そして、その感動を共有することで、人の役に立つことになればいいなあと願っています。
=補講・資料=
ジェクトの生死を握る立場が持つべき能力
僕は研究者であると同時に、プロジェクトリーダーとして自分と自分のプロジェクトの生死を握る立場でもあります。自分のやりたい研究は、スポンサーからお金をとれなかったら能力を備える人員を雇えないわけです。
スポンサーに納得してもらえる材料をそろえるのに時間を費やせば、研究する時間は減ってしまいます。しかし、自分たちが若い頃、そういう上の人たちのおかげで研究に集中できたのも事実。今度は若い人たちのために、僕がプロジェクトの運営を引き受けるのが当然ですよね。自分が手を動かす時間は減りましたが、言うことを聞かない若い人たちの研究を自分の喜びとして噛み締めるのが、我々の人生です。
上の立場になると、自分では手が動かせないところはポスドク(博士研究員)にやってもらうようになります。しかし、3年ほどでポスドクもプロとして自分の世界を築き始める。私たちはそこをうまく見極めて、ポスドクが独り立ちできるように切り離す、つまり「子離れ」しなければなりません。
重要なのは、「自分の依頼を半分はやってもらいながら、その人のやりたいことを半分はやらせる」こと。不満を抱かせず、生き生きとやってもらうのが「人間力」ですかね。自分の依頼だけを押し付けていたら、人気もなくなるし人も育たなくなってしまいますから。どんなに有能な研究者でも、「人間力」がなければ研究は続けられません。
そして僕は、自分の人生においてもプロジェクトリーダーとしても、プライオリティが明確に決まっています。不思議と優先順位がその時々で瞬時に決められる。プロジェクトの生死を握る立場ならば必須ですね。やりたいことのためなら譲れるところはいくらでも譲れますし、プライドをへし曲げられます。瞬時に決める能力は生まれつきだと思いますが、意識して訓練すれば、ある程度は身につけられると思います。
「自分が人生にとってやり遂げたいこと」が、僕にとって一番の最優先項目。細かい内容は日々の状況により更新されますが、10年後、20年後のプライオリティを大事にしているので、長い目で見ても安定していますね。多くの人は、プライオリティを決めることに悩んで時間を費やしている気がします。その間に、僕は悩まず努力する。悩んでいるんだったら前に踏み出したほうが気持ちがいいです。
・・・・・つづく・・・・・
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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