○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
新たなピラミッド像を追って、エジプト考古学の魅惑の世界=河江肖剰=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 発掘調査と先端技術によって、古代のピラミットの実像に迫る ☠
◇◆ ミイラの発掘、クス王のミイラを想像する =3/3= ◇◆
クフ王のミイラはどのような姿なのか?
前回と前々回のWebナショジオで、大ピラミッドの「未知の空間」の可能性について紹介した。研究者の中には、発見されていないその空間にはクフ王のミイラがあるのではないかと推測する者もいる。しかし多くの研究者はクフ王のミイラは盗掘で失われてしまったと考えている。
可能性は低いと思うが、だがもし、まだ未発見であれば、クフ王は一体どのような姿で埋葬されているのだろうか? ここで、これまで発見されている王族のミイラから想像して、その姿を描いてみよう。
まず、内臓は取られているだろう。母后ヘテプヘレスや後の第5王朝時代のジェドカラー王の墓から発見されているアラバスター製のカノプス容器が示すとおりだ。メイドゥムのマスタバ墓やダフシュールの赤ピラミッドから発見されている頭骨のように、脳も除去されているだろう。
古王国時代の遺体は、ナトロン溶液で乾燥させていた可能性が指摘されている。第5王朝時代のネフェルエフラー王のミイラの手や、第6王朝時代のメルエンラー王のミイラの頭部を見る限り、保存状態は必ずしも悪いことはないかもしれない。もしかすると、この時代にナロトンを粉末で使用し始めたのかもしれない。
遺体には亜麻布が巻かれ、石膏プラスターが塗布され、目や眉や唇が彩色された彫像のように見えただろう。特に第4王朝末期には、すでにデスマスクに相当するプラスター製のマスクを作る技術があり、第6王朝ではテティ王のデスマスクも発見されているため、表情は写実的に作られていた可能性がある。
クフ王の彫像はほとんど見つかっていないが、カイロ博物館に収蔵されている7.2センチの小さい座像や、ミュンヘンのエジプト美術博物館に収蔵されている5.7センチの高さの頭部像からは、彼の顔立ちがうかがえる。息子のカフラーや孫のメンカウラーの端正な顔つきとは異なり、幅広い顔、細い目、横に広がった鼻、少し大きな口を持っていた。そこには、ごつごつとした力強さを感じさせる。はたしてミイラも同じような表情で作られているのだろうか?
クフ王から1200年ほど後のツタンカーメン王のミイラには、250を超える護符などのみごとな宝飾品がつけられており、古王国時代のミイラにもこの習慣はすでにあった。発見されているものは10個程度で、種類も少ないが、王のミイラであれば、かなりの数の護符が付与されていたのではないだろうか。特に、この時代は「ウジャトの眼」と呼ばれる護符が人気だったようだが、クフ王もそれをつけているのだろうか。
クフ王のミイラが発見されることを想像するのは楽しいが、ふと自分がこれまで発掘してきた死者たちのことを思い出すと、少し複雑な心境になる。ミイラの発掘は、死者の眠りを妨げるという意味では、できる限り避けるべきものなのかもしれない。しかし考古学者の多くは、ギリシア神話のパンドーラーの甕(箱)を開けることが我慢できなかったエピメーテウスのように、知りたいという欲望を制御するのは難しいかもしれない。それは考古学にまつわる深い業なのだろうか。
=資料・文献=
エジプト第4王朝の終焉
クフ王の没後に王位をついだのはクフ王の息子ジェドエフラーであった。 ジェドエフラーの治世は8年と推定されているが記録が乏しい。 ジェドエフラーが歴史上初めて自らを「太陽神ラーの子」としたことである。 この主張は後のエジプト王に受け継がれていくことになる。 ジェドエフラーの後、彼の異母兄弟にあたるカフラーが王位を継いだ。 カフラーもまた父と同じく巨大ピラミッドの建造によって名高い。
カフラー王の次代の王は、統治年数不明のビケリス王で短い統治があったと推定される。 その後カフラー王と王妃カメレルネブティ1世の子メンカウラーが王位を継いだ。 ヘロドトスはメンカウラー(ミュケリノス)が、かつてエジプトに君臨した王の中で最もエジプト人に賞賛されているとして、空想的な寓話をいくつも記録している。
メンカウラーの後の第4王朝の歴史は不明瞭である。 メンカウラーと王妃カメレルネブティ2世の長男クエンラーは恐らく父王より先に死んだ。跡を継いだのは別の王子シェプセスカフであり4年ほど統治した。 マネトによれば第4王朝はタンプティスという王で終わりを告げた。 これはほとんど記録のないジェドエフプタハという王と同一人物であるかもしれない。 しかし彼らの治世は短く、その詳細も明らかでない。
間もなく第5王朝が開かれた(紀元前2498年頃)。 第2中間期に記されたと考えられるウェストカー・パピルスと呼ばれる文書に記された『魔法使いジェディの物語』には第4王朝と第5王朝の交代が次のように描かれている。
クフ王が気晴らしのために王子達に珍しい物語(奇蹟)を語るように命じた。 王子達は様々な物語を披露したが、最後の王子は物語を語るのではなく魔法使いのジェディを連れてきてクフ王の前で奇蹟を演じさせた。 クフ王はジェディに未来を問うと、ジェディはクフ王に予言を聞かせた。 「あなたの王朝はあなたの息子カフラーと孫のメンカウラーの治世の間だけ存続することでしょう。そして太陽神ラーの子孫であり、下エジプトの太陽神の聖地に仕えるラー神官の妻レドジェデト)の子孫として生まれる新しい王家により王位を奪われることになるでしょう。」
その後、レドジェデトはイシス神、ネフティス神、メスケネト神、ヘケト神、クヌム神の助けを得て三つ子を産んだ。 三人の子にはイシス神によってウセルカフ、サフラー、ネフェルイルカラー・カカイの名が与えられた。 その後の物語の末尾部分は失われているが恐らく予言通り第4王朝と第5王朝が交代したことが綴られていたと考えられている。 この物語は到底史実として見ることは出来ないが、エジプトに古王国時代から長く伝わった俗話であると考えられる。 巨大ピラミッドヲ建設する時代は幕を閉じていく・・・・・・・。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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