○◎ Great and Grand Japanese_Explorer ◎○
新たなピラミッド像を追って、エジプト考古学の魅惑の世界=河江肖剰=
= Webナショジオ_“河江肖剰-新たなピラミッド像を追って”より転載・補講 =
☠ 発掘調査と先端技術によって、古代のピラミットの実像に迫る ☠
◇◆ ピラミッド・タウンの船乗りたち = 1/2= ◇◆
先日、ボスであるマーク・レーナー博士と新しい調査について、国際電話で話をした。 彼はなにかあるとき、メールではなく、まず直接話すことを好む。 とりとめのない日常会話や家族の様子などを尋ね、仕事の話に移る。 この方法はけっこう気に入っている。 メールなどでは伝わらない様々なことが、声のトーンやちょっとした間などから伝わってくるため、なんだかとてもやる気になるのだ(実際、プロジェクトの内容は刺激的だった)。
Webナショジオの前記「マーク・レーナー博士との出会い」に、このレーナー博士との出会いや、彼がどのような疑問をもってギザを歩き回り、そして「ピラミッド・タウン」を見つけたのかということについて書いた。 今回は、改めて、1988年に発見されたピラミッド・タウンについて、少しまとめてみたい。 特に、町の中心となる「ギャラリー」と呼ばれる堅固な営舎と、3年前に発見され、世界的に話題になった「クフ王の時代のパピルス」との関わりについて紹介しよう。
身びいきなしで、この四半世紀のピラミッド研究のなかで「最も偉大な発見は?」と問われれば、「ピラミッド・タウン」と答えるだろう。 発見された当時は、その一部しか見つかっていなかったことから、ピラミッドを建造した労働者の村ではないかと考えられた。
しかし、長年にわたる発掘調査によって、ここは職人が仮住まいするような小さな村などではなく、庶民から貴族、そしておそらく王族までも住んでいた巨大な都市であることがわかってきた。 さらに、ここには巨大な港湾があり、人や物が流通する要地として発展した都市でもあったと考えられている。
ピラミッド・タウンの発見によって、これまで謎の象徴だったピラミッドが、人間が関わる実際の建造プロジェクトとして理解されるようになり、そこから当時の社会基盤や交易システムなどについての研究が進むようになったのだ。
パン焼き場の発見
この発掘現場が一躍有名になったのは、1990年に見つかったパン焼き場がナショナル ジオグラフィック誌で取り上げられたからだ。
最初に見つかったのは、泥レンガの壁で囲まれた二つの小さな部屋だった。 それぞれの小部屋は5.25×2.5メートルほどの長方形。なかは真っ黒い灰が敷き詰められるようにびっしりと堆積していた。 灰を取り除くと、大きな円錐形の素焼きの壺が散乱していた。 部屋の奥の角には、一抱えもある大きな土製の素焼きの瓶が3つ置かれていて、その反対側の角には、火をたいた跡が壁に残っていた。
言ってみれば古代エジプトのパン屋だが、「なんだ、ただのパン屋か」と思うなかれ。 パンはビールと共に古代エジプトの主食であり、食の基盤だった。 神々への供物のなかには必ず含まれるし、儀式においても供物の中心的役割を果たしていた。 さらにそういった捧げ物は、民衆に再分配されるため、古代エジプトの経済における鍵にもなっていた。 つまり、パン作りを知ることは、エジプト社会を知ることに繋がるのだ。
=資料・文献=
クフ、またはクヌム・クフは古代エジプトのファラオ。 古王国前半(紀元前26世紀)のエジプト第4王朝を統治した。 クフは第4王朝の第2代王であり、前王のスネフェルから王位を継承した。 一般的に世界七不思議の一つ、ギーザの大ピラミッドを建造させた人物であるとされている。 しかし、彼の治世の記録はあまり多く残されてはいない。
クフの姿を確認することができる完全な状態で残った肖像は、1903年にアビュドスにある後世の神殿遺跡から発見された3インチの大きさの象牙製の像が唯一の物である。 他のレリーフと彫像は断片しか見つかっておらず、彼が建てた多くの建造物は失われている。
ギーザにある彼のネクロポリスから発見された碑文と後世作られた文学作品から得られる情報がクフについて知られている全てである。 後世の文学作品の例として、クフは第13王朝時代に作られたウェストカー・パピルスと呼ばれる文書にかかれた物語の主要登場人物である。
クフに言及する文書の大半は紀元前1千年紀の後半にエジプト人とギリシア人が書いたものである。 古代の歴史家マネト、ディオドロス、ヘロドトスは彼の性格を非常に否定的に伝えている。 これらの記録によって、クフの人格について不明瞭で否定的なイメージが残されている。
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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