☆ 昨年の暮れに伸し餅で味わった苦痛を、再度鏡餅で味わう日=鏡開き=。 労苦の後のお汁粉は格別。 ☆ ノーパンツデー。パンツじゃないから恥ずかしくないもん!という意思を身を以て示す日。 2002年に米国ニューヨークでわずか7人で始まり、以来 “パンツを穿かずに地下鉄に乗ろうよ運動”が毎年5月の最初の金曜日に文明世界を席巻。 ☆ ソビエト連邦が宇宙空間での人工衛星の3Pに成功(1978年)。
本日記載附録(ブログ)
宿主を操り、自らに都合のよい行動を取らせる寄生虫がいる
聞いただけで気持ち悪いが、そんな寄生虫であるハリガネムシ
宿主カマキリから遺伝子を受けることで、宿主操作を成し遂げている
ハリガネムシと宿主の異常行動を、森と川の生態系の中に位置づけて研究
専門分野は生態学、宿主操作のメカニズム研究者・佐藤拓哉(06/mn)
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第3回 寄生虫ハリガネムシはどうやって宿主の心を操るのか=1/2=
寄生虫であるハリガネムシが、宿主であるカマドウマを操作して、ハリガネムシの産卵場所である水に飛び込ませる。
はたしてどういう理屈でそんなことが可能になるのか。
謎が多いながら、分かってきていることもある。佐藤さん自身は生態学者として野生で起きていることを見る方に重心があるものの、共同研究者と一緒に行動操作の謎に挑む研究にもかかわりはじめている。今のところ、どんなことが分かっているのか聞いた。
まず、大きく分けて、2つの方面からのアプローチがある。
ひとつは、ハリガネムシに寄生された宿主の行動を緻密に観察したり実験したりして、推測すること。もうひとつは、分子生物学的な方法で、操作されている時の脳内にどんなタンパク質や生理活性物質が発現しているかなどを細かく見ていく方法。行動を直接見るか、脳内の分子レベルの状態を見るか、という違いだ。
ハリガネムシはどうやって宿主を水に飛び込ませるのだろうか。
いずれも、フランスの研究チームによる先行研究がある。カマドウマではなく、手に入りやすく研究室でも扱いやすいコオロギを使って、2002年には行動学的な面での研究、05年には神経生理学的な研究をそれぞれ発表している。
「フランスの研究者が、一番はじめにやったのは、Yの字みたいな分岐する道があって、先に水を置いてあるところと置いていないところがあるような実験です。寄生されたものを遠くから歩かせると、ワーッと歩くうちに、水のある方にもない方にも行ってしまう。ただ、水がある方に行ったやつは、ほぼ100パーセント飛び込むということがわかってきて、おそらく、最後のところでは水がキラキラ反射するのに反応しているのではないかといわれていました。そこで、台の上に寄生されたコオロギを置いて光をバーッて当ててやると、そこに向かって行くことも示されて、じゃあ、やっぱり光に応答してるんやろう、というふうになってきたわけです」
では、その時、宿主の脳の中では何が起きているのか。
「脳内で発現しているタンパク質をチェックできる技術が2000年以降に出てきたので、それを使った研究がされています。いろんな段階のコオロギ──ハリガネムシに寄生されてるやつ、寄生されてないやつ、寄生されているけれどもまだ行動操作を受けていないと思われるやつ、あるいは寄生されてお尻からハリガネムシを出してしまった後のやつ。そういうものを集めてきて、脳内に発現しているタンパク質を徹底的に見たわけです。すると、まさに飛び込もうとしているようなコオロギの頭の中でだけ、発現しているものがいくつか見つかりました。それをさらに『ホモログ解析』という手法で調べると、神経の異常発達にかかわったり、場所認識にかかわったり、あるいは光応答にかかわる日周行動に関係したりするタンパク質と似ていると分かったんです。他の生物の研究で機能が確かめられているものと似た構造を持っていたという意味です。その中には、ハリガネムシのほうがつくったと思われるものも含まれていたんです」
これまた出来すぎな話なのだが、ハリガネムシはまさにそれをやってのけている可能性がたあるのだそうだ。
「行動実験と分子生物学的な実験の結果を合わせて考えると、おそらく神経発達をグチャグチャにして異常行動をさせながら、光応答の仕方を変えて、水辺に近づいたら飛び込むというような、2ステップで行動操作を巧みにしてるんやってことが、今は想像されてます」
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : 寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流の解明
-―― 佐藤拓哉 次世代研究者育成センター特定助教(受け入れ機関:フィールド科学教育研究センター)、渡辺勝敏 理学研究科准教授らの研究グループの研究成果が、米国の著名な国際誌「エコロジー(Ecology)」に、2011年4月8日に発表されました。――-
研究の概要
森林で育まれる陸生昆虫類は、森と川の生態系をつなぐ重要な役割を果たしています。例えば、渓流釣りなどで馴染み深いアマゴやイワナ(河川性サケ科魚類)は、水生生物でありながら、陸生昆虫類に大きく依存して暮らしています。彼らは、陸生昆虫類を摂餌する量に応じて、水生昆虫類の摂餌量を変え、その影響は河川生態系の機能(生物多様性の維持・水質形成・有機物の流れなど)にまで波及する可能性があります。また、羽化した水生昆虫類を摂餌する森林の生物たちにも影響します。
一方、陸生昆虫類はどのようにして、河川に供給されているのか?このシンプルな疑問についてはこれまで、風雨による偶発的な落下によるとされてきました。
この疑問に対して、私たちは、ハリガネムシ(類線形虫類)という寄生虫(写真1)が、宿主であるカマドウマ・キリギリス類の行動を操作して河川に飛び込ませることで、渓流魚たちに大きな餌(河川に飛び込んだ宿主)をもたらすという現象を発見し、そのような宿主が、イワナの年間摂餌量の6割をも占めることを明らかにしました(図1)。
寄生者は自然界に普遍的に存在し、地球上の全生物種の半数以上を占めるとも言われていますが、それらが生態系において果たす役割は明らかにされていません。本研究は、これまで見過ごされていた寄生虫が、森林と河川という異質な生態系をつなぐ大きなエネルギー流を駆動していることを明らかにした世界でも初めての研究です。
複雑な生活史をもつ寄生者は、生態系の撹乱に対して脆弱かも知れません。本研究の結果は、森林と河川の生態学的なつながりを維持する上で、これまで見過ごされてきた寄生虫の存在がきわめて重要であることを示しています。
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https://youtu.be/DJiXN90862M== ハリガネムシは寄生したカマキリを操作 ==
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