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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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感染症の把握と実験室診断法/安田二朗(13/13)_学究達=609

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年12月09日<ⰧⰊⰧ

☆ 政界や経済界界隈でも御歳暮やクリスマスプレゼント名目の◇○◎が行き交う時節柄なのか、本日は国際腐敗防止デー。     ☆ 北海道のはるか山深い開拓村で、くまモンが大暴れして7人ばかりペロリと平らげる(1915年)。ゆるキャラだからって油断してはいけない!!     ☆ビートたけしとゆかいな仲間たちが文京区音羽の講談社で何時も通りのパフォーマンス。何時も通りだったことから、一同おまわりさんのお世話になったとさ(1986年)。

本日記載附録(ブログ)

エボラ、マールブルグ、ラッサ、クリミア・コンゴなどの出血熱

インフルエンザ、ノロ、マダニから移るSFTS

ウイルス性の「新興感染症」の研究と新たな治療薬の開発

 バイオテロ対策への貢献で文部科学大臣表彰科学技術賞をも受賞 

  = 感染症医療分野で未踏の領野に挑む・安田二朗(13/13)= 

【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

  第6回 致死率30%の新興ウイルスが日本に定着している!=2/2= 

 WHO(世界保健機構)が決めたBSL(バイオ・セーフティ・レベル)という基準には4段階あり、数字が大きいほど、厳重な設備が必要になる。最高レベルのBSL-4でないと扱うことができないのは、エボラなどの出血熱や天然痘など、発症すると致死率が高いものだ。

 BSL-4施設は、感染爆発を描いた映画などでお馴染みかもしれない。作業者は、宇宙服のような陽圧防護服を着て施設の中に入り、さらに安全キャビネットに試料を置いて作業する。作業終了後には、消毒薬などのシャワーを浴びてから出てくる。というのは、安全策の一端で、とにかく中のものを滅菌したり消毒したりせずには外に出さない仕組みになっている。

「今、世界19カ国に40以上のBSL-4の施設があるんですね。でも日本には、施設はあるのに稼働していないんです。レベル4の研究ができないのは、G8の中では日本だけです。アフリカにもありますし、中国にもありますし、台湾にもある。韓国でも来年度ぐらいから多分、稼働し始めます。感染症っていうのはグローバルなので、いつ入ってくるかわからない。2003年のSARSや2009年のインフルエンザも結局、水際では防げなかった。なので、やっぱり新興感染症を診断したり、平素から研究できる施設っていうのは、絶対必要なんですよね」

 安田さんは、これまでエボラウイルスなどを使った研究をしてきた。しかし、それは、遺伝子組み換えを行った感染性のないものだ。では、感染性のある「生の」ウイルスを扱わなければならない局面はどういう時か。

「今日本で何かレベル4相当のウイルスに感染した患者さんが出たとします。でも、日本では確定診断もできないし、治癒した確認もできないんです。1987年には企業のエンジニアの方がアフリカから帰ってきて、ラッサ熱を発症したことがありましたが、その時もアメリカに送って確定診断してもらいました。でも国際的に広い地域でアウトブレイクが起きたときには、やっぱり自国優先ですから、日本の検査なんか後回しになるでしょうね。また、研究レベルでいいますと、たとえば、僕たちが作っている抗ウイルス剤の最終的なチェックのためには感染性のある本物のウイルスが必要です。でも、今日本ではできないんですね。外国行くしかないんですよ」

 さらに、BSL-4施設に外国人を入れるのが厳しくなっている現状がある。

「やっぱりテロ対策とかで厳しくなっています。僕はもともとイギリスの施設を使わせてもらってたんですけど、今は南アフリカです。そこもいつまで使わせてもらえるかわかりません。日本は先進国としてむしろこういった感染症研究を先導しないといけない立場なのに、施設がないからできないっていうのが、ちょっと国際的には申し開きができないところまできています」

 そこで、日本で新たにBSL-4の施設を長崎につくろうという動きあるそうだ。

「今、住民説明を行ってるんですけど、やっぱりどうしても反対っていう方はいらっしゃいますね。僕らは、サイエンティフィックに『こうだから安全です』『これぐらい安全です』っていうのを、事実に基づいて説明するしかないんです」

 研究面でも、社会的なリスク管理の面でも、BSL-4の施設が必要かといえば「必要」と納得する人の方が多いだろう。実際、自国で危険なウイルスを扱えない国は、感染が起きた時のリスクマネジメントとして問題があるのは間違いない。しかし、「どこに?」となると、やはり人口稠密(ちゅうみつ)な日本では、地元の理解を得るのが難しい。「絶対安全」ということは何にしても有り得ないのだから、「どの程度」安全なのか、また、そのような施設を持つ意味が、国際的に、国内的に、地元として、どれだけあるのかということを丁寧に説明していかなければならないのだという。

 さて、長崎大学熱帯医学研究所というエキゾチックな名前の研究所への興味から入ったけれど、結果的に、獣医学出身の新興ウイルス研究者である安田さんの幅広い活動領域に目を瞠(みは)ることになった。

 膜を持つエンベロープ・ウイルスの抗ウイルス剤。生物テロ対策のポータブル生物剤検出器。アフリカの出血熱のアウトブレイクでの現地との協力。日本国内で出血熱に似た症状を示すウイルス病。国内で最高危険度の病原体を扱うことができるBSL-4施設の建設。

 どれをとっても重要で、個別にもっと長いインタビューを構成できるだけの深みをもったテーマでもある。それを一気に記述してみて、やはり駆け足のきらいがあるが、その「速さ」をもって、この分野が持つ緊急性や重要性を表現できたような気もしている。

おわり

安田二朗(やすだ じろう)

1966年、愛知県生まれ。長崎大学熱帯医学研究所教授。博士(理学)。1991年、北海道大学獣医学部卒業。1994年、総合研究大学院大学生命科学研究科博士課程を修了後、米国アラバマ大学、東京大学・医科学研究所を経て、2000年に北海道大学遺伝子病制御研究所助教授。2003年より、ウイルス学の研究を続けつつ、バイオテロ対策のため警察庁科学警察研究所・法科学第一部・生物第五研究室の室長として生物剤検知システムの開発に携わり、2010年より現職。2014年、「モバイル型生物剤検知システムの開発」の業績により、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞)を受賞。

川端裕人(かわばた ひろと)

1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、少年たちの川をめぐる物語『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、感染症制圧の10日間を描いた小説『エピデミック』(角川文庫)、数学史上最大の難問に挑む少年少女を描いたファンタジー『算数宇宙の冒険・アリスメトリック!』(実業之日本社文庫)など。ノンフィクションに、自身の体験を元にした『PTA再活用論 ──悩ましき現実を超えて』(中公新書クラレ)、アメリカの動物園をめぐる『動物園にできること』(文春文庫)などがある。サッカー小説『銀河のワールドカップ』『風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ』(ともに集英社文庫)はNHKでアニメ化され、「銀河へキックオフ」として放送された。

次回記載新企画 “第1回 貴重な恐竜化石をぶった切る/林昭次” に続く・・・・・

つづく

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森のなかえ

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