☆ リヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』が初演される(1896年)。 曰く、私はニーチェの難解な哲学書“ツァラトゥストラはこう語った”が理解できず、摘まみ食いの断節をインスピレーション。 ☆ フランスの鉄道教徒アルテュール・オネゲル=フランス6人組のメンバーの一人=が死去(1955年)。自らの信仰告白である『パシフィック231』(1923年)が大ヒットしたものの、その30年後に『私は鉄オタではない、作曲家である』と殆ど自己否定とも取れる著作を出した。 ☆ 伊勢湾台風のドサクサで、近鉄王国が三重から愛知へ本格的に進出(1959年)。三重県が近畿に乗っ取られるという危機感が、俄かに東海地方で高まった。
本日記載附録(ブログ)
エボラ、マールブルグ、ラッサ、クリミア・コンゴなどの出血熱
インフルエンザ、ノロ、マダニから移るSFTS
ウイルス性の「新興感染症」の研究と新たな治療薬の開発
バイオテロ対策への貢献で文部科学大臣表彰科学技術賞をも受賞
= 感染症医療分野で未踏の領野に挑む・安田二朗(04/nm)=
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第2回 エボラ出血熱はどのように広がるのか =02/02=
「火葬の習慣がなくて土葬するんですけれども、その前に家族の方が遺体をきれいに洗うんですよ。もちろん素手です。そういうのを止められないですよね。あと、本当に医療体制が充実してないところに行くと、教会とかが患者さんを収容する代替施設になるんです。すると、教会の方々は手袋して患者さんと接するのが失礼だとか、そういう感覚もあるみたいで、なかなか徹底されないんですね。あるいは手袋を使い回したり、下血したオムツとか使い捨てにせずに、やはり素手で洗って使い回すと。僕ら、一見、傷がないように見えても、小さな傷はいくらだってあるので、看護する側が感染してしまいます」
本当にこれは理屈ではないレベルのことだ。
家族を悼む行動が、別の家族を感染させてしまうかもしれない。心のこもった手厚い看護が、看護側を危険に晒す。もちろん、物資が不足して使い捨てできない状況も大いに影響するだろう。
ウイルス研究者として、安田さんはそれをなんとかしたいと願っている。しかし、医師や看護師のように現場で患者と向き合う仕事ではない。文化習慣を尊重しつつ行う啓発活動も大事だが、それもウイルス学者の「本業」ではなかろう。
では、安田さんは、どのように「なんとかしたい」のだろうか。
「抗ウイルス剤、抗ウイルス薬です。これまでずっとやってきた研究で、細胞の中でウイルスがどうやって増えるのか、タンパク質レベル、分子レベルで見てきています。それは知的好奇心でやってきたといえばそうなんですが、メカニズムがわかってきたことでウイルスが増えるのを抑える抗ウイルス剤をつくれないか、と。これまで追いかけてきたものを通じて社会貢献ができるんじゃないかと思っているんです」
安田さんは、出血熱に効く抗ウイルス剤を構想しているのだという。
いや、出血熱だけではなく、ある種の特徴を持ったすべてのウイルスに効果があるかもしれないものだという。
エンベロープ・ウイルス。外側に膜(エンベロープ)を持ったウイルスという意味だ。
エボラなどの出血熱のウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのレトロウイルス、インフルエンザウイルス、天然痘ウイルス、麻疹ウイルスなど、名前を聞いたことがあるウイルスの多くが膜を持っている。
気を付けておきたいのは、ウイルスの分類にはいろいろなやり方があること。基本的な分類体系では、そのウイルスの核酸のタイプをまず重視する。遺伝情報を担うのがDNAかRNAか、それが1本鎖か2本鎖か、といった部分でまず分類する。その一方で、エンベロープ・ウイルスという分け方は、単に膜を持っているかどうかを気にしているので、その中にはRNAウイルスもあれば、DNAウイルスもある。エボラやHIVやインフルエンザはRNAウイルスだが、天然痘はDNAウイルスだ。しかし、「膜を持つ」という共通点だけで括る意味はやはりあって、安田さんはまさにその共通点をあぶり出す研究を続けてきたのだ。
明日は” 第3回 エボラにもエイズにもインフルエンザにも効く薬 ”に続く・・・・・
【参考資料】 : エボラ出血熱
エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever; EHF)、またはエボラウイルス病(Ebola virus disease; EVD)は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症。マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱、クリミア・コンゴ出血熱と並ぶ、ウイルス性出血熱の1つだが、感染者が必ずしも出血症状を呈するわけではないため、国際的には呼称がエボラ出血熱からエボラウイルス病へ切り替わりつつある。主にアフリカで発生する。
ヒトに感染し、治療開始が遅れると致死率は80 - 90%に上る(ウイルスによって異なる)。また、仮に救命できたとしても重篤な後遺症を残すことがあり、リスクグループレベル4ウイルスの一つである。一方、毒性や致死率があまりにも高く、遠出する機会を得る前に患者が死亡してしまうことが専らであることから、世界的流行には至っていない(これが致死率が比較的低いため軽症の患者が遠出しやすく世界的大流行を引き起こした新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症との違いである)。
2019年7月、WHOはコンゴ民主共和国での大流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に指定した。
エボラウイルスは大きさが80 - 800 nmの細長いRNAウイルスである。ひも状、U字型、ぜんまい型など形は決まっておらず、多種多様である。他の多くのウイルスと異なり、免疫系を攪乱するデコイを放ち、生体の防御機構をほぼ完全にすり抜けるという特徴がある。これが感染性の高さに繋がっている。また、ウイルス増殖の際に体細胞の構成要素であるタンパク質を分解することで、全組織を傷害し、最強の毒性を発揮する。さらに、ウイルスが免疫系の中枢である白血球を大量に破壊し、サイトカインストームを起こして血管を傷害し、血栓を作り、肝臓を始めとする全身の臓器を冒す。
これら多重の攻撃によって発症者を確実に死に至らしめる。最強の毒性を発揮するだけでなく、ウイルス5個程度でも感染が成立するため、エボラウイルスは世界保健機関(WHO)のリスクグループ4の病原体に指定されており、実験室・研究施設で取り扱う際のバイオセーフティーレベルは最高度の4が要求される。
初めてこのウイルスが発見されたのは1976年6月のことでスーダン南西部(現:南スーダン)の西エクアトリア州にある町ヌザラ (Nzara) で、倉庫番を仕事にしている男性が急に39度の高熱と頭や腹部の痛みを感じて入院した後、消化器や鼻から激しく出血して死亡した。その後、その男性の近くにいた2人も同様に発症して、それを発端に血液や医療器具を通して感染が広がった。最終的にヌザラでの被害は、感染者数284人、死亡者数151人というものだった。
そして同年8月に当時のザイール(現:コンゴ民主共和国)のエボラ川(Ebola/Ébola)沿岸のヤンブクでヌザラで起きたのと同じ出血熱のアウトブレイクが発生したことから、エボラウイルスと名づけられた。病気もエボラ出血熱と名づけられた。その後、エボラ出血熱はアフリカ大陸で10回、突発的に発生・流行し、患者の早期発見・治療開始が遅れると、致死率が80- 90%に上る。
他にイギリスでも感染患者が確認されており、ロンドン郊外のカンタベリーにおいて34歳女性が感染者として病院に搬送されたとされている。
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