☆ 朝、空腹時の血糖値が126mg/dl 以上、また通常時が200mg/dl 以上、この両方を満す貴方は「糖尿病」。そして、今日は“世界糖尿病デー”。 ☆ 水戸黄門が隠居(1690年=幕府より隠居の許可がおり、養嗣子の綱條が水戸藩主に)。以後は日本全国を彼方此方旅しては悪代官どもを懲らしめる日々を過ごし、後年 演劇界のヒーローとして蘇る。 ☆ カール・ラントシュタイナーがマスゴミや占い師のネタを考案、だが当初は安全な輸血と言う切実な問題を解決する手掛かりだった(1901年=ABO式血液型を発表)。
本日記載附録(ブログ)
人間って何だろう?そして、「人間って何だろう」と思う心って何だろう?
そんな疑問に端を発して、ヒト(人)以外の霊長類を比較認知科学的視点から研究
ヒトに最も近縁なチンパンジーを主な研究の対象に選ぶ
「熊本サンクチュアリ」に行って59にん(人)のチンパンジーと暮らす
= 未踏の領野に挑む、知の開拓者・平田聡(08/mn) =
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第4回 動物の協力行動を調べる画期的な「平田の装置」とは =1/2=
チンパンジーのランチタイムが終わり、人間たちも遅い昼食を取った。平田さんもぼくたちも弁当である。なにしろ最寄りのコンビニですら徒歩だと1時間とのこと。周囲に飲食店がないため途中で買ってきた。
昼食中、また昼食後の時間もいただいて、平田さんがここに至るまでのことを教えていただいた。医学感染実験などに使われていたチンパンジーが59にんもひっそりと暮らすサンクチュアリに常駐する大学教授というのは、そうそうないポジションなのである。
「小さい頃からチンパンジーの研究をしたかったわけではないんです。数学や物理が得意だったんで、理系で大学に行くとしたらどこかなって京都大学に入りました。京大理学部は、当時まだ入った時に専門を決めなくてもよくて、3年の時に生物にしようと決めました。1つは遺伝子の研究などが私の学生時代のちょっと前からすごく盛んになっていたのと、それから京大の生物学というと、今西錦司のような有名な先生が昔いたり、生態学的なフィールド調査とかでも有名だったので面白そうだと思って。結局、バリバリの理系というよりは人間のほう、人間の心とか思考にも興味があったというのも大きいです」
遺伝子研究、今西錦司、フィールドの生物学、心や思考、というキーワードを並べてみて、生物学の中でもどういった方面の研究になるかというと、なかなか難しい。もちろん理学部の生物学専攻というくくりでみればそれぞれに対応する分野があるわけだが、もっと小さなユニットとして平田さんの関心を網羅する場があった。愛知県犬山市にある霊長類研究所だ。
「生物学系の卒論で嵐山のニホンザルを観察して面白かったんで、そのまま京都に残ってフィールドワークとかでもいいかなとは思ってたんですが、いろいろ授業を受けたり、先生の話を聞いていると、霊長類研究所に新しい飼育棟が建って、放飼場も新しくなって、面白いことが始まりそうだという雰囲気だったんですよ。95年、96年くらいですね。で、実際に犬山で実習をして、チンパンジーに初めて間近で会ったんです。ニホンザルは、基本的に目を見てはいけない、目を見ると威嚇の意味になるんで。でも、チンパンジーの場合はじっと見ると見返してきたり、何となく意思が通じる気がして、これは面白い生き物だな、不思議な生き物だなと思いました。それが最終的な後押しをして、この道で行こうと思ったっていうところですかね」
95年、96年のあたりに、霊長類研究所でなにやら新しい動きがあったというのは事実で、施設の外からでもはっきり見える部分としては、チンパンジー・タワーなるものが出来た。一見、無骨な金属の15メートルタワーなのだが、チンパンジーにしてみれば、運動場の真ん中に大きな木が生えたようなものだ。本来、森の木に上り、垂直方向の空間移動をするのが当たり前の彼らにとって、こういった工夫は、自分たちに合った生活空間を取り戻すことであり、チンパンジー飼育の一大革命となった。21世紀の今、多くの日本の動物園が似たタワーを建てている。もちろん、サンクチュアリにもある。
研究面でも、霊長類研究所は、世界的な霊長類研究の中心地になっており、チンパンジー研究では間違いなくトップランナーとしての地位を盤石にしていた。チンパンジーの知性の研究で有名なアイとアユムの母子については、聞いたことがある人が多いと思う。「アイ」や「アイとアユム」が登場する本は、松沢哲郎教授らによって一般書から専門書までたくさん書かれている。
また、「ナッツ割り」の道具使用が発見されたギニアのボッソウも、霊長類研究所のフィールドだ。つまり、実験室での知性・心理研究が行われつつも、野生のフィールドを持っているのである。そんな研究所でチンパンジーに出会い、不思議! と思ってしまったら、その「不思議」を解明する道に進むしかなかったのであろうと推察する。
明日に続く・・・・・
【参考資料】 : 「進化の隣人」チンパンジーに、ヒトの「心の起源」を探(6/8)
Ω・ 京都大学野生動物研究センター ; 平田 聡 教授/熊本サンクチュアリ所長 ・Ω
「視線」から見えてくること
続いて平田教授が見せてくれたのは、「アイトラッカー」と呼ばれる視線を追いかける装置だ。教授はこれまで、「アイトラッカー」を使ったチンパンジーでの研究をいくつも行い、チンパンジーの行動特性を明らかにしてきた。ヒトが動く映像を見せると、チンパンジーは、ヒトの顔よりもモノに注目する。あるいは、ストーリーのある映像を見せると、その内容を1日以上記憶し、次の場面を予測して視線を動かすなどの特性だ。
こうした知見と経験を活かし、平田教授はボノボで同様の研究を始めようとしている。
「ボノボとチンパンジーもきわめて近い種ですが、性格や特徴にも違いがあります。ボノボはチンパンジーより群れの凝集度が高く、そのためか融和的な性格をしています。チンパンジーの群れは男性優位ですが、ボノボは女性優位です。チンパンジーは、石を使ったナッツ割りや枝を使ったシロアリ釣りなど、野生環境下で道具を使うことが知られていますが、ボノボが道具を使うことはきわめて稀です。チンパンジーとボノボ、そしてヒトの三者を比較することで、ヒトの『心』や『知性』の起源に迫ることができると考えています」
チンパンジーの研究はこれまでにも国内外でいくつも行なわれてきたが、ボノボの行動や認知の研究例は少ない。熊本サンクチュアリでは、2013年以降、アメリカの2つの動物園から6人のボノボを借り受けて、日本初のボノボ研究に取り組んでいる。
チンパンジーは相手の「心」を解するか
これまで平田教授は、さまざまな研究に取り組んできた。教授が最初に取り組んだのは「宝探しゲーム」だ。2人のチンパンジーが一緒になって宝物を探す。そのうち一人は事前に「宝」(食べもの)のありかを知らされているが、もう一人は知らない。ゲームを続けると、後者のチンパンジーは、前者のチンパンジーが食べもののありかを知っていることを学習し、先回りして横取りするようになる。すると今度は、前者のチンパンジーが違う方向に行くフリをして、誤った方向に先回りさせてから、本当に食べものがあるところへ向かうようになる。
人間の場合、「欺き」が成立するのは、相手が誤ったことを信じていることを理解するという「心」の複雑な動きがあるからだ。このチンパンジーの行動に、相手の「心」への理解があるか、議論の決着はついていない。だが、少なくとも見た目には、チンパンジーが相手を「欺く」ような行動をとることは確かだと言える。
また、チンパンジーが他個体と協調行動を調べるために、「平田の装置」と知られる実験装置も開発した(図参照)。上の図で、チンパンジーがリンゴを手にするためには、2人が協調して紐を引っ張らなければならない。最初は協調行動は見られなかったが、2週間ほど実験を続けた結果、相手が紐を引っ張るタイミングに合わせて、もう1人も紐を引くようになった。だが、人間のようにはっきりと呼吸を合わせようとするわけではない。結果的に協調しているように「見える」が、その真意までは分からない。ほかにも、平田教授はここでは書き尽くせないほどさまざまな実験を考案し、チンパンジーの行動や認知の特性を明らかにしてきた。
・・・・・・・つづく
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