☆ 本日は知るや知らぬや“国際寛容デー” さもありなんと、御茶ノ水に日本最初の幼稚園が開園(1876年=東京女子師範学校附属幼稚園開園)。大学まで一貫してお嬢様として教育させるのが目的だったとか言われているが、真相は闇の中。 ☆ 全世界的ベストセラーであるカラシニコフがロールアウト(1947年)。当初はソビエト連邦など共産圏で使われていたが、今では発展途上国の田舎町でも手に入れられるほどに。 その1世紀前、世紀の文豪と認知されるドストエフスキーに対し死刑判決(1849年)。後に、シベリア流刑に減刑。 ☆ 任天堂から袖にされたソニーが対任天堂殲滅のための特殊部隊を設置(1993年)。
本日記載附録(ブログ)
人間って何だろう?そして、「人間って何だろう」と思う心って何だろう?
そんな疑問に端を発して、ヒト(人)以外の霊長類を比較認知科学的視点から研究
ヒトに最も近縁なチンパンジーを主な研究の対象に選ぶ
「熊本サンクチュアリ」に行って59にん(人)のチンパンジーと暮らす
= 未踏の領野に挑む、知の開拓者・平田聡(09/mn) =
【この企画はWebナショジオ(文=川端裕人、写真=的野弘路)】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
第4回 動物の協力行動を調べる画期的な「平田の装置」とは =2/2=
「霊長類研究所で、一番最初にやったのは、宝探しゲームですね。運動場で何か食べ物を隠して、その隠した食べ物をめぐってチンパンジーがどんな駆け引きをするのかを見ます。ふたりのチンパンジーがいて、ひとりがその食べ物の隠し場所を知っている。知っている方は最初は食べ物の場所に直行するけれど、そのうちにもうひとりが先回りをはじめて横取りしたりする。それで、知っている方が最初、違う方向に行って相手をあざむいてから、本当に食べ物があるところに向かう、とか、あざむきの行動を取るようになる……」
はたして、「あざむく」チンパンジーは、どれほどの水準であざむいているのか。例えば、相手が心を持つと理解した上で(いわゆる「心の理論」を持った上で)しているのか今も不明だが、相手の行動をみて自分の行動を柔軟に調整する高度な社会的知性の発露といえる。
「野生のフィールド、ギニアのボッソウにはじめて行ったのは1996年で、修士1年生のとき。2回目は、98年。最後に行ったのは1999年から2000年に変わるときの12月から1月にかけて。2001年も行こうとしたんですけど、ボッソウから国境が近いリベリアで内戦があって、その影響で行けなくて。2000年にアイがアユムを産んで、それから他のふたりのチンパンジーも子どもを産んで、3組の母子ができたので母子の行動の研究に比較的時間を費やすようになりました。01年に博士号を取って02年には就職をしたので、そこからフィールドには出ていません。とはいえ、飼育下だけを見てればいいとはまったく思っていないんですが」
平田さんが就職したのは、岡山県にあった林原という企業の類人猿研究所だ。一民間企業ながらメセナ活動に熱心で、本業とは直接関係のない科学研究を推進する林原自然科学博物館(岡山市)や、林原類人猿研究センター(玉野市)を持っていた。類人猿研究センターは、2001年に開設され(まさに平田さんの卒業を待っていたかのようだ)、動物行動や比較認知、社会生態、発達、獣医学、生理学などの学術研究と、動物福祉、環境エンリッチメント、環境教育など応用実践を視野に置いた。医学感染実験ではなく、最初から現代的なチンパンジーの研究所として計画されていた。
この連載で紹介した平田さんの研究は、この林原類人猿研究センター時代のものが中心になっている。「平田の装置」という、霊長類研究の世界で有名な実験装置もここで培われた。
それを簡単に言うなら、チンパンジーの協調行動を調べるための巧妙な仕掛けだ。
実験ブースの外側に置かれた食べ物を引き寄せて食べるためには、ふたりのチンパンジーがロープの両側を持って同時に引き寄せなければならないセッティングを作ってやる。ひとりだけでひっぱっても、ロープは食べ物を置いた台からするりと外れてしまって目的は果たせない。あくまでふたりの協調作業が必要だ。
「13日くらいかけて、ふたりのチンパンジーがロープの両端を持って、同時に引っ張る協力行動ができるようになったんですが、アイコンタクトなどで合図して、いっせいの、というのではないんです。それを果たして協力というかどうか定義の問題です。でも少なくとも、人間みたいに、本当に相手と息を合わせるために積極的に努力をしたり、あるいは得られた成果をふたりで分け合ったりということはしないんです」
平田の装置は、ほかの霊長類、ほかの動物でも応用できる。ボノボはチンパンジーよりも高い割合で成功する。ゾウは、息を合わせて引っ張って課題をクリアした。カラスも成功するが、仕組みを理解しているようには見えない。等々、社会的知性の方向性は生き物によって様々であるらしい。
次回記載“第5回 熊本サンクチュアリと動物福祉と研究の未来”に続く・・・・
【参考資料】 : 「進化の隣人」チンパンジーに、ヒトの「心の起源」を探(7/8)
Ω・ 京都大学野生動物研究センター ; 平田 聡 教授/熊本サンクチュアリ所長 ・Ω
チンパンジーの「社会的知性」
取材では、昼食の様子も見させてもらうことができた。オスのジャンバ(21歳)とメスのナツキ(11歳)はひとりずつ、ミズキ(20歳)とイロハ(8歳)、ミサキ(18歳)とハツカ(8歳)の2組の母娘の順で(年齢はすべて2017年5月の取材時)、合計6人のチンパンジーを昼食専用のケージに連れてきて、平田教授と森村成樹准教授が2人でフルーツの昼食を与えた。
オスのジャンバのときは、ケージの外から昼食を与えた。オスはメスよりも気性が荒く、力も強い。この日、普段見慣れない我々取材陣がいることにジャンバは興奮気味で、暴れだしたときに備えて、外から食事を与えることにしたという。
実際、ジャンバは食事の途中に興奮し始め、激しく暴れ始めた。ポリカーボネート製の透明な壁を後ろ足で激しく蹴り続け、鉄の網を手で打ち叩く。足や手の骨が折れでもしないかと思うほどの激しさだったが、「チンパンジーの体はヒトよりはるかに丈夫にできているから大丈夫」と森村准教授は笑っている。見ているこちらが言葉を失うほどの、迫力の光景だった。
女性のナツキの番になると、平田教授と森村准教授は、部屋の中に入って食事を与えた。ミズキとイロハ、ミサキとハツカの2組の母娘に対しても同様だった。
ジャンバを除く5人のチンパンジーは、食事後に「ナッツ割り」や「お絵描き」の練習もした。ナッツ割りは、野生のチンパンジーでは特定のコミュニティに限定的に見られる道具の使用例だ。有名なのは、西アフリカのギニアのボッソウに生息するチンパンジーである。平田教授もこの地を訪ねたことがある。
「オスのロイには、私たち人間の手でナッツ割りを教えました。ロイが習得するのに1年半かかりましたが、その後は、ロイがナッツ割りをする様子を見て覚え、今日の5人がナッツ割りを習得するのに2週間ほどしかかかりませんでした。このとき、覚える側は何か手ほどきを受けるわけではなく、ロイの動きを見て『盗んで』技術を覚えます。これを松沢教授は、『師弟教育』と表現されています」
道具の使い方の習得は、仲間との関わり合いのなかで発揮される「社会的知性」のなせる業である。
人とチンパンジー、触れ合いのひととき
お絵描きで使っていたのもタッチパネルのタブレット端末である。フランスのストラスブルグ大学の研究者から共同研究の打診があり、絵を描く行為を通じて知性のあり方を調べるのだという。この日は、端末がうまく使えるかの最初の予備調査だった。
この日、操作を試した5人のなかで、お絵描きに強い関心を示したのは、いちばん若いイロハとハツカの2人である(ともに8歳)。興味深そうに端末の画面を覗き込み、指で線を描いていく。
・・・・・・・つづく
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