◆ 就寝前にお父さんが見る定番番組だったきょうの出来事が放映開始(1954年)、でも櫻井キャスターが登場するには更に四半世紀以上待たねばならなかった。 ◆ ローマ教皇パウロ6世がドルを求めて初訪米(1965年)。 ◆土曜8時にいかりや長介の「8時だョ!全員集合」の号令が初めて日本全国に響き渡ったり(1969年)、世にも奇妙な物語のホストが仕切るお昼の看板番組が放映開始(1982年)したりとこの日は長寿番組にとっての特異日。尚、1970年の『遠くへ行きたい』は現在も放送中。
本日記載附録(ブログ)
宇宙から観測する地表付近に起伏する雨や雲を見てみたい
より綿密正確な天気を予報、防災の役に立っ観測が出来るはないか
地球規模で高精度の観測ができる「GPM主衛星」での研究をスタートさせ
2022年にNASAから名誉な「Exceptional Public Service Medal」が授与される
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
地球観測研究センター主幹研究員;研究領域リーダ・沖 理子 (03/mn)
◇◆第1回 宇宙から雨雲を3Dスキャン! =3/3= ◆◇
従来のTRMMと比べて、中緯度、高緯度の観測をするのが、GPM主衛星のひとつの特徴だ。さらに、もうひとつの特徴といえるDPR、「雨雲スキャンレーダー」について。
「人工衛星で降水を観測する時に、『マイクロ波放射計』『レーダー』の2種類の方法があります。マイクロ波放射計は、地表面や海面、大気から放射されるマイクロ波を観測するものです。受動的な観測ですね。一方で、レーダーは、能動的で、自分で電波を出してその反射を見ます。実はGPM主衛星には両方が搭載されているんですが、日本側で担当したのはレーダーのほうです。反射してきた電波の強さは、雨粒の大きさと数に関係しますし、電波が帰ってくるまでにかかった時間などで距離がわかります。距離というのは、衛星からの距離ですけど、それが分かれば地表からの高さも分かります」
DPRのDualの部分、「2周波」というのは?
「レーダーで発射する電波の周波数が2種類ということです。TRMMの降水レーダーは、1周波でした。TRMMが観測してきた熱帯の雨は強いので、比較的強い雨、大きな雨粒を観測できる周波数帯を選んでいました。それが、Kuバンドといって、14ギガヘルツ帯。でも、全球を観測したいと思った時に、中緯度、高緯度の雨は、熱帯に比べると強度が弱いものもある。あるいは固体降水、平たく言えば雪ですけど、その割合も多いわけです。それに適したKaバンド、35ギガヘルツ帯のレーダーも同時に搭載することにして、それで2周波というわけです」
GPM主衛星の守備範囲の北端、北緯65度はアイスランドの首都レイキャビクよりも北だし、南端である南緯65度は南極海で、南極大陸の南極半島にもぎりぎりかかる。かなり寒い地域も見ることになる。そもそも、ほとんどの雨は上空では凍っている。様々な状態にある降水分布を見るために、2周波が必要だった。
そして、もうひとつ、2周波で見る時の重要なメリットが、「推定精度の向上」だ。
「小さな水滴や氷晶に感度があるKa帯は、上空から雲を観測した時に下層での減衰が激しいんです。その一方でKu帯の方は、減衰がKa帯よりも少なく、地上により近い雨でも反射する。だから、熱帯向きに選ばれていたわけです。この2つの周波数の減衰の差をとると、どれだけそこに雨があったか、つまり雨粒の大きさとその数(雨滴粒径分布)が1波だけよりはっきり分かります。そういったことをモデル化して、より正確に降水強度を求めることができます」
中緯度、高緯度まで対応した「ほぼ」全球仕様にすることと、立体的な構造も含めて雨の分布をより正確に知りうること。公開された「初データ」の、「北緯40度」はTRMMでは見えない緯度だし、発達した温帯低気圧は、降水の立体構造を見る威力を示すのにもってこいだったわけだ。
ぼくはこの動画や静止画の説明を受けた時、ふと頭の中に「南岸低気圧」という言葉が浮かんだ。ここ数年、冬に太平洋岸に雪を降らせる低気圧として有名になったものだ。2014年にも2月に首都圏に大雪を降らせたし、2013年3月には北海道で大吹雪の中で何人もの方が亡くなる痛ましい事故もあった。GPM主衛星の「雨雲スキャンレーダー」は、さっそくその姿を捉えて、気象の科学や防災に貢献する潜在力を示したのではないか、と。
次回記載”第2回 大雨や大雪を降らせる「南岸低気圧」の3Dスキャンに成功?“”
・・”第2回 大雨や大雪を降らせる「南岸低気圧」の3Dスキャンに成功? ”に続く・・・・・
【参考資料】 : 対談「空のなかの出来事が、私たちの営みを変える」(2/6)
Ω・Ω 新海 誠 × 沖 理子 Ω・Ω
(アニメーション監督) x (第一宇宙技術部門地球観測研究センター研究領域リーダ)
人の目で見る地球とは違う、様々な色彩の地球を見る
沖 : そもそも私たちが見ているこの世界は、原理的に"わかっているつもり"のものを見ているにすぎない世界、とも言えますよね。
新海 : 本当にそう思います。「見る」ということでいうと、雲の中で何が起きているのかを見てみたい、知りたいという思いがずっとあって、その思いから映画『天気の子』を作りました。また、雲というと、宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』の描写が自分の中に強く印象に残っていて。
沖 : 「竜の巣」ですか。
新海 : はい、あの劇中で登場する「竜の巣」です。「竜の巣」は、巨大な低気圧の渦なんですよね。そして渦の中心は雲の周囲とは逆方向に風が吹いていて、激しい雷も鳴っている。そんな「竜の巣」のなかへヒロインのシータたちは、飛行船タイガーモス号から切り離されてしまった小さな凧に乗って入っていく。ラピュタがあるから。そのシーンを中学生の頃に観たときに「雲の中はこんなふうになっているんだ!」と、見たことのない場所に分け入っていくような感覚があって、すごくワクワクして。あのとき感じた気持ち、好奇心を満たしてくれるような感覚が、アニメーション映画の中にもっとあって欲しい。そういう思いで今、自分自身映画を作っていますね。
宇宙から 雲のなかを立体的に見る
沖 : 雲の中がどうなっているのか。それを見たいという気持ちは、雲と雨を専門に研究してきた私自身にとってもずっと変わらないテーマです。『天気の子』は雲研究者の荒木健太郎さんが気象監修として参加されていますし、新海監督ご自身も相当雲にお詳しいかと思いますが、雲の正体は小さい水や氷の粒です。その小さな水の粒や氷の粒がくっつきあって、雲はだんだん大きくなりますが、大きくなりすぎてしまうと重くなってしまい、それが地上に落ちてきます。
その落ちてくる時に途中でとけて水に変わったものが雨。氷の粒のかたまりがとけてそのまま降ってくると、雪やあられになります。というように一連のプロセスで成り立っているので、雲を知ることは雨や雪を知ることでもあるんです。ところがそんな雲と雨、雪について、実はわかっているようでわかっていないことがまだまだたくさんあって、私たち研究者はそれを解明したい。そして解明するためには宇宙からの観測が必要で、さらにその観測精度自体を向上させると、見えないものがみえてくるのです。
新海 : そのミッションをJAXAで行っているんですね。
沖 : はい、その中心となっているひとつに「全球降水観測(GPM)計画」があります。これはJAXA、NASAの他にも多くの国際機関が参加しているミッションで、複数の衛星データを利用して、地球全体の雨や雪を高頻度・高精度に観測するミッションです。そもそも雨とは変化が激しい事象なので、観測頻度が少ないとデータが使えないものなのですが、GPMは、複数の衛星が協力して観測することで、約3時間以内にほぼ全球の観測ができるようになっています。またこのGPMの主衛星に、JAXAが開発した二周波降水レーダ(DPR)というセンサが搭載されていて、地球に向かって電波を飛ばし、雨粒や雪から反射した電波を受け取ることで、これまで不可能だった雲の内部に存在する雨や雪の構造を立体的にスキャンすることができるんです。
GPM主衛星のイメージCG
・・・・・・続く
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