ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年09月15日<ⰧⰊⰧ ◆ イギリスで世界最初の鉄道が開業すると共に、世界最初のグモッチュイーーンに成功する(1830年)。即ち、開通式典で世界初の鉄道死亡事故が発生。 ◆ マクドナルド御用達の全国紙「USAトゥデイ」が創刊する(1982年)。 ◆ 星野仙一が関西圏を沸かせる18年ぶりの偉業(駄目虎→猛虎)達成(2003年)。しかし、五年後には関西圏のみならずリーマン・ショックで日本全体が青息吐息。
本日記載附録(ブログ)
日本からも200人以上が参加する素粒子物理研究の最前線
欧州原子核研究機構、通称CERN(セルン)、欧州21カ国の共同運営
ノーベル賞を受賞したヒッグス粒子発見の舞台である
スイスとフランスの国境地帯にあり、全周はなんと27キロ
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
CERN/セルン(08/mn)
◇◆第3回 そして、ヒッグス粒子発見の瞬間がやってきた =2/3= ◆◇
ATLAS検出器は、直径25メートル、長さ44メートルの巨大な円筒形だ。
よく説明に用いられる「解剖図」を見てみよう。
一番内側には、ビームを導き衝突させる管がある。ここが、加速器本体「マグネット」とつながっていて、日本で開発された4極マグネットで収束させたぎゅっと細いビームが供給される。衝突点で陽子同士がぶつかった後、どんな反応が起きたか記録をとるのが、周囲に幾重にも張り巡らされたセンサー群だ。
超伝導ソレノイド(コイル状の電磁石)は強力な磁場を作り、シリコン検出器でその中での粒子の飛翔の軌跡や運動量を測る。その外側にあるカロリメーターは、重い物質を使って粒子を止めてエネルギーを測るものだ(粒子の運動エネルギーは熱に変わる。ここでのカロリとは、日々お目にかかる食品表示のカロリーと同じ)。さらに外側では、それらを突き抜けてしまうミュー粒子をとらえるミューオン検出器がある。
「超伝導ソレノイドの製造は東芝。シリコン検出器は浜松ホトニクス。浜松ホトニクスはカミオカンデのセンサーで有名ですが、ここでもCMSなどほかの検出器にもセンサーを提供しています。また、カロリメーターの容器を川崎重工がつくったり、センサー関連では、日本はかなり活躍しています」
そして、近藤さん自身も新しくATLASのチームに入った頃、こういったセンサーについてのノウハウが、周囲と溶け込むのに一役かったそうだ。
「──私も含めて、高エネ研の研究者って、理論的なのよりも、むしろ物をつくるのが得意な人が多かったんです。TRISTANでのノウハウや、さらに、計画中止になったSSCのために設計していたものとか、実際に見せるものがあったんですよね。シリコン検出器だったり、ソレノイドだったり、英語がうまく通じなくても実際にモノがあるから、興味を持ってもらえるし、信用を得られた。ソレノイドなんて最初はイギリスが作ると言っていたのを日本に任す、ですとかね。それは、山本明教授(高エネ研。超伝導磁石の応用で世界的に知られる)のチームが100%設計して、ぼくもかかわってやりました」
「──こんなエピソードもありました。日本で製造しCERNに到着したソレノイドをテストしている最中に、極低温の液体ヘリウムを作る冷凍機が途中でトラブってしまった。担当していたCERNの専門家が困っていたところ、現場に居合わせた高エネ研の専門家がこれは弁をこういうふうに回しこめばいい、と実際にやったらうまくいくんです。こっちの技術者は、オーッ! とか声をあげてましたね。私はまあ、ちょっと古い世代だから、欧州の方が技術が上だと思ってたんだけども、結局同じレベルだったと。だから、SSCはキャンセルされたけど、そのために日本で開発した技術の成果を評価されて、LHC計画に入ることができたっていうのは、すごく感激だったですね」
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : ヒッグス粒子(2/3)
Ω・ ヒッグス粒子/ ヒッグス・ボソンは素粒子の一種 ・Ω
ヒッグス機構では、宇宙の初期の状態においては全ての素粒子は自由に動き回ることができ、質量を持たなかったが、低温状態となるにつれ、ヒッグス場に自発的対称性の破れが生じ、真空期待値が生じた(真空に相転移が起きた)と考える。これによって、他のほとんどの素粒子がそれに当たって抵抗を受けることになった。これが素粒子の動きにくさ、すなわち質量となる。質量の大きさとは、真空期待値が生じたヒッグス場と物質との相互作用の強さであり、ヒッグス場というプールの中に物質が沈んでいるから質量を獲得できると見なす。光子はヒッグス場からの抵抗を受けないため相転移後の宇宙でも自由に動き回ることができ、質量がゼロであると考える。
ヒッグス粒子の存在が意味を持つのは、ビッグバン、真空の相転移から物質の存在までを説明する標準理論の重要な一部を構成するからでもある。もしヒッグス粒子の存在が否定された場合は、標準理論(および宇宙論)は大幅な改訂を迫られることになる。
マスメディアによるニュース報道等では「対称性の破れが起こるまでは質量という概念自体が存在しなかった」などと紹介されることがあるが、これは正確ではない。電荷、フレーバー、カラーを持たない粒子、標準模型の範囲内ではヒッグス粒子それ自体および右巻きニュートリノはヒッグス機構と関係なく質量を持つことが出来る。また、重力と質量の関係、すなわち重力質量発生の仕組みは空間の構造によって定められるものであり、標準模型の外部である一般相対性理論、もしくは量子重力理論において重力子の交換によって説明されると期待される。
実験
素粒子の標準模型がヒッグス機構に拠って立つことを完全に立証する為には、ヒッグス粒子の探索が重要となる[注 2]。ヒッグス粒子は標準模型の中で最後まで未発見のまま残された素粒子であり、実際に捕捉すべく長年に渡って実験が行われてきた。その発見は高エネルギー物理学の加速器実験の最重要目的の一つと位置づけられるようにもなり、ジュネーブ郊外に建設され、2008年より稼働した欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(以下LHC)での発見が期待されていた。その実験はたやすいものではなく、LHCを用いた衝突実験でも、理論計算によるとおよそ10兆回に1回しか生成されないとされている。つまり理論が正しい場合でも、それによって予測される粒子は、巨大・巨額の装置および大量の人員を長年に渡って用いる手法で実験を行っても、生成自体が大きな困難だとされている。
2011年12月のこと、「ヒッグス粒子」が「垣間見られた」と発表され、そのニュースが世界を駆け巡った。
・・・・・・・・続く
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