ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年08月31日<ⰧⰊⰧ ◆ 豊臣秀頼が寄進して建造した寺の鐘に刻まれた文字をめぐって、徳川家康がクレーマーとなって火蓋を切る切っ掛けに(1614年)。 ◆ パリでダイアナ妃に田代まさしの神罰が下る(1997年)。この事故が関係したのか!!? 翌年のこの日、原宿の歩行者天国が廃止される。 ◆ “初音ミク”がメジャーデビューを飾る(2007年)。ファーストシングル『ネギ回し』の大ヒットで一躍注目に。ところがミクの日ではない。
本日記載附録(ブログ)
物理学の理論を纏い、天文学の観測を駆使して天空に挑むドンキホーテ
== ビッグハ ゙ン、ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション理論、宇宙背景放射、重力波 ==
宇宙の謎と万物の根源を解き明かすべく、観測衛星WMAPを駆使した宇宙物理学者
『天文学者ですがなにか?』と天空から話し掛け、時々 ピアノを弾くためで宇宙から地上に戻る
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“宇宙論の黄金時代”のエースとして活躍するマックス・プランク宇宙物理研究所所長
=宇宙の始まりから終わりまでを理解するのを生涯の目標とするシニアフェロー小松英一郎=
小松英一郎(14/mn)
◇◆第5回 波長10億光年以上の重力波 =3/3= ◆◇
偏光というのは、立体映画を見るときにかける眼鏡やら、釣り人が好んで使う偏光サングラスなどの偏光と同じだ。写真で水面のギラつきを抑える時にも偏光フィルターを使う。
ただし、重力波が関与して出るBモード偏光は我々が普段体験している偏光とは違い(このあたりの説明は長くなりすぎるし、元々心許ないので割愛)、波長10億光年に相当するBモード偏光はインフレーションの結果と解釈する以外にない、ということなのだった。
「宇宙背景放射のゆらぎは、のっぺりした成分の10万分1スケールのさざ波と言いましたけれど、Bモード偏光はさらに2桁以上も弱いんです。ですので、観測がとても難しい。僕は、今、日本の高エネルギー研究所の羽澄昌史先生のグループと共同研究しています。羽澄先生は今、チリで頑張って、POLARBEARっていう専用望遠鏡を、高エネルギー研とカリフォルニア大学バークレー校と共同で作って、Bモード偏光を観測しようとしています。それが5σで検出できて、インフレーションを発見した、とはじめていえると思います」
チリといえば、前回、ミリ波・サブミリ波望遠鏡のアルマについて紹介したばかりだが、このPOLARBEARも、アタカマ砂漠の高地、アルマのすぐ近くに設置されている。アタカマ高地は、すばる望遠鏡があるハワイ島マウナケア山と同様に、世界の天体・宇宙観測の中心地となりつつある。
なお、Bモード偏光が発見され、「インフレーションの発見!」と高らかに言えた時、このテーマでノーベル賞が出るだろうとのこと。ほかの天文学者、宇宙論研究者からも同じことを聞いたことがあるので、それだけ大きな発見だというのは間違いない。さらに小松さんの見立てでは、インフレーション理論の提唱者である、佐藤勝彦博士はその際の有力候補だそうだ。
「もし本当にあるのなら、それほど長くはかからないと思いますよ」と小松さんは力強い予測を述べていた。「2020年代のはじめ頃には、決着がつくんじゃないかなあ」と。
「もし本当にあるのなら」というのは、ない場合もありうる(つまりインフレーションがなかったシナリオもあり得る)ということで不穏だが、いずれにしても結論が出るのは遠い未来ではないようだ。
と、ここまで書いたところで、発見の報が届いた。2014年3月17日のことだ。
アメリカの大学などが南極に設置し運用しているマイクロ波望遠鏡BICEP2(この連載で紹介した宇宙開発ベンチャーの高橋有希さんが、大学院生時代に設置し、データを取ったBICEPの後継)が、インフレーション起源の重力波を捉えた。小松さんが予想した2020年代はじめよりも、ずっと早く、その瞬間がやってきた。
ただし、小松さんによれば、この発見については、大いに興奮しつつ(小松さん自身、その後、5日間で体重が2キログラム減り、発熱して体調を崩したほどだという)、少し慎重にならねばならないという。BICEP2による観測は波長2ミリによるもので、それが、ほかの波長でも想定される分布を示しているか観測される必要がある、と。そのあたりは、小松さん自身が、解説を寄せてくださったので、ぜひそちらをご参照のこと! この「発見」の意味、意義がよくわかります。
小松さん自身による解説「「宇宙誕生の重力波」はまだ証明されていなかった」はこちら。
次回は“第6回 ダークエネルギーは一般相対性理論を書き換えるか”に続く・・・・・
【参考資料】 : 暗黒物質・暗黒エネルギーの謎に迫る (9/14) ;
Ω ―我々の住む宇宙は何からできているのか/ 村山 斉 東京大学特別教授― Ω
暗黒エネルギーとは=2/2=
具体的にどうやってビッグリップに関する観測をしたか。ここで登場するのが1a型超新星というものの爆発である。超新星の中で1a型は特殊である。1a型超新星はその爆発で星が銀河全体より明るくなる。だから、遠くの銀河も明るくなるのが見える。遠くが見えると過去が見える。しかも、このタイプの超新星は明るさが決まっている。明るさによって位置が遠いか近いかが判別できる。距離がわかるとどれだけ時間が経過したかという時間の情報を得られる。
さらに、光がどれだけ赤くなったかを見れば宇宙がどれだけ大きくなったかがわかる。つまり、宇宙の膨張の情報も得られる。したがって、時間の情報と膨張の情報を組み合わせると、膨張の歴史の情報になる。それでどのように減速して来たかを見ようとした結果、なんと宇宙の膨張は加速しているという驚くべき答えが出た。1998年のことである。
もしビッグリップになったら何が起きるのだろう。今からおよそ1000億年後に起きると言われるビッグリップのシナリオは次の通りだ。
ビッグリップの2億年前、銀河のかたちに変化が現れる。まず、銀河の周辺部の星が加速的に引っ張られているので、重力を振り切って外に飛び出していく。そして、中心部にある星もまとまることが出来ずバラバラになり銀河は消滅する。ビッグリップの1年前、惑星の軌道にも影響が現れる。外側を周る惑星から順々に軌道から外れていく。
ビッグリップの数時間前、星の内部にまでダークエネルギーの影響が及ぶ。星は膨れ上がって爆発し、死を迎える。惑星も最後の時を迎える。大地はひび割れ、バラバラになった惑星の破片が次々と宇宙に飛び出していく。そして、遂に惑星も砕け散り、分子や原子までも引き裂けられ、素粒子になる。ビッグリップの数秒前、全てのものがバラバラになって、宇宙は終わりを迎える。これがビッグリップだ。
これはあくまでも仮説なので、必ず宇宙がこのような最後を迎えるわけではない。もし、宇宙空間の膨張と同じ割合でダークエネルギーが増え続ける場合には、宇宙は永遠に存在し続ける。ただし、今私たちが見ている多くの銀河はほとんど全て遠くへ飛び散っていくので暗くなり見えなくなってしまう。
このビッグリップ仮説が真実かどうかは、暗黒エネルギーの正体による。暗黒物質は我々の母だったが、暗黒エネルギーは邪悪な感じがする。
ここまでのことを簡単にまとめたい。原子は宇宙において5%に過ぎないというのが観測結果である。原子は粒々なので、宇宙が2倍になると体積が8倍になって8倍に薄まる。暗黒物質は宇宙の27%だということもわかっているが、暗黒物質も粒々だから、正体はわからないけれども、宇宙が2倍になると体積が8倍になって8倍に薄まる。
暗黒エネルギーは宇宙の68%を占めているが、奇妙で、宇宙が2倍になり体積が8倍になると、暗黒エネルギーも約8倍に増える。つまり暗黒エネルギーは無尽蔵なエネルギーである。8倍ではなく7倍だと、暗黒エネルギーは勢いを失って、加速はいずれ止まって、減速する宇宙に戻るだろう。9倍に増えると、どんどん勢いは増しているので、宇宙を無限に速くしてビッグリップになるだろう。だから、8倍なのか、9倍なのか、7倍なのかというのが運命の分かれ目だ。これを調べなければならない。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/97671fe829d821ce1b0ff7f65b40d7ff
後節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/ 学535/e/xxx
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【壺公夢想;如水総覧】 :https://thubokou.wordpress.com/
================================================
森のなかえ
================================================