ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年08月30日<ⰧⰊⰧ ◆ 夏山シーズンも終わるこの時期にとある変人気象学者が富士山に登って山籠りを始めた(1895年)からか、この日は冒険家の日。体力の限界に挑戦する小中高生の健闘を祈る前夜祭的意味合いが強い。 ◆ 第二地銀の業界トップと信用組合の業界トップが揃って突然死。「阪神大震災の後始末もまだなのにどういうことやねん」「利子5%の定期預金は大丈夫やろか」と店舗に預金者が殺到し、怒号も飛び交う中で従業員はサービス残業(1995年)。 ◆ アホ太郎よりはバカなド鳩の方がマシという民意が示された日(2009年)。
本日記載附録(ブログ)
物理学の理論を纏い、天文学の観測を駆使して天空に挑むドンキホーテ
== ビッグハ ゙ン、ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション理論、宇宙背景放射、重力波 ==
宇宙の謎と万物の根源を解き明かすべく、観測衛星WMAPを駆使した宇宙物理学者
『天文学者ですがなにか?』と天空から話し掛け、時々 ピアノを弾くためで宇宙から地上に戻る
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“宇宙論の黄金時代”のエースとして活躍するマックス・プランク宇宙物理研究所所長
=宇宙の始まりから終わりまでを理解するのを生涯の目標とするシニアフェロー小松英一郎=
小松英一郎(13/mn)
◇◆第5回 波長10億光年以上の重力波 =2/3= ◆◇
小松さんは本当に楽しくてたまらないと雰囲気でいうのだ。WMAP衛星の成果で「宇宙論を決めた」後でも、それだけの疑問が残っている。
「僕たちのWMAPでは、99%までの精度で観測できたと言いましたよね。実はこれは、理論が予測する宇宙背景放射のゆらぎが、大きな角度で見た場合(COBE衛星は7度)と、小さな角度(WMAP衛星は0.2度)で見た場合、ごくごくわずかに違うことが検出されたということでした。それが2013年のプランク衛星の最初のデータと解析発表で、WMAPよりもさらに半分くらいの角度で観測して、そこでもさらにゆらぎの違いを発見したので、この時点で5σをクリアしました。インフレーションについて強い証拠が出てきたと言っていいんですよ」
小松さんは、ここで一転してやや不満そうな顔を見せた。
「宇宙論業界では、まさにここが重要なところだったんですが、プリスリリースを出したESA(ヨーロッパ宇宙機関)は、やっぱり宇宙の年齢が分かったとかやるんですよね。137億年とWMAPが言っていたのが、138億年だとか。なんかポイントがずれているんです」と。
たしかに、突拍子もないインフレーション理論が正しいと確認できれば、宇宙論研究者が30年以上追いかけてきた大きな懸案が片づいたことになって、まさにビッグイベントだ。
ただし、プランク衛星の観測によっても、インフレーションの「発見」にはまだ足りないのだという。小松さんの研究のロードマップには、インフレーションが実際にあった事実として認めうる観測を行っていく計画がまずある。
そのためには、何を観測するのだろう。
答えは、「Bモード偏光」だ。
「インフレーションは、カーンと宇宙を叩いて音波をつくるってお話ししました。でも、それだけじゃなくて、実はそのカーンの瞬間に重力波も生まれるんですね。重力波は、空間の歪みです。たとえば、僕自身が持つ重力のため、僕のまわりの空間は歪んでいます。ここで僕が手を振れば、その空間の歪みが変化して、歪みがまわりに伝わっていきます。これが重力波です。僕が作り得る重力波は小さすぎて問題になりませんが、インフレーション中に作られた重力波なら見える可能性があります。その時の重力波が見つかれば、もうインフレーションの決定的な証拠です。なぜって、その時に出た重力波、やっぱり波ですので、波長があるんですが、それが引き延ばされてなんと10億光年! 波長が10億光年もある重力波が飛び交ってるっていうんですよ。そんなこと普通あり得ない(笑)。これはもう絶対に天体ではつくれるわけがないので、起源としてインフレーションしかないんです。これが発見できたら、もう誰も何も文句言えないです。宇宙論業界のコンセンサスになってますので、誰一人文句言う者はいないと思いますね」
そして、波長10億光年の重力波を検出するために、必要なのがBモード偏光の観測、なのだそうだ。
偏光というのは、立体映画を見るときにかける眼鏡やら、釣り人が好んで使う偏光サングラスなどの偏光と同じだ。写真で水面のギラつきを抑える時にも偏光フィルターを使う。
ただし、重力波が関与して出るBモード偏光は我々が普段体験している偏光とは違い(このあたりの説明は長くなりすぎるし、元々心許ないので割愛)、波長10億光年に相当するBモード偏光はインフレーションの結果と解釈する以外にない、ということなのだった。
・・・・・・・・・明日に続く・・・
【参考資料】 : 暗黒物質・暗黒エネルギーの謎に迫る (9/14) ;
Ω ―我々の住む宇宙は何からできているのか/ 村山 斉 東京大学特別教授― Ω
暗黒エネルギーとは=1/2=
次に、宇宙の運命はどうなっているのかということについてお話ししたい。ここで登場するのが暗黒エネルギーという存在だ。暗黒エネルギーが宇宙の運命のカギを握っていることが最近の研究でわかってきた。
宇宙は膨張していると言われるが、アインシュタインによれば、所詮それは重力の現象である。ビッグバンで様々なものが飛び散る。その後は、万有引力の法則で引っ張り合っている。引っ張り合うと、飛び散る速さにブレーキがかかる。つまり引っ張る重力だから宇宙の膨張は減速して遅くなっていくはずだというのが予言だった。我々は70年間そのように思っていた。空に向かってボールを投げるとボールは減速して戻ってくる。宇宙がそのようだと膨張してどこかで停止して、戻って来てつぶれてしまう。これを「ビッグクランチ」というが、その考え方が通説だった。
それに対して、空にロケットを飛ばして大気圏を超えれば、大気圏外に出たロケットは重力に引っ張られて減速するが、永遠に飛び続けることになる。宇宙がこのようだと永遠に膨張を続ける宇宙ということになる。
宇宙の運命を知りたいということで、同僚のソール・パールムッター博士が観測を始めた。やることは単純だ。遠くの宇宙を見ると昔の宇宙が見えるので、遠くの宇宙の膨張の速さを測ると、昔の宇宙の膨張の速さを測ることができる。逆に、近くの宇宙の膨張の速さを測ると、最近の宇宙の膨張の速さを測ることができる。そうすれば、どのくらい減速して来たかがわかる。停止しそうなくらい減速しているのか、あるいはそれほど減速していないのか判定が付くだろうということになった。
実際に観測して測り始めてみると、誰も予想しなかった結果が出た。減速すると思われた宇宙が実際には加速していた。重力で引っ張られるとブレーキがかかって遅くなるはずだったのに、万有元力に逆らって押している何ものかがあることになる。重力は引力しかない。何か押しているものが宇宙にはある。これが現代物理学最大の謎なのだ。ともかく、何か見えないものがあって、それがどんどん押して宇宙の膨張を早めている。それはエネルギーをもっている。だから暗黒エネルギーと呼ばれている。
アメリカ、ダートマス大学のロバート・コールドウェル博士は、ダークエネルギーが加速度的に増える場合の宇宙の未来を計算したが、その結果は、とても衝撃的だった。ダークエネルギーが加速度的に増えると宇宙の膨張速度は際限なく速くなっていく。そして、宇宙は無限の大きさになり、全てはバラバラになり引き裂かれてしまうことがわかった。コールドウェル博士はビッグバンに対してそれをビッグリップ(Big Rip)と呼んでいる。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
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