ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年08月27日<ⰧⰊⰧ
◆ 日光街道沿いに鉄道/現伊勢崎線が開通する(1889年)。その後、『らき☆すた』や『クレヨンしんちゃん』でお馴染みの路線となる。 ◆ 1階をスカスカにしてその上に規格化された建材を組み立てた上に屋上に広場を造るという安易さ極まりないモダニズム建築の巨匠として有名なル・コルビュジエが死亡する(1965年)。 ◆ 5か月前にハブに噛まれて死んだ筈の車寅次郎が、突然柴又の団子屋に現れる(1969年)。
本日記載附録(ブログ)
物理学の理論を纏い、天文学の観測を駆使して天空に挑むドンキホーテ
== ビッグハ ゙ン、ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション理論、宇宙背景放射、重力波 ==
宇宙の謎と万物の根源を解き明かすべく、観測衛星WMAPを駆使した宇宙物理学者
『天文学者ですがなにか?』と天空から話し掛け、時々 ピアノを弾くためで宇宙から地上に戻る
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“宇宙論の黄金時代”のエースとして活躍するマックス・プランク宇宙物理研究所所長
=宇宙の始まりから終わりまでを理解するのを生涯の目標とするシニアフェロー小松英一郎=
小松英一郎(11/mn)
なによりショッキングなのは、「通常の物質」がこの宇宙では極端に少なく、たった5%ということ。その一方で、直接観測できないが重力を及ぼす暗黒物質(ダークマター)が23%。さらに謎めいた暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が72%と弾き出された。
当然、それどういうことじゃー、と思う人が多いはずだ。
まず、「物質」と「エネルギー」が、同じ土俵で比べられること自体、違和感がある。聞いてみると、これはアインシュタインが発見した質量とエネルギーの関係、E=mc²の公式で単純に換算して比較したものなので、その点はよしとする。
しかし、このダークな物質やらエネルギーやらとは、いったいなんなんだ!
教えていただいことを元に、超簡単に解説を試みると。
まず、暗黒物質。
実は、量子ゆらぎがインフレーションで引き延ばされた宇宙のムラだけでは、今の宇宙の星々の集積や銀河の運動などが説明できず、そのために暗黒物質が想定されているのだそうだ。目に見えない暗黒な存在でありながら、重力を通して我々が知っている通常の物質と相互作用する、今の宇宙を説明するために必要な重力をもたらす存在だ。今後、宇宙の観測で正体が分かるかもしれないし、加速器による実験で発見される可能性もあると聞いている。例えば、超対称粒子なる未発見の粒子がその候補だとか。
一方、暗黒エネルギーは、さらに謎めいている。今の宇宙が加速膨張していることを説明するために必要な「正体不明の何か」だ。正体不明ながら、大方の宇宙論、天文学関係者がその存在を受け入れざるを得なくなっている。
小松さんは言う。
「WMAPのあげた業績は、一般には、宇宙年齢を決めたのが有名になっちゃったんです。でも、もしも、2つしか業績をあげちゃいけないと言われたら、ひとつは、暗黒エネルギーって本当にあると明らかにしたことだと思います。超新星の観測で見つけたって話があったんですけど、ほとんどの人は懐疑的だったんです。WMAPが出てきて、やっとみんな信用したと。そこがまず1つ重要」
正体不明なのに「ある」と認めざるをえない、ひどく気持ち悪いのが暗黒エネルギーだ。エネルギーというだけあって、もはや物質ですらないし、かといってどんな素性のものなのかも分からない。ただ、宇宙が膨張するのに重要な役割を果たしていて、宇宙のどこでも一定の密度で満ちているとされる。だから、ぼくやあなたのまわりにも、実は暗黒エネルギーは満ちている。時々、人がダークサイドに墜ちるのはそのせいだ(注・真に受けないように)。
そして、もうひとつの重要な成果は、もちろん、インフレーションだ。
「インフレーションっていうのが正しそうだと、言えたのも大きいです。COBEで見た大きな角度でも、WMAPで見た小さな角度でも、背景放射のゆらぎはほぼ同じだというのが分かって、でも、あくまで『ほぼ』で、正確にはちょっと違いがあったんです。これが実は、理論が予言していたのと、よく合っていたと。ただ、これが正しいかどうかは、99%くらいの確かさなので、まだ確実とは言えないんです。僕たちの業界では99%でも、『発見』とは言わないので(注・素粒子物理の実験や宇宙物理の観測では、統計的に5σ(シグマ)、約99.9999パーセントをクリアしてはじめて『発見』と見なされる研究伝統がある。ヒッグス粒子の発見も、5σをクリアして認められた)。」
そこで、小松さんの次の仕事は、「信じられない話」であるインフレーション理論を確認することと同時に、気持ちの悪い暗黒エネルギーについて正体を追い詰める方向へと向かうわけだ。
次回は“第5回 波長10億光年以上の重力波”に続く・・・・・
【参考資料】 : 暗黒物質・暗黒エネルギーの謎に迫る (8/14) ;
Ω ―我々の住む宇宙は何からできているのか/ 村山 斉 東京大学特別教授― Ω
WIMP仮説
暗黒物質の正体は何なのだろうか。銀河団の衝突で原子ではないことがはっきりした。また、超巨大質量ブラックホールでもないことは、質量が計測できたことからはっきりした。小さなブラックホールでもないことは虫眼鏡効果ではっきりした。さらに、ニュートリノでもない。ニュートリノは宇宙にたくさんある粒で、何もない宇宙空間でも1 cm3あたり200個〜300個あるので、塵と積もれば山となるが、ちなみに、梶田隆章氏がニュートリノに質量があることを発見してノーベル賞を受賞している。しかし、ニュートリノでは軽すぎて暗黒物質になれないことがはっきりした。原子、ブラックホール、ニュートリノなどを含めた「知られているもの」はどれも暗黒物質になれないことが2003年にはっきりした。したがって、暗黒物質は我々のまだ知らないものである。宇宙のほとんどがその未知のものであると確定したのが現代の状況である。
暗黒物質を探す研究は、仮説を立てて探すことになる。現在最も有力な仮説と思われているのが、「暗黒物質は弱虫」だという説である。英語では、Weakly Interactive Massive Particleといい、WIMPと略される。これは、ニュートリノのような小さな粒は地球などを通り抜けるが、暗黒物質はニュートリノの化け物のような感じで、ずっと重いものだ。
そのようなものが暗黒物質ではないかという説である。E = MC2によれば、重いものは、つくる時にエネルギーがたくさん必要だ。宇宙のはじめにはエネルギーがたくさんあったので、重い素粒子もあったに違いない。それが宇宙に残っているというわけである。この説によれば、我々の体を毎秒何千万個ものWIMPが通り抜けている計算になるが、我々はそれを感じない。それぐらい恥ずかしがりやで、反応しないものということになる。WIMP仮説が正しければ、暗黒物質を捕まえることができるのではないかと考えられ、実験が行われて来た。
暗黒物質の正体を明らかにすることを目的として行われた実験として2008年8月に完成したXMASS(エックスマス)実験がある。これは、岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1000 mの空洞に外部からの放射線バックグラウンドを遮蔽するための約800トンの水タンクを設置し、その水タンク内に約1トンの液体キセノン(約-100℃)を設置して行ったものだ。XMASS検出器を使って、観測装置を通過するWIMPが液体キセノンと起こす反応を観測するものだ。
キセノンの原子核は想定されるWIMPの質量と同程度である。WIMPがキセノンに衝突すると微かな光を発すると考えられている。それを最高感度の光センサーで捉える試みだ。残念ながらこの実験で暗黒物質の証拠を見つけることはできなかった。
キセノンは高額なので、我々のグループだけで実験施設の規模を大きくすることはできないので、ヨーロッパのグループと提携して約8トンの液体キセノンの装置をつくっている。この実験装置が完成したら、少なくとも一年に一度くらいコツという微かな音を捉えることができるかもしれないと期待している。
この実験は辛抱強い徳川家康みたいなものだ。「鳴くまで待とう暗黒物質」という感じである。しかしそれでは我慢できず「鳴かせてみよう暗黒物質」と思う人もいる。そのような人を満足させるかもしれない装置が加速器である。ビッグバンで暗黒物質が生まれたならば、我々にも暗黒物質がつくれるのではないかという発想である。エネルギーを注ぎ込めば重い粒子がつくれるはずだから、原理的には加速器を使って莫大なエネルギーを注ぎ込めば暗黒物質をつくれるはずだ。加速器を使用して暗黒物質をつくろうとする実験も現在行われている。
・・・・・・・・明日に続く
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