ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年08月26日<ⰧⰊⰧ ◆ カルカッタで貧しい人々に死に場所を与えた聖女と言う名のマザー・テレサが、アルバニアで生を享ける(1910年)。 ◆ 芥川龍之介脚本の映画『羅生門』が封切り(1950年)。これに合わせて、第1回24時間テレビ 「金はテレビを救う」が放送される(1978年)……両出来事の関係は謎である。 ◆ 芝浦埠頭とお台場の間がデカいつり橋で結ばれる(1993年)。真下をデカい船が通る上に大量の車を捌くことから、勝鬨橋のバージョンアップとはならず。
本日記載附録(ブログ)
物理学の理論を纏い、天文学の観測を駆使して天空に挑むドンキホーテ
== ビッグハ ゙ン、ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション理論、宇宙背景放射、重力波 ==
宇宙の謎と万物の根源を解き明かすべく、観測衛星WMAPを駆使した宇宙物理学者
『天文学者ですがなにか?』と天空から話し掛け、時々 ピアノを弾くためで宇宙から地上に戻る
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“宇宙論の黄金時代”のエースとして活躍するマックス・プランク宇宙物理研究所所長
=宇宙の始まりから終わりまでを理解するのを生涯の目標とするシニアフェロー小松英一郎=
小松英一郎(10/mn)
◇◆第4回 宇宙はかつて音に満ちていた =2/3= ◆◇
宇宙が何からできているかわかる。宇宙の「組成」がわかる。宇宙の成り立ちがわかる。
ひいては、前にも述べた6つのパラメータが分かる。
いったいどうやって? 小松さんによる例え話が面白い。2パターンの説明の仕方がある。
「──物理的に正確なバージョンは、まず、金属の花瓶と陶器の花瓶を用意します。で、叩くと何か音がしますねと。叩くことによって、花瓶全体に疎密波が広がっていくわけですね。で、こういう衝撃を与えたらこういう音を出すっていうことから、この花瓶が何でできているかわかりますね、と」
「──もう1つは、みんな好きだからよく使っている例えです。味噌汁に例えばカボチャとかを落とすと、波が伝わると。この波は疎密波じゃないんでその点は違うんですが、式にすれば一緒なのでまあよしとして。で、味噌がどれくらい入っているか、ダシがどれくらい入っているか、あるいは味噌汁ではなくてすまし汁だったとか、そういうことで波形が変わります。逆に言えば、その波形を見ると、味噌の量だとか、実はすまし汁だとかが分かるわけです。実際には、カボチャをバンバン落としまくって、後から後から波ができていくのが、その頃の宇宙の描像です。で、今の宇宙では、その時に最初に落とされた『カボチャの波』はものすごく広がって大きな角度で見えていて、後から落とした『カボチャの波』は小さい角度で見えるんです」
こういった音波の痕跡が、宇宙の晴れ上がりの瞬間に解き放たれた光、つまり宇宙背景放射のゆらぎとして残っていて、それを見るためには、COBE衛星の7度という角度分解能では大きすぎた。1度以下の角度を見なければならなかったそうだ。
「初期宇宙の流体で音波の縮んだり伸びたりする特徴的な長さが1度ぐらいなんですよ。COBE衛星では角度分解能が足りずならされてしまってわからないんですが、WMAPで見ると0.2度ぐらいまで見えますので、膨張したり、収縮したりしているところが分かります。その音波をきちんと描ききったのがWMAPなんです」
そのようにして、小松さんたちは宇宙初期の「音波」を見ることができた。では、その音波からどのようにして我々の宇宙についての情報を取り出すのか。さらには、その情報から我々の宇宙のいかなる部分が分かってくるのか。
【動画資料】 宇宙の音 https://youtu.be/hTCi4Iu80K8
== インフレーションから宇宙が晴れ上がりまでに鳴り響いていた「音(疎密波)」が、宇宙背景放射のゆらぎとして残されることを示すイメージ映像。
媒体の状態によっても、「カボチャ」の落ちるタイミングによっても、波の起こり方は異なる。==
「──音波の波形を見るっていうことに尽きます。観測で得られた波形をインフレーション理論の予想と比べるわけですよね。理論の予想には、前にも言いましたが、6個の自由なパラメーターがあって、観測と合うようにそれらを決めていくわけです」
「──それらのパラメータと直接関係しているのは、例えば水素原子とかヘリウム原子核の量、暗黒物質の量と暗黒エネルギーの量、初期ゆらぎの振幅、さらにそれがどういう空間分布をしているか。それから、宇宙の晴れ渡りの後に、星が出来るようになると、また一部で陽子と電子が再分離するので、それに当たった光はまた散乱されるわけですが、それがどの程度か……といったことです。それらをまず決めて、その数値を使っていろんなものを求めていくという2段階のプロセスです」
その結果を一般の人にも分かりやすく表現したものが、以前にも紹介した宇宙の誕生から現在までを描いた図表だった。特に宇宙の年齢が137億年という部分は、非常に有名になった。
また、もう少し専門的になるが、WMAPの観測で、通常の物質、暗黒物質、暗黒エネルギーの割合がはっきりしたことも大きなトピックだ。
・・・・・・・・・明日に続く・・・
【参考資料】 : 暗黒物質・暗黒エネルギーの謎に迫る (7/14) ;
Ω ―我々の住む宇宙は何からできているのか/ 村山 斉 東京大学特別教授― Ω
ブラックホールが暗黒物質なのか
ブラックホールには太陽質量の400万倍の質量があることがわかった。ブラックホールは見えないが、ブラックホール付近の星を見るには視力1000という視力で見る必要がある。幸いにも現在の望遠鏡の技術で視力1000は可能である。視力1000の望遠鏡を使用して銀河中心の星の動きを観測することができた。
しかも、それだけではなく、銀河の中心の星に注目すると、ブラックホール付近をたまたま通りかかったガスがブラックホールの重力につかまって引きずり込まれている。ブラックホールの中に入ったら絶対に出て来れない。ブラックホールはそういうものだ。しかしブラックホールに入る直前にはどんどん引っ張られて行って、ガス同士がすれて摩擦ができて光る。
光が出るのは、ブラックホールに入る直前に断末魔の叫びのように叫んでいる様子に相当する。それが光って見えている。ブラックホールに入ってしまったガスが二人によって観測できた。これらの功績によって二人は2020年にノーベル物理学賞を受賞した。
ブラックホール自体の大きさは光子リングの3分の2ぐらいの大きさで、ここはブラックホールの「事象の地平線」と呼ばれている。ここに入ると、何ものも光も出て来れなくなる。実際に、宇宙にはこのようなブラックホールがたくさんある。このブラックホールには太陽の質量の65億倍もあることがわかった。大きさが見えているので重さに換算できる。
このような巨大なブラックホールがあると、これが暗黒物質ではないかという意見が出る。しかし、ブラックホールは太陽の質量の65億倍もあるものの、M87銀河という銀河全体の質量は太陽質量の2兆倍あるのだが、星の質量だけでは重力が足りない。超巨大ブラックホールがあるのははっきりした。これも世紀の大発見の一つだが、暗黒物質にはブラックホールでは足りないこともはっきりした。
そこで、小さいブラックホールがたくさん集まって暗黒物質ができている可能性についても考えたことがある。すばる望遠鏡は、視野が広いので、アンドロメダ銀河をいっぺんに写真に撮影することができる。我々の銀河は上に位置するが、端の方にいる我々がアンドロメダ銀河を一晩中観測して、視線方向をたまたま小さめのブラックホールが横切ると、虫眼鏡の働きをするから光を集める。すると、横切っている瞬間だけアンドロメダ銀河の星が明るく見えることになるはずだ。だから、2分ごとに写真を撮っていって、ある時だけ明るくなる星があるかどうかを探してみる。もし、小さなブラックホールが暗黒物質だとすると、そういうことが一晩だけでも1000回ぐらい起きるはずだという計算になる。
実際に観測してみた。実は見つかったのは1個だけだった。しかもその1個も本当にブラックホールのせいなのか、変光星によるものなのかわからなかった。だから、ブラックホールがある証拠は一つも見つからなかった。したがって、暗黒物質は小さめのブラックホールでもないことがはっきりして来た。
・・・・・・・・明日に続く
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