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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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万物の謎・宇宙根元に挑む/小松英一郎(04/nx) _学究達=524

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年08月18日<ⰧⰊⰧ ◆ 1928年 - 三井財閥の大番頭・中上川彦次郎の娘・あきがにテノール歌手・藤原義江を追って2児を残してミラノへ出発。 そして、翌年のこの日 谷崎潤一郎と妻・千代子が離婚し谷崎の友人・佐藤春夫が千代子と再婚することを3人連名で発表。 ◆ 尋常じゃないくらいのドシャ降りでバス2台が巻き込まれてしまい、飛騨川に100人以上もの乗客ごと押し流すことに(1968年)。結果的にダムを〆切って川底まで浚う手間にまでなったとか。 ◆ インスタントラーメンで安藤さんとこに煮え湯を飲まされたマルちゃんが、赤狐と緑狸を使い魔として召喚しうどんとそばでリベンジを図る(1978年)。

本日記載附録(ブログ)

物理学の理論を纏い、天文学の観測を駆使して天空に挑むドンキホーテ

== ビッグハ ゙ン、ダークマター、ダークエネルギー、インフレーション理論、宇宙背景放射、重力波 ==

宇宙の謎と万物の根源を解き明かすべく、観測衛星WMAPを駆使した宇宙物理学者

『天文学者ですがなにか?』と天空から話し掛け、時々 ピアノを弾くためで宇宙から地上に戻る

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“宇宙論の黄金時代”のエースとして活躍するマックス・プランク宇宙物理研究所所長

=宇宙の始まりから終わりまでを理解するのを生涯の目標とするシニアフェロー小松英一郎=

小松英一郎(04/mn)

◇◆第2回 宇宙にシワがあるのはなぜなのか =1/3= ◆◇

小松さんがこれまでかかわってきた仕事の多くは、「宇宙背景放射」にかんするものだ。

 これは文字通り、宇宙の背景に満ちている放射。2.7ケルビン、つまり地球上の日常感覚では絶対零度に近い厳寒だが、それでもゼロではない。この巨大な宇宙は一定の「温もり」に満ちている。現在の我々の宇宙では、2.7ケルビンに相当する光がどこにでも飛んでいる、と言ってもいい。

「宇宙背景放射が発見されたのは1965年です。電波望遠鏡での観測で、どの方向からも入ってくるノイズが見つかったんです。ノイズ源などいくらでもありますから、観測していた人は、最初は地球大気からのものですとか、検出器の電気的なものなど、ありとあらゆるものを疑っていたんですが、どうしてもそれが残ってしまうんです。

ちょうどその頃に、宇宙には背景放射があるはずだと予測した理論があって、これがそうじゃないかということになったわけです。すぐに別の波長でも観測されて、宇宙背景放射は3.0プラスマイナス0.5ケルビンというところまでわかりました。

それをやったのが、ウィルキンソン博士で、その後もっと精密な観測をするためのCOBE(コービー)衛星や、僕がチームに入ったWMAP(ダブリュー・マップ)衛星にもかかわりました。WMAPという名前(ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査衛星)は、研究成果が出る前に亡くなった彼にちなんでWの1文字を頭につけたんです」

 ウィルキンソン博士は、宇宙背景放射の世界ではパイオニアであり、観測の発展に寄与した伝説的な人物だ。小松さんの研究史は、その始まりの時点で、ぎりぎり「パイオニアにしてレジェンド」と交わっている。

 さて、宇宙背景放射が発見された時点では「等方性」(どの方向も同じで、のっぺりした性質)を持ったものとして見えていた。しかし、単純にのっぺりした背景放射では、今の宇宙を説明できない、という意見がすぐに出てきた。今の宇宙は銀河系にしろ太陽系にしろ、そもそも我々自身にせよ、物質が集積してできている。もしも、宇宙の始原が完全にのっぺりしたものなら、物質の分布にムラがある今の宇宙の状態に発展できない、と。

 そこで考え出されたのが、宇宙が始まったきわめて初期に、急激に膨張するというインフレーション理論だ。1981年に京都大学の助手だった佐藤勝彦博士が提唱し、引き続いて様々なバージョンを多くの研究者が唱えた。これらの理論が予言したのが、のっぺりした成分の上に乗ったわずかなゆらぎだった。小さなゆらぎがあるがゆえに、宇宙には濃淡があり、それが発展して、今の銀河系や、太陽系や、地球や、我々が存在することに繋がっている、と。

 それがまさに観測上の焦点となったわけだが、それを知るためには地球上からは無理で、人工衛星での観測が必要だった。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

【参考資料】 : 暗黒物質・暗黒エネルギーの謎に迫る (2/14) ;

Ω ―我々の住む宇宙は何からできているのか/ 村山 斉 東京大学特別教授― Ω

 遠くを見ると過去が見えるとはどういうことか。図2は、すばる望遠鏡の我々の新しいカメラで撮影したアンドロメダ銀河の写真である。引っ張り合っているので、いずれは徐々に近づいて行って衝突し、その後合体して、一つの大きな銀河になるということまでわかっている。実は銀河はいま少子高齢化していて、新しい星は生まれなくなっている。すでにある星は徐々に消滅しているので、徐々に暗くなっていく。

 しかし、銀河同士は合体すると、引っ掻き回されて、活性化して、新しい星が生まれる。したがって、アンドロメダ銀河と合体した後の夜空は、いまの夜空と比べて、ずっときれいになると言われている。今から40億年ほどかかるが、ぜひ楽しみにしていただきたい。
 250万光年離れているということは、もしここに宇宙人がいて、地球の方に望遠鏡を向けて地球の観測をすると、我々人類は、図2のような250万年前の姿が見える。その頃我々はまだ類人猿であった。

宇宙は138億歳と言われているので、宇宙が誕生してわずか5億年が経過した時にできた銀河ということで、非常に若い銀河である。

 面白いことに、若い銀河は尖っていびつである。吸収合併を繰り返して大きくなると、丸くなってしまう。銀河も人間に似たところがある。

 もし、宇宙人が133億光年先から地球に向けて望遠鏡を向けたら、太陽系が出来たのは45億年前なので、何も見えないということになる。このように遠くを見ることによって昔を観測することができる。望遠鏡は我々がどこから来たのかを探るのに大きな武器である。

「量子力学を適用すると話がかわってくるんです。素粒子など非常に小さなスケールの量子レベルでは、いわゆる『量子ゆらぎ』といわれるものが生まれています。インフレーション中の急激な宇宙膨張によってゆらぎが引き延ばされても、ごく小さな量子レベルでは時空のゆらぎが作り続けられています。つまり、ゆらぎは小さなスケールで作られ続け、インフレーションがそれを引き延ばし続けるわけです。このゆらぎの痕跡が宇宙背景放射のシワとして保存されて、今、温度ゆらぎとして観察できるわけです。のっぺりした成分の上に乗った10万分の1のさざ波ですね。それが宇宙のシワの正体です。これが、銀河や銀河団といった、宇宙の大規模構造の種であって、我々がここに存在できるそもそもの起源でもあるんです」

 量子ゆらぎというとても小さなスケールの現象が、インフレーションによって宇宙に刻印されることであの模様になったというのである。そして、それが、我々の起源でもある! ずいぶん話が大きくなった。

 やはりSF的だ。と思ったものの、もしも、理論の後ろ盾がないところで、いきなりSF作家が「宇宙がインフレーションした」と言っても、あまり説得力のある物語にはならないだろう。それほど途方もないアイデアだ。

「本当に信じがたい話ですよね」と小松さんは言い、ぼくはその言葉にややほっとした。宇宙論の専門家にとっても、これはやはり「信じがたい話」なのだ、と。

「だって、宇宙の大きさが、瞬時にして、何10桁も広がるとかって、普通はやっぱり信じちゃいけないですよ。だから、しっかり確かめようとするわけです。COBE衛星が宇宙背景放射のゆらぎを発見して、その後、僕がかかわったWMAP衛星が確証を高めて、今、観測を続けているプランク衛星もインフレーション理論に有利なデータを出して、どんどん宇宙論関係者は、インフレーションは実際にあったのだろうって、傾いているところなんですが」

 小松さんは、前述の通りCOBE衛星の成果が出た1992年にはまだ高校生だった。その後、WMAP衛星が運用された2001年から2010年にかけては、観測とデータ解析のメンバーとして活躍した。さらに2009年から2013年まで欧州宇宙機関が運用したプランク衛星の研究チームがリリースしたデータを用いて、現在も研究を進めている。その流れの中で、宇宙背景放射についてより詳細なことが分かり、新たな様々な疑問がもたらされることになったのである。

・・・・・・・・明日に続く

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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