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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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脳の神経医療・環境医療を開発/本田学(16/16) _学究達=508

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年07月23日<ⰧⰊⰧ ◆ ロシアから来たご浪人が我が国固有の領土の一つでウロチョロしていたので、ひっ捕まえて函館へ連行する(1811年=ゴローニン事件)。   ◆ エジプトで勝手放題やらかしていたデブの王様が軍部に追い出される(1952年=エジプト革命)。それ以降今日に至るまで同国は軍部の意向で政治が左右されることに。  ◆ 前の総理の消費税&汚職事件に現職総理の指三本のトリプルパンチによって、日本の国会に捻じれが出来始める(1989年)。

本日記載附録(ブログ)

人の耳には聞えていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音

“ハイパーソニック”と言われ、その積極的効果を利用した医療技術の確立に奮闘・傾注

うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学 !!

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 部長 本田学

本田 学(16/16)

◇◆ 第7回 ハイパーソニック・エフェクトを正しく使うには =2/2= ◆◇

「・・・・・それに熱帯雨林で寝てるとすごく快適だけど、蚊だけは嫌だし(笑)。マラリア媒介するのとかいっぱいいますから。アフリカ行くときなんか予防の薬を飲んだり、あれこれ大変でした」

これは、ぼくもよくわかる。ぼくが一番親しい熱帯雨林はボルネオ島で、ここでオランウータンの母子を観察しながら歩くのは非常に幸せな体験だ。また早朝に遠くから聞こえてくるテナガザルの鳴き声など、高周波音がリッチなんじゃないだろうかと勝手に想像する。

 ただし! 森の中には不快な要素がいろいろある。

 湿った場所だとやはり蚊が多い。ぼくは「蚊の唾液アレルギー」なのか、刺されるとすぐに水ぶくれになり、無意識にひと掻きふた掻きしただけで皮膚が破れることがある。掻き崩し傷が化膿するのはしょっちゅうだ。

 また、蛭にも閉口する。1分も立ち止まれば足を上って来ているし、1日フィールドにいれば、かならずどこか吸血されている。熱帯雨林は大好きだが「森へ帰れ!」みたいな極端な自然派にはぼくはなれない。

「我々も、極端な自然派みたいな人たちとは、ちょっと距離を置くようにしています。それはなぜかというと、センチメンタリズム的な自然回帰というようなものでは、問題が解決されないからなんですよね」と本田さん。

「我々が今、着目しているのは、現代社会に特有の病理みたいなものがあって、それはやっぱり脳を介して心と身体の問題にかかわっているのではないか、ということなんです。何らかの情報環境の歪みが、環境と人間、特に脳との間に不整合を生み、そこからストレスを介して引き起こされる心と身体の病が、現代社会に特徴的だと。だから、単純に森に帰りゃいいっていうのではなく、その病理が引き起こされるメカニズムをひもといて、そこに現実的で効果的な対策を打っていこうと。そういう武器として脳科学を使いたいと思っています」

 本田さんがこの件について慎重に考えていることは理解できた。

 と同時に、ぼく自身も慎重にこの原稿を書いたつもりだ。

 さて、本田さんのお話をぼくがまとめたこのシリーズは、「神経神話」に引き寄せられることなく、適切に読者に伝わるだろうか。

 そういうことまで問われてしまう、内容の濃いお話をさせていただいたと思う。

 最後に……その上で、ぼく自身、ハイパーソニック・エフェクトに興味津々であることは告白しておく。

 音楽をかけながら執筆できる書き手は結構いるようだが、ぼくはできない。自分で音楽を選ぶと、それは聴きたい音楽であって、ついつい聴き入ってしまうのだ。しかし、ただ音のない状態で仕事をしていると、どこか息詰まるような気分になる。困る。

 ならば、本田さんの執務室のように、熱帯雨林の環境音などを流しておけばいいのではないか。日ごとに音源を変えて、ボルネオ、コンゴ、アマゾンなどと、世界一周熱帯雨林の旅を楽しむのもいい。かつて、高周波音の大切さを説いた亡父に「あなたが正しかった、かも」などと報告がてら実家に帰り、A級動作設計のアンプや、スーパーツイーターを持ち帰ろう。そして、目論見通りの音源を手に入れて試してみよう。

 ところが! 本田さんのところで聴いた環境音やそれに類似したものは、まだ市販されていないことを知った。芸能山城組の山城祥二氏が音楽を担当した映画「AKIRA」のブルーレイディスクなら、高周波音がふんだんに含まれているそうだが、あれはアクションシーンの連続で、執筆の環境音向きではなかろう。SACD(スーパーオーディオCD)規格で出ているチェンバロ曲など良いかもしれないが、これもつい耳を傾けて仕事にならないかもしれない。

 残念。近日中に、ハイレゾ配信でも、SACDでも、熱帯雨林の環境音をリリースしていだだけないだろうか! 切望いたします。

おわり、

次回は“アルマ望遠鏡でブラックホールの謎に挑む/河野孝太郎”に続く・・・・・

【参考資料】 : 考える脳・動かす脳・感じる脳(5/5)

Ω・Ω・Ω 「協調と制御」領域=本田 学= Ω・Ω・Ω

(2)知覚できない音による感性反応は脳幹部と前頭前野の連動による

熱帯雨林に存在するような人間の可聴域上限を超える高周波成分は、音を快適に感じさせる効果をもつことが知られている。その背景となる脳内のメカニズムを探るために、ポジトロン断層撮像法をもちいて非可聴域超高周波成分を豊富に含む音を聴いているとき、同じ音源から超高周波成分を除去した音を聴いているとき、暗騒音(ベースライン)を聴いているときの脳血流を計測した。そのデータに主成分分析を適用し、異なる条件間で互いに相関して活動する神経ネットワークの全体像を抽出した。

その結果、第一成分として両側聴覚野を含む成分が抽出された。またそれと直行する第二成分として視床、視床下部、脳幹を中心として、前頭前野および前帯状回へと広がる成分が抽出された。脳幹部から前頭前野に至る神経回路は、快感を誘導する報酬系として働くモノアミン投射系を含み、人間の行動を強力に制御することが知られている。すなわち、ここで得られた第二主成分に相当する神経回路は、知覚できない環境情報によって行動を制御する時に動員される「感じる脳」に相当するのではないかと考えられる。

(3) 知覚できない音によって接近行動がひきおこされる

こうした知覚できない環境情報が引き起こす人間の接近行動を明らかにするために、さまざまな音呈示を行っているときに被験者がもっとも快適に感じるように自由にボリューム調整をさせた。そして知覚できない成分の有無あるいはその強さの変化によって、被験者がどの程度の音量を好むかを最適聴取レベルとして計測した。

その結果、可聴域上限をこえる高周波成分を含まない音よりも含む音のほうを、またさらに超高周波成分のみを+6dB 増強した音のほうを、より大音量で聞こうとすることを発見した。この実験では、ボリュームの大きさは被験者は直接知ることはできないので、快適感のみをたよりとして行動制御は行われる。おそらく上記で描き出された神経回路の働きを介して、呈示された音情報をより大量に

受容しようとする接近行動を誘発したものと考えられる。

3.今後の展望

本研究を通して、「考える脳」と「動かす脳」の共通性と、無意識に「感じる脳」による行動制御のメカニズムが明らかになりつつある。今後は、運動と認知が神経機構を共有化することが人間の日常生活に果たす役割を明らかにし、その成果の社会還元をはかることを目指していきたい。そのため、現在最大の教育問題のひとつとなっている「運動と認知の協調制御による汎用的能力獲得」を支える神経機構の解明へと展開していきたいと考えている。

「一芸に秀でるものは多芸に長ずる」という言葉が典型的に描きだすように、わが国の伝統社会では、一つの技能や能力の習得を通して全般的全人的な活性向上をはかる教育システムが確立していた。武道・書道・茶道など「道」という概念に集約されるこうした汎用的能力の開発戦略では、現実世界の物体を制御する感覚運動の練磨を通して、知的能力のみならず人格的育成をはかろうとし、その成果は歴史の中で高い信頼性をもって確認されてきている。

この「道」に集約される学習と教育の背景には、「考える脳」「動かす脳」「感じる脳」が協調してフル稼働していることが予想される。そこで運動と認知の協調により汎用的能力開発を支える神経基盤を明らかにし、「汎用的能力開発戦略」に基づく教育システムの構築に応用していきたい。

終わり

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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