ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年07月22日<ⰧⰊⰧ ◆ 円周率の日。3月14日では単純すぎるが、7月22日はなぜこの日なの?と考えさせてくれる。曰く、円周率の近似値が22/7であることから。 ◆ 富山県魚津で大量のオバタリアンによる米屋襲撃事件が発生、忽ちのうちに全国に伝染する事態に(1918年=米騒動の発端)。 ◆ FBI直々のご指定の社会の敵No.1が、3発の銃弾で伝説の存在と化す(1934年=ジョン・デリンジャーがFBI捜査官により射殺)。
本日記載附録(ブログ)
人の耳には聞えていないけれど、脳の活動にポジティブな影響を与える高周波音
“ハイパーソニック”と言われ、その積極的効果を利用した医療技術の確立に奮闘・傾注
うつ病をはじめ、さまざまな現代病の治療と予防を目指した「情報医療」を切り拓く本田学 !!
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第七部 部長 本田学
本田 学(15/16)
◇◆ 第7回 ハイパーソニック・エフェクトを正しく使うには =1/2= ◆◇
前回扱ったような脳科学の取扱い難しさを前提にして、先端的な知見であるハイパーソニック・エフェクトについて語る時、どのような注意が必要だろうか。
現時点では「摩訶不思議」な部分もあり、「聴けば体によい」という短絡も可能な部分も多い。あるテレビ局が「高周波音を聞けば頭が良くなる」と伝えたのは、拡大解釈の事例だろう。
「このテレビ番組の例では、取材申込を受けた番組の内容が科学的にあまりに問題が多かったので、番組として取り上げること自体をお断りするだけでなく、どのような内容にすれば問題がおこらないか、アドバイスまでしたんです。それにもかかわらず、それを無視して勝手に問題のある内容を制作して放映してしまったので、社会的に大問題になりました。私たちも科学者の責任としてほうっておくわけにもいかず、テレビ局に厳重に抗議し、お詫びと訂正放送をいれてもらいました。番組自体もすぐに打ち切りになってしまったようです。
私たち科学者が慎重に情報発信をすべきなのはもちろんですが、それを受け取る側にも高いリテラシーが必要な時代になってきているのかもしれません」
研究者側がいくら注意していようと、メディアが曲解してしまえば元も子もない。不正確で誤解を招く取りあげられ方に訂正を求めるのは、本来、研究者としては「余計な仕事」のはずで、そこまでしなければならないのは相当な負担だろう。本当にメディア側も賢くならねばと身を引き締めざるをえない。
今後のハイパーソニック・エフェクト研究をめぐる「受け止められ方」にかかわることで、気になっていることが2点。
1点目は、高周波音を含む音を「聞く」と、免疫細胞が活性化する、ストレスホルモンが減る、ということが、そのまま、免疫が強化され、ストレスが減り、その結果、病気にならないなどと理解されると(この点について、まだ医学的効果が証明されたわけではないというのが本田さんの立場)、一気に「高周波音で万病を断つ健康法」などという民間療法に直結かねない点。高価で実はいい加減な音源と再生システムを売るような業者が出てくるかもしれない。ほかの方面でも、短絡的で効果を期待できない健康ビジネスに直結する可能性は見ておいた方がよいだろう。
さらに、2点目。熱帯雨林の環境音が「究極のハイパーソニック・サウンド」だとしても、それを「人類が進化したのは熱帯雨林だから」と語るのは、かなりロマンティックすぎると前にも指摘した。この言説は、進化生物学や人類学の専門家からすれば「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」程度の話であろうし、一方で、原始状態の礼賛、反文明主義的な態度と容易に結びつきそうだ。たとえば、無農薬有機農法しか受け付けないとか、問答無用でワクチン全否定とか、下手をすれば、地球温暖化が進んで日本が熱帯雨林になればいい! などと考え始める人たちが出てくるかもしれない。
そのあたりはどうなのか。
「それはね、僕もすごくよくわかります。で、結局この問題を語るときに脳科学がなぜ必要になってくるかっていう話になってくると思うんです。たとえば自殺する人が増えているからといって、じゃあ、みんなで森に住みましょうとかといっても、現実問題としては何の解決にもならないですね。日本全土を熱帯雨林化しましょうとかって言ったって、それは現実性があるんですかって。それに熱帯雨林で寝てるとすごく快適だけど、蚊だけは嫌だし(笑)。マラリア媒介するのとかいっぱいいますから。アフリカ行くときなんか予防の薬を飲んだり、あれこれ大変でした」
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : 考える脳・動かす脳・感じる脳(4/5)
Ω・Ω・Ω 「協調と制御」領域=本田 学= Ω・Ω・Ω
(3)「動かす脳」の障害は「考える脳」の機能低下につながる
「考える脳」と「動かす脳」が大きな共通項をもっているとすると、これまで「動かす脳」の障害と考えられてきた多くの運動疾患で、なんらかの認知機能が低下している可能性が強い。実際、運動制御の重要な中枢である小脳が障害されると、運動失調以外にもさまざまな認知機能障害が生じることが報告されている。
私たちは典型的な運動疾患のひとつであるパーキンソン病の患者さんで運動速度が低下する、すなわち運動パラメータの更新速度が遅くなることに着目し、同様の症状がメモリー空間に展開した表象を更新するときにも認められるのではないかとの予測のもとに、パーキンソン病における認知操作速度を評価した。
運動制御の要素を排して認知的操作速度を評価する課題を開発し、文字列表象と空間表象とで認知的操作速度をみてみたところ、パーキンソン病の場合、いずれの種類の表象操作でも速度が遅いときには良好な成績を示すのに対して、速度が上昇すると対照群よりも有意に成績が低下することがあきらかとなった。さらに文字列表象と空間表象とを比較してみると、更新操作速度の低下は文字列表象でより顕著であった。このことは、先の研究で文字列表象の操作が「動かす脳」の中でもパーキンソン病で障害される大脳基底核や補足運動野に依存していることとよく対応する。
さらに心内表象操作課題をおこなっているときの脳活動をポジトロン断層撮像法をもちいて観察することにより、パーキンソン病における表象操作速度の低下が大脳基底核尾状核頭部の活性障害に起因することを実証的に明らかにした。
環境を「感じる脳」による行動制御
私たちはこれまでに楽器音をつかって、人間の可聴域上限をこえる高周波成分が視床と脳幹を活性化し、音を快適に感じさせる効果をもつことを報告してきた。本研究では、こうした知覚限界を超えた情報と環境、そして行動制御との関連について検討をおこなった。
こうした知覚限界を超える音成分が、人類の遺伝子が進化的に形成されたと考えられる熱帯雨林の環境音にも含まれているかどうかを検証した。その結果、熱帯雨林の自然環境音には、人間の可聴域上限の 20kHz を大きく超え 100kHz に達するような高周波成分が顕著に認められることが明かとなった。さらに最大エントロピー法を応用した手法をもちいて20msecごとのパワースペクトルを求めて時間的変化を観察してみると、複雑に変化するミクロなゆらぎが顕著であった。一方、都市の環境音を記録してみると、可聴域帯域では大きなパワーを示す一方で、周波数の上限が20kHz を超えることはきわめて稀であり、時間的にも極めて乏しい単調な変化を示していた。これらの結果は、環境音の物理的特性と、人間の行動制御との関連を考える上で重要な意味をもっていると考えられる。
・・・・・・・・明日に続く
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