◆ オランダ在住のユダヤ人の少女が屋根裏部屋で日記をつけ始める。(1942年)三日坊主になるどころか、結果として世界史的な記録となるとは当の本人も自分の運命も含めて予想できなかった。
◆ 宮城県沖の海底が揺れしっかりとしたブロック塀を造ることの重要さを人々が認識する(1978年)。
◆ Wで選挙を掛け持ちしていた鈍牛総理、自らの党を勝たせるために敢えて生贄となる。(1980年)
本日記載附録(ブログ)
ロシアがウクライナに侵攻した背景とその行方を広厚に理解すべく、旧ソ連諸国紛争や「未承認国家」「ハイブリッド戦争」の著作
日本の政治学者=国際政治・比較政治学・コーカサス地域が研究テーマ
=黒海地域の国際関係・政治経済変動などが主な業績=
研究課題“ロシアのハイブリッド戦争とその影響”/‘14年12月以降 継続中
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
廣瀬陽子(13/nx)
◇◆ 第5回 NATOとロシアの対立を深めたコソボという「パンドラの箱」 =2/3= ◆◇
「多分サーカシビリ大統領は、ジョージアが戦えば絶対にアメリカがサポートしてくれると信じていたんですね。当時のアメリカのブッシュ大統領も確約はしてなくても、支持を匂わすようなことを言ったんじゃないかと思うんです。戦争勃発直前に、アフガニスタンでのNATO軍の活動を支援するために入っていたジョージア軍を米軍機がジョージアに連れて帰ったりもしていましたし、戦争開始についてもおそらく知らされていたはずです。それですっかりジョージアはやる気になって先制攻撃をしかけて、玉砕しました。そして、結論としては、ジョージアの領内にある『アブハジア』と『南オセチア』をロシアが国家承認して、ジョージアは不本意な停戦を受け入れざるを得なくなって今に至っていると言えます。その後、ロシアは2つの未承認国家を順調にロシア化してきたので、今はほとんどロシア領といっていいような状況になっています」
ここで疑問が生じる。
未承認国家は、「未承認」で有り続ける方が、ロシアとしては、都合がよいはずだ。ひとたび国家承認してしまえば、ロシアにとっては「アブハジア」「南オセチア」も主権国家になり、「ジョージアの国内」ではなくなるから、ジョージアへの揺さぶりもかけにくくなってしまう。また、ロシア国内で少数民族が分離主義的な意向を持っている場合も多いわけで、「アブバジア」や「南オセチア」を国として認めることは、そういった地域を刺激することにもつながりかねない。
「それについては、実は、東欧のコソボ問題、もっと言うと1999年のユーゴスラビア空爆あたりからの経緯を考える必要があります。NATOによるユーゴ空爆は、国連安保理決議もなければ、ロシアへの相談もなく、西側の一方的な決定によって行われたものなので、ロシアはその展開にかなり激怒しました。捏造の理由によって強行された、とまで批判しています。あのあたりから反欧米機運が高まってきたと思っています」
旧・ユーゴスラビア社会主義連邦共和国は、冷戦終結後に民族主義的な分離独立運動が盛んになり、激しい内戦を経験した。マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、スロベニアといった構成共和国が独立して、残されたセルビアとモンテネグロは、ユーゴスラビア連邦共和国を名乗った(さらに2003年にセルビア・モンテネグロに改組・改称し、2006年にはモンテネグロが独立して、旧「連邦」は完全に解体した)。
1999年のユーゴ空爆は、ユーゴスラビア連邦内のセルビア共和国にあった、未承認国家「コソボ」(独立宣言は1991年)に関係している。NATOは、武力衝突が激化する中で、「コソボ」の大半を占めるアルバニア人の人権擁護という理由で、空爆に踏み切る。これはNATO域外への介入であり、また、国連安全保障理事会の決議も経ていなかったため、大きな議論を巻き起こした。また、ロシアにしてみれば、自らの「頭越し」に、東欧で「好き勝手」をやられたと受け止められる要素が多かった。
「その後、欧米各国は、ユーゴスラビア連邦が解体した後も、『コソボ』にいろいろ介入して、2008年にはコソボ共和国を国家承認してしまうんです。本来、ユーゴスラビアを含む、冷戦時代の連邦、つまり、ソ連、ユーゴスラビア、チェコ・スロバキアが解体したときには、連邦を構成していた共和国の国境線をそのまま国境と見做す『ウティ・ポッシデティス』を採用することとなっており、ロシアも欧米も応諾したはずだったんです。それなのに『コソボ』の独立を承認したということは、・・・・・・・・
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
【参考資料】 : 「自分の長年の研究は何だったのか」/廣瀬陽子(2/3)
Ω・Ω・Ω クライナ侵攻を予測できず悔やんだ。それでも研究を続ける理由とは? Ω・Ω・Ω
研究は戦争を止められないのか|メディアセンター所長/総合政策学部教授 廣瀬陽子
2月24日、目覚めると世界が変わっていた。ロシアがウクライナに侵攻し、全く大義のない戦争が始まったのだ。そして、その日、私は重要な研究対象の一つを失い、これまでの研究人生で構築してきたセオリーは水泡と化した。
私は旧ソ連地域をフィールドに地域研究、国際関係を研究してきた。そして研究の出発点は、旧ソ連の紛争を解決するための研究を行いたいという気持ちだった。そして、アルメニアとのナゴルノ・カラバフ紛争を抱えていたアゼルバイジャンに留学もした。
旧ソ連の紛争を紐解くにはロシアの行動が重要だということから、旧ソ連の小国からロシアの外交政策を検討してきた。そのプロセスの中で、国家の体裁を整えながらも国際的に承認されていない「未承認国家」をロシアが近い外国(ロシアにとっての旧ソ連諸国)を勢力圏に置くために利用していることから、未承認国家の研究を深めた。
また、ロシアの周辺国がロシアと欧米、そして中国の狭間でバランス外交を強いられ、しかしそのバランスを崩すと、つまり親欧米になりすぎるとロシアから懲罰を受けるという「狭間の政治学」という考えを打ち出した。さらに、ロシアが勢力圏を維持するため、また勢力圏を脅かす欧米に対峙するためにハイブリッド戦争を利用しているということで、近年ではハイブリッド戦争の研究に注力してきた。
これらの研究成果に基づけば、ロシアがウクライナに侵攻するはずはなかった。紛争勃発前夜まで、私は「侵攻はない」と自信を持って主張していたのだ。しかし、侵攻は起きてしまった。その時、「私が知っている」ロシアは消滅し、私が構築してきた議論も崩壊した。自分の長年の研究は何だったのだろうか、そして人間は戦争を防げないのか、という絶望的な気持ちに苛まれた。
だが、この戦争勃発で、茫然自失となっている社会科学研究者は少なくないらしい。たとえば、相互依存論で平和が維持できるとしていた論者は、相互依存状態が戦争を防がないという現実に衝撃を受けているという。また、核抑止論者は、核は戦争の抑止にならないばかりか、核を持つ好戦国が戦争を起こせば、その核が他国の介入をも抑止してしまうという現実に打ちひしがれているという。このような例は枚挙にいとまがないだろう。
それでは研究は戦争を止められないのか...。残念ながら止められないことは、今回の顛末からも明らかだ。
・・・・・・・・・続く・・・・・
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https://youtu.be/30AbCuWOkKE == 【キーウ・ルーシ/キエフ公国】ロシアとウクライナ、歴史の始まり ==
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