ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月20日<ⰧⰊⰧ ◆ ヴァスコ・ダ・ガマ、海には涯がないとインド西岸のカリカット(コーリコード)に到達(1498年)。知るや知らずや大航海時代の幕を開けた。 ◆ デトロイト生まれの青二才が飛行機でアメリカ合衆国から大西洋の遥か彼方へ飛んで行って、翌日にはパリに到着し一躍ヒーローに(1927年)。5年後には飛行機バカの三十路女が同様の快挙を成し遂げヒロインとなった。 ◆ 岸信介が、アメリカ合衆国からの独立を図ろうと従属色の強い日米安全保障条約の改定を強行採決。しかし愚民たちはハンタイを叫ぶだけだった(1960年)。ゴッドファーザー岸が一門だけでなく日本を仕切っていく。
本日記載附録(ブログ)
アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。
防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。
『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。
”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
参考資料: バッタに人生を捧げます!!
番外編 ;前野ウルド浩太郎(26)
◇◆ 天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所" ◆◇
2人のウルド(後篇)―この名に誓う―/ 2_「野生のバッタを知らずに何ができるというのだ」
「コータロー。毎月大量のバッタの論文が発表されるが、この人たちの研究成果が一体防除の何の役に立つというのか。オレは見る気もしないのだよ。誰も防除のことなんか考えていない。彼らはサバクトビバッタが生息していない国の、しかも屋内で観察していて、野生のバッタを知らずに何ができるというのだ。誰も、誰も本気でバッタの問題を解決しようとしていないのだよ」
所長は寂しげに答えてくれた。世界中でバッタ研究が活発に行われていることを現地の人たちは喜んでいるものとばかり思っていたので、驚いた。世界の学術研究と飛蝗害に苦しめられるアフリカの現場との間にはギャップがあったのだ。
私は屋内で実験をした経験もある。モーリタニアで新たに屋外での調査も経験し、そして所長の本音を聞けたことで今までのバッタ研究に欠けていたものが見えてきた。これまでにも外国のバッタ研究者がアフリカを訪れて研究した例は多くある。だが、そのほとんどは短期間で、自分たちが机の上で考えた仮説を検証するためにやってきており、長期に渡って現地で問題を汲み取ろうとした者がいなかったのではないか。これこそが、今までバッタ問題が解決されていない理由なのでは。そして、このギャップを埋め、お互いの良いところを分かち合うことができるのが、ウルドを名乗る私なのだ。しかも私はそれを大喜びでやれるのだ。
ある日、いつものように所長室に行くと深刻そうなババ所長。
所長「今度、中国で開催する国際バッタ学会なんだけど、ちょっと行けなくなったわ」
それは私も同行する学会のことだった。
前野「えー、マジすか? 予定してた2つの発表どうするんスか?」
所長「1つめはシンポジウムの企画者に代打をお願いしたんだけど、2つめをどうするか悩んでるんだよ」
お世話になっている所長が困っている。ここはオレがやるしかないでしょう。たとえ、すでに自分の発表が2つあるとしてもやるしかないでしょう!! 国際学会なので発表は英語というハードルがあり、自分自身のことで手一杯だったが、覚悟を決めた。決めた上で、もういちどだけ訊いてみた。
前野「所長が参加できないとみんな寂しがると思います。もう一度考え直してくれませんか?」
所長「今回は本当に無理なんだよ」
「南無三」と心に掛け声をかけて、私は言った。
前野「自分、英語ショボイんですけど、もし可能だったら、喜んで代打します」
所長「本当か! 良かった! これで悩みは解決だ! 任せたコータロー・ウルド!」
私の英語力は話す前からすでに「手負い」。私は3つの発表を無事にこなせるだろうか。
砂漠のプレゼン特訓 / 1_この名に誓う
--- 一度の学会で1人で4本発表するというのは、とんでもなく多い部類に入るのですか。
前野「とんでもなく多い人です。急に話すことになったものが多かったので、自分、大パニックでした」
以下が、今回博士が発表した4本だ。
[1]誘致プレゼンテーション
次回(2016年)の国際バッタ学会をモーリタニアで! というアピールとロビー活動。今回参加できなかったババ所長の代打。
前野「国際バッタ学会は毎回大陸を変えて開催されます。前回、トルコで開かれたときもモーリタニアは立候補したんですが、中国に敗れました。今回のライバルはブラジルです。ほとんどオリンピックです。これから1年かけて開催地を決めていくことになります」
[2]フロリダのドクバッタ野外調査発表
アリゾナ砂漠でバッタ研究をしていた文通相手のホイットマン教授(イリノイ大学。国際バッタ学会の編集長)と2カ月前にやったRomalea microptera(通称・ドクバッタ)共同野外調査の発表。
前野「壇上には自分だけです。最初は自分、発表の予定がなかったんですが、ホイットマン教授が『コータロー、あれ、発表してよ』と。ただ、いつか使おうと思って、いっぱい写真やビデオは撮ってあったので、それをつなぎ合わせて、なんとか」
[3]バッタと宗教と文化
本来ババ所長が発表するはずだったもの。スライドは所長が用意したが、代打・バッタ博士はバッタの群れが登場する日本のマンガを紹介するという技をやらかす。石渡治『B.B』、船戸与一原作、柳澤一明画『山猫の夏』、酒見賢一原作、森秀樹画の『墨攻』……。紀元前3世紀の中国戦国時代を舞台とする『墨攻』では、人為的に飛蝗群をつくり、生物兵器として使う陰謀が描かれる。ええっ、そんなこと考えたことなかったよ……とどよめく会場を埋める世界のバッタ学者たち。次の瞬間スクリーンに映る、ぎっしりと描かれた大量のバッタ飼育箱。博士はここで叫ぶ。
「『ウエポン!』」
ここで場内は大爆笑になったという。よかったよかった。
[4]サバクトビバッタの飢餓耐性に関する研究
前野「昨年6~9月、フランスCIRAD(農業開発国際研究協力センター)に留学したときに手掛けたもので、自分が昔から続けてきたテーマの一つ『エサがないときに、サバクトビバッタはどうしているのか』という研究です。これが自分の本業です。サバクトビバッタの研究者として名前を売りたいので、これはなんぼ忙しくてもやらなきゃいけないだろう、と意地でやりました」
次回は“砂漠のプレゼン特訓 / 2-名づけて「シャドー・プレゼンテーション」に続く・・・・・
⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡
https://youtu.be/DK8_IYYjBT8 == Locusts destroying crops and leaving farmers helpless in Kenya ==
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/817a8ab249cc9bbc352a05c287d68348
後節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/ 学461 /e/xxx
----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/
【壺公夢想;如水総覧】 :https://thubokou.wordpress.com/
================================================
森のなかえ
================================================