ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月10日<ⰧⰊⰧ ◆ 五月病の流行が始りだす220年前、ルイ16世がフランス王に即位(1774年)。マリー・アントワネットとの結婚4年目であった。が、子作りの方法を知らなかった国王・王妃は祝賀に表敬した義兄・ヨーゼフ2世より子作りの仕儀を授けられたという。 ◆ ドイツ各地でナチスの気に入らない国民にふさわしくない本を薪代わりにしたキャンプファイヤーが開催される (1933年=焚書が公開=) 。 ◆ 平沢貞通が、刑の確定32年と2日で幽体離脱して刑務所を出る1987年) 。
本日記載附録(ブログ)
アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。
防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。
『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。
”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う
前野ウルド浩太郎(18) ◇◆ 第6回 バッタ博士の研究に「アフリカじゅうが期待をしている」 =3/3= ◆◇
実は、前野さんは、来る4月から京都大学の白眉センターの助教の立場で、5年間、学生に指導する義務なしにひたすら研究することが許される。バッタが出る時期はモーリタニアにいて、シーズンオフには京都でデータをまとめ論文を書き……という学究に専念できる時期がとれそうだ。これまで論文にまとめていなかった成果を次々と発表してほしいし、また、フィールドではさらなる研究を進めて欲しい。
ところが、意外なことに前野さんから、最初に出てきた言葉はこんなふうだった。
<「3年間このモーリタニアにいて、自分の力不足をものすごく感じました。研究する能力であったり、必要最低限の経済力とか、いろいろ。その中で、特に現地の人たちが持っている知識や経験が宝箱と気づいたんですが、それを開けるための鍵を自分が持っていない。例えば言葉です。自分のフランス語では、話を引き出せない。言語という鍵を持っていない。文化や歴史、宗教も含めて、教養的な部分を、一から鍛えたい。それで、現地の人と心通じ合うことで信頼を勝ち得て、新しいサバクトビバッタの問題点を見いだしていく必要があると思っています。今度、京大でいろんな分野の人たちと、一緒にいろいろ仕事なり、話ができる環境に行けるのは、願ったりかなったりです」
昆虫学の研究者が、アフリカのフィールドに飛びだして見つけた課題が「教養」だったというのは、肝に銘じるべき至言かもしれない。
その一方で、長期的には、前野さんの「野望」は収集がつかないほど広く深い。
「1945年にイギリスにバッタ研究所っていうのができまして、20年近くにわたって行われた研究が、今でもバッタ学の基礎となってるんです。そのときに例えば幼虫の体色だったらこの人、形態だったらこの人、行動だったらこの人みたいな、レジェンド的な先駆者たちがいました。その研究の伝統がいったん途切れてしまっている部分があるので、それを自分は全部カバーして、あらためてサバクトビバッタ研究の基礎を立て直したいんです!」
さりげなくも、欲張りな野望だ。さらに言う。
「今まで、研究者の成果っていうものは、論文の形になって初めて人前に出てきたわけですが、自分は、研究者の研究している姿、どういうふうな思いで研究してるのかですとか、そういうドラマチックなプロセスもみんなに知ってもらいたいんです。そして、より身近にサイエンスを感じてもらいたい。京大の白眉センターの5年間はまだ基礎固めで、レジェンドたちの研究を全てカバーしきれないと思うんですが、いつかそれもきちんとやっていきたいんです」
野望は果てしない。5年後、10年後の前野さんは、何をしているのだろうかと、本当に楽しみだ。ぼくとしては、砂漠のフィールドで昆虫を見て、疑問を次々と解決していく昆虫探偵、ファーブルのような研究者になっていただけたら、と期待すること大なのである。
次回は“サハラ砂漠の華麗なムシたち ゴミムシダマシ・フンコロガシ編”に続く・・・・・
…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!! ……
天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"
道具がない!――手づくりの武器で闘え / 1- 100万円の装置が使えない
バッタがいないという非常事態を乗り越えるため、「浮気作戦」を採り、ゴミムシダマシ(ゴミダマ)を研究することになった私(前回参照:http://president.jp/articles/-/9923)。性別判定の論文を書くために読んだ文献から、ゴミダマとサバクトビバッタには実は深いつながりがあることを発見。現地では、バッタを退治するために殺虫剤を散布するのだが、その後に殺虫剤による環境汚染の程度をゴミダマの数で評価しているそうだ。
ゴミダマは翅が退化し飛べないため、移動範囲が限られており、環境汚染の指標として好ましい。以前の研究では、数を調査するのに目視か落とし穴を仕掛けていたが、重要なことが見落とされていた。それは、「いつ」調査するかだ。ゴミダマには昼行性の種と夜行性の種がいる。夜行性の種を昼間に調査すると当然いない。そこだけを見てしまうと、深刻な環境汚染が起こっていると誤解する恐れがある。つまり、きちんと数を調査するためには、調査地域に生息するゴミダマがいつ、どのように活動しているのかを明らかにする必要があるのだ。
しかし、モーリタニアのゴミダマが実際にいつ、どのように動くのか、そこを調べた研究はなかった。今回観察したゴミダマは夜になるとどこからともなく現れ、サハラ砂漠でうごめいていた。研究者は経験ではなくデータで語る必要がある。うし、夜行性であることを証明する実験を組んでやるぜ!
昆虫の活動量を測定するときは、赤外線ビームを使った装置がよく使われる。昆虫を容器の中に一匹入れ、容器中央を横断するレーザーを遮断した回数を自動で記録するのだ。遮った回数が多ければ、活発に動いていることを意味する。私もバッタの活動量を測定するために使用したことがあるが、その装置は100万円近くもした。こういった特殊な装置や設備に頼った研究は、正確かつ楽に作業を進められる反面、どこででもできるわけではない。しかも、私の職場のモーリタニアでは頻繁に停電するため、電気を使った長期に渡る実験を行うのが難しい。こういった悩みは私に限らず、モーリタニアの研究者も抱えていた。
・・・・・・・・明日に続く
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https://youtu.be/n8MNKnkYtUc == Locusts and Grasshoppers | Things to Know ==
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