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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(19/nx)_学究達=453

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月11日<ⰧⰊⰧ ◆ 日本最初の男性アイドルグループ「新撰組」副リーダー、土方歳三が函館で死去 (1869年) 。◆ 大阪のキタとミナミを貫く大通りが完成し、ナニワっ子がぶらつき始める(1937年)。◆ 現世利益を謳った新興宗教・ねずみ講が非合法化 (1979年=無限連鎖講の防止に関する法律施工)。

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

番外編“サハラ砂漠の華麗なムシたち”

前野ウルド浩太郎(19) ◇◆ サハラ砂漠の華麗なムシたち ゴミムシダマシ・フンコロガシ編 ◆◇

本編では紹介できなかったが、サハラ砂漠で出会った、サバクトビバッタ以外のムシたちとの出会いを。

ゴミムシダマシ

 実は、前野さんは、砂漠にバッタがいない時期、ゴミムシダマシの研究にも手を伸ばした(今も継続している)ため、ゴミムシダマシには思い入れが深い。

「砂漠に行ってもバッタがいなくて「ちくしょう」というかんじで、夜、寝ていたら、ゴミムシダマシがワーッって群がってきたんです。夕食で残ったパスタを捨てたんですけど、それに群がってきて。わあ、何だこいつらって思って、それが、すごい数だったので、こいつらを使って研究してやれ、と研究所に持ち帰ったんです」

 ゴミムシダマシは一度、きちんと食事すると、その後何カ月も絶食できるという。砂漠の過酷な環境で生きのびるための行動、食べ物に遭遇したらどうするか、といった部分に前野さんは興味を持ち、研究をしているのだが、とりあえず、論文になっているのはその前哨戦の部分だ。

「実は、この昆虫、形態からは、オスメスの区別がつかなかったんですね。研究室でもスパゲッティを与えて飼育していたら、腹いっぱい食べて、おなかの中から外部生殖器がはみ出してきたやつがいたんです。「あっ、これ」と思って、頭を上から押してやると、お尻の先からピョッと生殖器が出て、あ、これでもう解剖して殺すことなくオスメスの区別ができるぞというのに気づきました。アメリカの昆虫雑誌に論文を出したら受理されて、知り合いのアメリカの先生に『私は長年昆虫の研究をしているが、虫にスパゲティを食わせたやつを初めて見た』なんて言われましたね」

フンコロガシ

 どことなくゴミムシダマシと雰囲気が似ているが、知名度としてははるかに上だろう。ファーブルといえば、フンコロガシ! と思っている人もいるに違いない。

 これが、よくよく見ると面白い形をしている。例えば、前肢の先が千切れたようになっているのだが、本当に千切れてそうなっているのか、羽化した時からそうなのか、ファーブルも疑問に思って調べたそうだ。

 そして、前野さんがフィールドでフンコロガシに出会うたびに感じるのは「ジンセイ」だそうだ。

「フィールドでは、朝、人目につかないところまでいって野糞をするんですけども、すると、フンコロガシがすぐ飛んでくるんですね。で、いち早く飛んで来たやつは、一番いいところをこう、適度な大きさにまとめて、玉にして颯爽と持っていっちゃうんです。でも、後から来たやつは、先に転がしてるやつを襲って、奪おうとするんです。それで、ある程度行ったら穴を掘って、自分の糞球を埋めるんですけども、埋めている間に他の個体がそこに来て、横取りしたりとか、油断大敵っていうか、本当、人生はシビアだなというふうに思います。あと自分のうんこを奪い合ってるシーンを見るのは、かなりせつないものがあるなあというか、本当に砂漠って過酷な環境なんだなとか、思い知ります」

“サハラ砂漠の華麗なムシたち ウスバカゲロウ・タマムシ編”に続く

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

道具がない!――手づくりの武器で闘え / 2- 実験装置を50円でつくる

以前、モーリタニアの農業にたずさわる研究者と雑談していたときのこと。

「ちぇっ 日本はなんでもあるからいいよな。どーせここには優れた設備はないよ。でも、おれたちも自分の力で研究がしてぇんだよ!」と熱き嘆きを吐き出していた。確かに日本は物に恵まれている。だが、私が日本人だからといって金や物にばかり頼って研究してきたと思われては心外だ。日本人にだって金がない者はいるのだ。

俺だ。

そしてそんな俺は、金や物に頼らず、アイデアで勝負するという方法を学んできたのだ。モーリタニアの友よ、今、その証拠を見せようではないか。

もし自分が制限された環境下でも研究することができれば、きっとそれはモーリタニアだけではなく、物資に恵まれない世界中の研究者たちを勇気づけることができるのではないか。志高く、「いつでも、どこでも、誰にでも」作れて使える行動記録装置を開発するという試練を己に課した。

とりあえず、どんな物資が手に入るかモーリタニアのDIY (Do it yourself: 自分でやりな)、つまりホームセンター的なお店に行ってみることに。土地が変わると売り物も売り方も変わっている。ここでは、雨が降らないことをいいことに中古の段ボールから冷蔵庫まで道で売っていた(店内販売もやってます)。

ひと通り散策した結果、自分が置かれている状況を理解できた。DIYショップがないやんけ! ぬぅ、予想以上に物資が制限されていて、これは手厳しい。私ごときに開発できるだろうか。逃げ出したくなったが、小さい頃からモノ作りの楽しさを教えてくれた神様(ゴン太君)が励ましてくれた。「できるかなじゃねーよ! やるんだよ!」そうだ。私はポスドク。立ち止まることを許されぬ身分。困ったときは初心に帰ろう。

ゴミダマと初めてサハラ砂漠で出会い、一夜を共に過ごし、迎えた朝を思い出す。枕元の砂丘は彼らの足跡で覆い尽くされていた(←調査中は野宿ッス)。そう、砂漠では砂に残された足跡を見れば、ヘビやトリなどどんな動物がいつ、どこを歩いていたかわかってしまうのだ。そうだ! 砂の上に残ったゴミダマの足跡をチェックすれば、いつ動いているかわかるはず!

同じ大きさの長方形の使い捨ての深底のお皿(プラスチック製)を、向かい合わせにくっつけてホッチキスで端を留め、天井をくりぬいて上から観察しやすい容器を作り、その中に砂を敷き、そこにゴミダマを一匹解き放つ。ティッシュ箱くらいの大きさだ。足跡はもちろん残るし、容器を軽くシェイクすれば砂上の足跡は消え、簡単にリセットできる。ゴミダマは昼間地面の穴の中に隠れているので、隠れ家として穴に見立てた水道用のパイプも入れる。容器、パイプ、ホッチキスの針、砂、しめて50円と驚きの安さだ。

肝心の自動記録装置だが、これはまったく問題ない。必殺「人間レコーダー」を繰り出し、私が人力で[1]動いている(ゴミダマを直接観察)、[2]動いていた(足跡を観察)、[3]不動(足跡なし)のいずれかを自分の目で観察すれば大がかりな装置など不要である。

実は、現代の昆虫の実験は屋内で行われることが多い(私も日本ではそうだった)。屋内での実験は、気象条件(温度、湿度、日照時間など)を人工的に制御でき、いつも同じ条件で効率良く実験できるというメリットがある。ところが屋内では、強風が吹き荒れ、一日のうちに30度も変化するサハラ砂漠の気象条件を完全に再現するのは難しく、今回のように野外でゴミダマがいつ動いているのかを知りたいときには、現場という名の屋外で観察するのが自然だ。これが私にとって初めての野外での実験になるのだが、さぁ やってみよう!

明日“奪われた成果―バッタ博士を襲う黒い影”に続く・・・・・

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https://youtu.be/X4XGBBYQqkg  == ‘Biblical’ Locust Plague With Swarms the Size of Cities Devastates East Africa ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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