ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月08日<ⰧⰊⰧ ◆ 神憑りに遭った一少女が率いるフランス軍が、海峡の向こうからやって来た野蛮人を撃破しオレルアン市を解放 (1429年) 。 ◆ オタクの痛い言動・行動を「イタイイタイ病」として公害病に認定 (1963年) 。 ◆ 労働者からも資本家からも疎外されがちなサラリーマンよ団結せよ!とサラリーマン新党が結成される (1983年) 。
本日記載附録(ブログ)
アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。
防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。
『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。
”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う
前野ウルド浩太郎(17) ◇◆ 第6回 バッタ博士の研究に「アフリカじゅうが期待をしている」 =2/3= ◆◇
前野さんは研究者として砂漠にやってきて、防除チームから多くのことを学んだ。そもそも、彼らが砂漠でバッタを見つけてくる。こういう時にはこういう場所にいるとか、こういう動き方をする、といった基本的なことは、日々の体験として知っている訳だし、彼らの導きがあって、はじめてフィールドに向かうことができる。
一方、前野さんは、いずれ研究成果が防除のために役立つと期待されている。研究所のババ所長によれば「アフリカじゅうが期待している」のである。
では、実際、前野さんの研究は、現場にどのようなフィードバックをもたらしているのだろうか、あるいは将来、もたらすと期待できるのだろうか。
「基本的には、最初は教えられることばかり多くて。でも、彼らが、経験上知ってることに、自分が付け加えることもあるんです。例えば彼らは孤独相はずっと孤独相だっていうふうに信じてるんです。それで、自分が実験室で研究した結果では、その孤独相でも混み合うと大きな卵を産んで群生相が出てくるんだぞって言うと、いや、そんなわけはない、と最初はなるわけです。でも、実験結果とか示すと、「ああ、マジか、そんなの知らないぞ、野外でもありえるな。浩太郎、もっと教えてくれ」みたいなかんじになっていくんです」
孤独相のメス成虫が、混み合いを経験すると、群生相になる卵を産むことを明らかにしたのは、前野さんの実験室での大きな成果だ。これを知っているか知っていないかでは、警戒すべき範囲が違ってくる。
そして、さらに将来に向けて、より防除に有効な研究はできるだろうか。前野さん自身、サバクトビバッタの相変異の秘密を解き明かしたくて、実験室で、また、フィールドで研究を続けているわけだが、現地を知れば知るほど、「防除に役立つ研究を」という思いは高まっている。
「夜、木や草に潜むのは、もう分かっているんですね。そこに薬剤を撒いたらどうなるかですとか、ババ所長に1回実験やってみたいと言っているんです。今は、昼間、動いてるやつに撒いているわけですけど、夜は動かないし逃げないし。防除をやっている人たちは、木が邪魔をして薬剤が入り込まないと言っているんですけど、丹念にやればずっと効率的かもしれない、と」
その上で、前野さんがフィールドで、これから目指すこと。
・・・・・・・・明日に続く・・・・・
…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!! ……
天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"
仕事がない! ならば仕事を作ってみよう / 2- 「バッタへの愛」はひとまず脇に置いて
ヒーローのすごさは平和なときはかき消されるが、ピンチでこそキラリと輝く。今回の「バッタ失踪事件」は、己の運の悪さを呪うのではなく、「自分、こんなこともできるッス」と、むしろ自分の昆虫学者としての能力を学会にアピールする絶好の見せ場になるはず。大人の階段登ってやるぜ!
私がとった作戦は「浮気」。バッタには悪いが別の虫を研究し、それで研究成果を上げる寸法だ。これならバッタがいなくても問題ないし、バッタ以外の昆虫も研究できる能力を持ち合わせていることをアピールできる。
目をつけたのはサハラ砂漠で大量に目撃される黒い昆虫、ゴミムシダマシ(通称:ゴミダマ)。ゴミダマに狙いをつけたのは、砂漠を代表する虫として研究者の間では知名度が高かったこと。その割には謎があるということ。そして、大量捕獲できるからだ。実験するためには大量のサンプルが必要になるので、打ってつけだ。野外調査中に食事の残りを地面に放置しておくと、彼らがわらわらと寄ってくる。ソースをかけていない素のスパゲティにさえ大量に集まってくるので、傍らに落とし穴を掘っておけば穴が真っ黒になるほどトラップできる。
論文を書くためには謎を解いて新発見をする必要がある。とはいえ、狙って新発見できるものでもない。大量の論文を読み漁り、「あっ コレやられてないや」と「隙間」を見つけるのも一手だが、単純に自分が不思議に思ったことを研究する「ファーブル流」のやり方もある。ただ、すでに謎が解かれていたら、二番煎じとなり、論文発表するのは難しい。研究者には「知識」、「謎に気づくセンス」、「新発見したいという強い想い」が求められているのだ。
私はゴミダマ素人のため「隙間」を知らないので、今回はファーブル流でいくことに。何か面白い謎がないものかとゴミダマをうっとりと眺めていたところ、外見から雌雄の区別がつかない「謎」に気づいた。解剖して生殖器を見ないと性別判定できないので、これでは雌雄を分けて行う実験ができないではないか。どうにかして生かしたまま性別判定できないものかと舐めるように観察していたところ、ゴミダマがエサのスパゲティを腹一杯食べると、腹部の先から生殖器が少しはみ出すことに気がついた。ゴミダマは、腹がはち切れるほど「食い溜め」し、膨れた内臓が生殖器を押し出したようだ。さらに指で頭を押しこんでやると完全にはみ出した! ゴミダマの「食い意地」を利用すれば、殺さずに性別判定できる。
恐る恐る、この発見をアメリカ昆虫学会誌(1.317ポイント)に論文投稿したところ、私の通算24報目の論文として受理された。[Maeno, O.K., Nakamura, S. & Babah, O.A.M. (2012) Sexing live adults of the three species of darkling beetle (Coleoptera: Tenebrionidae) and morphological characteristics 雑誌名:Annals of the Entomological Society of America 105, 726-730.]
逆境の中、業績も生み出せた。そして私は、バッタ以外の昆虫も研究できる浮気なバッタ野郎へと成長できたのである。
・・・・・・・・明日に続く
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https://youtu.be/FxqgBWxLZa0 == The Great Kansas Grasshopper Plague of 1874 ==
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