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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(16/nx)_学究達=450

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月07日<ⰧⰊⰧ ◆ 新治県であるチバラギが分割され、茨城県と千葉県による搾取が始まる(1875年)。◆ 聖徳太子が役人の体たらくに我慢出来ず、「十七条憲法」で生活習慣の改善を求めた(604年)。◆ ソビエト連邦を文字通りぶっ壊した酔っ払い親父の後始末を行うため、スパイ上がりの男がロシアのトップに(2000年)。酔っ払いおやじのお友達は当初与し易しと思っていたが、何時の間にか自分たちが粛清されました。=ウラジーミル・プーチン外伝=

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う

前野ウルド浩太郎(16) ◇◆ 第6回 バッタ博士の研究に「アフリカじゅうが期待をしている」 =1/3= ◆◇

 前野さんが所属しているモーリタニアの国立サバクトビバッタ研究所(=防除センターでもある)は、飛翔能力がある成虫になる前に幼虫を防除することで、大発生を抑え込もうとしている。これは、国連食糧農業機関FAOが推奨する方法でもある。

 前野さんの研究拠点でもある本部から、常に防除チームが砂漠に遠征しており、ぼくが訪ねた11月時点で、長い人では4カ月、つまり7月からずっと砂漠暮らしを続けていると聞いた。

 ぼくがフィールドを訪ねた2日目。薄曇りながら、朝から太陽の熱を感じる程度には天気が戻ってきた。前々日は雨でサバクトビバッタの幼虫がシェルターから動かず、前日は風が強くて薬剤散布がままならなかった(おかげで、我々はたくさん観察できた)。3日ぶりに、やっと、防除活動ができる日がやってきたのだった。

 前の日に会った時には、リラックスムードだった防除チームだが、この日は朝から、キリッと準備に余念がなかった。

ピックアップトラックの荷台には、薬剤のタンクと空中噴霧器が取り付けられている。ここで使われているのは、超低量(Ultra-Low Volume) 散布 という技術だ。サバクトビバッタが移動しているところに濃い殺虫剤を少量撒く。そこを通ったバッタは、殺虫剤の付いた餌を食べたり、直接体に殺虫剤がついたりして死亡する。

 薬剤は人体にも有害なので、作業をする者たちは、自分たちの身体を守らなければならない。青いつなぎの防護服を着て、マスク、フェイスガード、さらに頭にはターバン状の巻物までして、防護する。そして、ランドクルーザーをじぐざぐに走らせつつ、要所要所でミスト化した薬剤を撒いていくのだ。

 前野さんは防除作業とはつかず離れずの距離で、まだ薬剤の影響を受けていない群れの観察を続けた。ぼくとしては、防除作業の様子もつぶさに見つつ、幼虫のマーチング・バンドも見ているという状況だ。

 防除チームは実によく働く。朝の7時に準備開始し、そこから14時くらいの昼食まで、お茶を挟みつつ、薬剤を撒いて回る。お茶の時間は、木陰で談笑しつつのリラックスタイムなのだが、それ以外は、もう真剣な表情の戦う男たちである。

 前野さんは、彼らの防護服が青いこと、幼虫たちに覆われた砂漠が黄色っぽくも見えることから、「その者、蒼き衣を纏いて、金色の野に降りたつべし」などと、ナウシカのセリフを引いていたが、それも納得。まさに伝説の勇者的な雰囲気をたたえた、戦う男たち、だった。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

仕事がない! ならば仕事を作ってみよう / 1- 本場に来たのにバッタが消えた

魚がいなくなったら漁師はいったい何をするんだろう? 病気が無くなったら医者は何をするんだろう? 社会で働く誰しもが、仕事が無くなり、その職業の存在価値が疑われる可能性におびやかされているのだが、まさか自分がそんな目に遭うとは夢にも思わなかった。

9月、モーリタニアは本来ならば雨季になり、乾燥した砂漠が潤う。ところが、赴任初年度の2011年、異常気象で雨が降らなかった。建国(1960年)以来の大干ばつに見舞われ、バッタのエサとなる新しい緑が芽吹くことはなく、バッタが忽然と姿を消した。なんということだ。野生のバッタを研究するためにバッタが大発生する本場に来たというのに、50年に一度の大干ばつに赴任したその年にドンピシャで遭遇したのだ。仕事が消えた。

バッタの被害が無いと人々が喜んでいる傍らで、一人絶望に追い込まれている私。ポスドクは研究成果を上げられなければ容赦なく路頭に迷う運命におかれている。緻密な研究計画によって生み出された皮算用がもろくも崩れ去っていく。野生のバッタの状況が予想しづらいこともあり、どんな状況にも対応できるように百近い研究テーマを準備し万全の態勢で臨んだつもりだったが、「バッタがいなくなる」のは想定していなかった。

人生を賭けてアフリカに来たのに我ながらなんと気の毒な。「バッタいませんでした」では済まされず、ポスドクとして研究成果を上げねばならぬ。この窮地、いかにして乗り越えようか。

研究者の業績は、論文の質と数とで評価される。これまでの定説をひっくり返したり、誰しもが耳を疑う発見は「質」が高いと見なされる。そこまでではないものの発表する価値がある発見は論文としてまとめる必要がある。

論文発表しないと何もしていないと見なされるからだ。すなわち「数」も重要である。投稿した論文が学術誌に掲載されると、投稿者には共通のポイントが付く。総ポイント数が研究者の戦闘能力として判断されることもある。バッタの観察ができないので手持ちのデータで論文を書いてその場をしのぐ方法もあるが、干ばつがいつまで続くか分からない。

いずれはデータも枯渇してしまう。自然を相手にする職業柄、似たような窮地に立たされることは今後もあるだろう。小手先の技でその場をしのぐのではなく、仕事の作り方を今のうちに編み出しておかねばならない。

・・・・・・・・明日に続く

⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡

https://youtu.be/N2EmdPWOFHo  == How Farmers Accidentally Killed Off North America's Locusts ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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