ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年05月06日<ⰧⰊⰧ ◆ ゴムの日。ゆえにおそらくコンドームの日であろう。 「may(5)ロ(6)」の語呂合せから“迷路の日”でもある。いや、立夏である。 ◆ 聖徳太子が役人の体たらくに我慢出来ず、「十七条憲法」で生活習慣の改善を求めた(604年)。 ◆ 英仏トンネルの完成により、イギリス国民は再びコルシカの山師やら逆卍の独裁者やらの脅威にさらされることになった日(1994年)。
本日記載附録(ブログ)
アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。
防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。
『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。
”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う
前野ウルド浩太郎(15) ◇◆ 第5回 バッタとバッタ博士といたサハラ砂漠の「幸せ」な時間について =3/3= ◆◇
防除チームは、今、この地域の群れを重く見ているらしく、3チームが合同でキャンプを張っていた。我々も同じところにテントを張った。と主語を「我々」とするのが申し訳ないくらいだった。前野さんに連れられて防除チームに挨拶しにいっている間にもう設置は終わっていた。助手チームは実に手早い。
なお、防除活動については、次回、述べることにして、ぼくと前野さんはラクダ肉の煮込み(結構脂身がこってり)をライスにぶっかけた夕食の後、ドライバーのティジャニに「ラクダのミルク」(文字通り野趣あふれる風味)を勧められたりしつつ、そのまま夜の観察へ!
「夜間観察は眠るのを忘れちゃうので危険ッス」と前野さんが言う通り、サハラ砂漠の夜はワンダーランドだ。昼間よりもたくさんの生き物がここぞとばかりにあらわれる。それでも、我々の主たる関心は、サバクトビバッタ。夜になるとやつらは「シェルター」に集まってくる。それが、この日この地域の場合、つんつんしたイネ科植物、パニカムだった。
それにしてもたくさんいるものだ。これだけ多いと、稔った稲穂、いや黄金色に色づいた麦の穂のように見える。
「夜、こうやって身を寄せちゃうと逃げないんスよね。夜はこうやってシェルターに潜む、というのが基本的な行動ですね。きっと、近くの歯磨木にもいるかもしれませんね」
と、暗闇の中、どこかにあったはずの灌木を探し求め、なかなか見つからず、小1時間後になんとか発見したのだが、そこには1匹たりともサバクトビバッタはいなかった。ふだんはこの木を好むというのに、本当に野生での行動というのは予期しがたい。
しかし、それでもパニカムの茂みに「麦穂」のごとく稔る様子をライトで照らし、地面に映る影絵みたいにして撮影したり、お互いに記念撮影をしたり、他のムシに夢中になっている間に時間は過ぎた。夜の砂漠はテンションが上がる!
特に忘れがたいのは、サバクトビバッタの脱皮するシーンをつぶさに見たことだ。
四齢幼虫が、終齢幼虫になる瞬間。体をもぞもぞ動かしつつ、今や透明な薄膜と化した体の、まず背中がぷちっと割れて、そこからするりぬるりと新たな体が滑り出してくるのは、切なくも美しく、格好良かった。さらにもう一度、脱皮すると成虫になり「悪魔」と呼ばれる存在となることを考えると、悪魔降臨! のようなぞわっとした感覚も覚えるのだが、夜のサハラ砂漠で一個体の脱皮を見る分には、ただひたすら幻想的だった。
日付が変わる頃には、テントに戻った。
小さな寝床では、夢も見なかった。
次回は“第6回 バッタ博士の研究に「アフリカじゅうが期待をしている」“に続く・・・・・
…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!! ……
天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"
故郷危うし!日本唯一のバッタ小説を読む / 2- 日本が襲われた時は、私が守る
バッタの大群に立ち向かうのは、時代の動きを読むことに長けた青森県知事・野上高明。首相の座を狙える位置にいながら中央政府を退いた政治家。中央政府と闘う際に「私が、憲法だ」と東北を救うために奮い立つ。そして、彼が右腕として救いを求めたのが弘前大学の昆虫学者・形部(ぎょうぶ)保行。形部は飛蝗対策委員会の責任者を経て東北の治安を司る責任者として、軍人のごとく奮起する。形部の年老いた師匠である日本で数少ないバッタ研究者・秋野平造はバッタを説明するのに、
「飛蝗を英語ではローカストと略していうが、ローカストなる語源はラテン語から来ていて〈焼け跡〉の意味だそうだ。飛蝗に襲われたら、もはやそこは焼け跡と化すのよ。それほどおそろしい生き物だ。古代エジプト人などは飛蝗の翅(はね)にある奇妙な紋をヘブライ文字で〈神の罰〉と書いてあるのだといった。つまり、飛蝗を防ぐ方法はなかった。狙われたら最後になる。それは〈神の罰〉だからだ」
と述べている。世界ではバッタによる被害は天災と捉えられている。
バッタの群れを蹴散らそうと出撃した戦闘機はバッタの群れに巻き込まれ、エンジンがバッタを吸い込み、一機20億円が20機墜落する。旅客機も墜落してしまう。なけなしの食料を守ろうと殺虫剤片手に待ち受けていた農民が逆にその殺虫剤を浴びて絶命してしまう。もうめちゃくちゃである。さながら地獄絵図なのだが、物語の全てはバッタの不気味な生態や詳細な被害データによって裏打ちされているため、深刻さが手に取るようにわかり、想像を超えて現実のものと錯覚してしまう。
何故に小説家がここまでバッタの生態に詳しいのか謎で、逆に私の方が初耳であったことまで書かれている。そして、バッタと同等に事態を悪化させるのは、東北を軽視した畦倉首相。政策ひとつで国が崩壊の一途を辿る模様がスリリングに描かれており、この本から政治の恐ろしさを知った。
そもそも昆虫学者が国家の運命を握っている小説などあっただろうか。そして、偶然とは恐ろしいかな、実は私も形部と同じ弘前大学出身の昆虫学者でバッタの専門家だ。しかも恩師である安藤喜一先生(弘前大学名誉教授)はトノサマバッタを研究なさっていた。私たちは実写版ではないか! 学生時代に『蒼茫の大地、滅ぶ』の漫画版を読み、自分の未来が予言されているようで衝撃を受けた。先進国には必ずバッタ研究者がいるのだが、日本にはほとんどおらず、この怠慢は日本を滅ぼすかもしれないことが本文中で懸念されている。この作品に感化され、私はバッタの被害が慢性化している本場のアフリカで武者修行を積んでいる。日本がバッタに襲われた時には私が先頭に立って故郷を、そして日本を守るために。
このタイミングで復刻されることに私は運命を感じている。この小説が売れに売れまくって日本でバッタの恐ろしさが浸透し、バッタブームが巻き起これば自分の研究ポストが自然と生じるだろう。無収入の私への追い風にもなるため、皆様の惜しみない支援を心からお待ちしております。
次回は “仕事がない! ならば仕事を作ってみよう”
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https://youtu.be/uO775aIE3qY == The pandemic threatens the people of East Africa ==
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