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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(11/nx)_学究達=445

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年04月30日<ⰧⰊⰧ ◆ パチンコ屋のテーマが初演奏される(1900年= 神戸の観艦式=)。  ◆ 昨日、エヴァ・アンナ・パウラ・ブラウンと結婚したアドルフ・ヒトラーが夫婦揃って心中。結婚した二人を労農赤軍がモスクワへ新婚旅行に招待させようとしたが、そうはさせじと遺言によって二人の遺体は徹底的にローストされた(1945年)。  ◆ ポケットに入るサイズのラジオをソニーが発売。ポケットに入らないと言う苦情に対しては、ポケットをラジオに合わせれば良いとした(1960年)。

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う

前野ウルド浩太郎(11) ◇◆ 第4回 バッタ博士、モーリタニアへ旅立つ =2/3= ◆◇

 では、実際に現地でみるライブなサバクトビバッタはどうだったろう。

「衝撃的でした。今まで見ていたサバクトビバッタとは一体何だったのかっていうくらい。考えてみたら、実験室の31℃一定に管理されている環境じゃないんです。温度にしても、昼間40℃以上にあがって夜は20℃に下がりますし、珍しく雨が降って日中でも35℃とかいう日もあります。その暑さ、風、いろいろな環境を感じて、適応した行動をするわけですよね。そういう素顔のバッタを見られたので、それだけでもう大収穫というか、驚きでした」

 前野さんが、サハラ砂漠での最初のフィールドで、いきなり衝撃に見舞われた様子は、著書『孤独なバッタが群れるとき』にも描かれている。実験室で飼育しているものではみられない行動を、あちこちで発見し、うわっうわっうわっとなりつつも、研究者魂を発揮し、調査初日の夜から、後に論文として結実する調査を開始する。

 例えば──、

 孤独相の野生のサバクトビバッタが、昼間はあちこちに散らばっているのに、夜、木に宿るのを見いだした。これまでにも、砂漠にはえている何種類かの草木をシェルター(避難所、安心して休める場所、といった意味)にするという報告はあったし、前野さんの目には、棘のある灌木に多くの個体がついているように見えた。そこで、前野さんは、彼らがどのようなシェルターを好むのかを調べようと思い立った。

 フィールドで疑問を感じたら、その場で、そく観察や実験開始! というのは、ファーブルの流儀である。ある昆虫やその行動に出会うのは1回限りかもしれない。それを逃さずに、きちんと観察するのは、フィールドワーカーの基本! なのだから。

「まるでファーブルみたい」と自分に興奮しつつ、夜22時から午前2時までかかって、ランダムに選んだ区画の中の木々や草に宿るバッタを調べて回った。結果、バッタが棘のある灌木を好み、それも、灌木の大きさによって、集合する度合いが違うことがはっきり示された。大きな宿り木の方が好まれるのである。さらに後日別の場所でも同じ傾向があることも確認し、論文執筆に踏み切った。

 1日目にその場で疑問に思ったことを(前野さんに言わせれば「疑問の現地調達」)、その場で研究計画を立て、きちんと分析し、論文にする。フィールドの生物学者としてデビューした当日にここまでの成果を出すのだから、ファーブルの後継者を目指す者として、相当気合いが入っていたといえる。

 さらに調査は続く。

「自分の本には、調査の1日目のことしか書かなかったんですが、あの時の調査旅行には続きがありました。次の日は孤独相のエリアからうって変わって、群生相の幼虫のマーチング・バンド、非常に大量のバッタに遭遇したんです。植物の上で休んでいる彼らに向かって接近すると、バッタがその植物の中に逃げ込むパターンと、その植物を見切って外に脱出して、跳ねて逃げていくパターンがあることに気づきました。

 何回か突撃を繰り返しているうちに、植物が大きいと安心して留まるけれど、シェルターがしょぼいとすぐに見限って逃げる傾向がみえてきました。その日帰る予定だったんですけども、ここに残ってデータとりたいから、ちょっと待ってくれと研究所のスタッフに言って、そこで4日留まって、毎日データとって、これも論文になりました」

 論文のタイトルは「サバクトビバッタ群生相幼虫の、植物のサイズに依存的な逃避行動」といったもので、昆虫の行動学の専門誌に発表された。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・・・・

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

“史上最大の現場”=2= / 希望という名の雨が降る 1/2

謎、いわゆる「研究テーマ」は、あらかじめ準備することもあるが、その場のバッタの状況を見てから決めることが多い。一般的には、研究資金を獲得するために申請した研究計画書通りの内容に沿って研究を進めることが多いだろう。私はあえて反抗的な態度をしているのではなく、野生動物が研究相手だと状況の予測が難しく、計画通りにいかないことがあるから、あえて自由なスタイルをとっている

計画に束縛されると、条件が適した場所に辿り着けなければ何も成果を出せない。それどころか、計画外の好条件に気づかずスルーするハメにもなる。計画が足かせとなってしまっては元も子もない。状況が読めない相手には、ノープラン戦法で挑んだほうが柔軟に対応できるので成果は出やすい。そのかわり、どんな状況にも対応できるように予備知識や経験が求められる。私の場合、サバクトビバッタだったら、卵、幼虫、成虫とすべてのシーンについて研究してきたため、野外で出くわすどんな状況にも対応できる。同時に、「相変異の謎を解く」という私自身の強いこだわりを忘れない。

実際に謎を暴くための実験や観察をするには、武器が必要となる。砂漠では電気は当然のこと、実験室も、インターネットも、図書館も先生もいない。頼れるものは己の力のみ。調べものをしに街に帰っている間に状況はすぐに変わってしまう。謎は待ってはくれない。閉じた瞳をゆっくり開き、拳を握りしめ、知力、体力、気力を武器にして謎に立ち向かう。砂漠が研究者としての実力テストの会場と化す。ごまかしはきかない。研究者としての真価が問われる。

私は日本にいたとき、特別な実験装置や薬品などに頼らぬ100年前とほとんど変わらないスタイルで研究をしてきた。それは室内での経験だったが、モノに頼らないローテクで鍛えられた研究スタイルは、モノが制限された砂漠でも威力を発揮した。

「ペンとノートだけを持って、サハラ砂漠でサバクトビバッタを研究せよ」という課題が出たときのみ、私は世界トップレベルの得点をたたき出す自信がある。サハラ砂漠という舞台でバッタ研究をしているとき、自分の力が最も輝きを放つ。日常生活からかけ離れ、限定されすぎた条件だが、世界一になれるチャンスが自分に1つでもあったから、それに人生を賭けたくなった。

ポスドクとしてアフリカに渡ったばかりのとき。モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所の職員たちからは「日本人になんかサバクトビバッタのことわかるわけねーよ」とバカにされていた。決めつけを払拭するためにも何かインパクトのあることをかましたかった。「前野はなんだか今までの研究者と違って本気でバッタ問題を解決しかねないぞ」と印象づけておけば、この先、彼らを黙らせ、とんとん拍子でことが進むと考えていた。野外調査初心者のため勝手がわかっていなかったが、最初の調査で新発見をかまして度胆を抜いてやろうと企てた。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡

https://youtu.be/rx4_vv1Atbo  == Locust Invasion - Go Wild ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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