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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(10/nx)_学究達=444

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年04月29日<ⰧⰊⰧ ◆ ライト兄弟の初飛行に先立ち、二宮忠八が烏型飛行器(プロペラ式模型飛行機)が飛行に成功(1891年)。以降、金なくスポンサー無きままに開発断念・・・・・。   ◆ おめでとう!五目並べはオセロに進化した(1973年)!!   ◆ シンボリルドルフが天皇賞で優勝を飾って五冠馬となり、「第2のシンザン」と呼ばれることに(1985年)。

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う

前野ウルド浩太郎(10) ◇◆ 第4回 バッタ博士、モーリタニアへ旅立つ =1/3= ◆◇

日本の研究室でサバクトビバッタと運命的な出会いを果たした前野ウルド浩太郎さんは、野生のサバクトビバッタがいるモーリタニアのサバクトビバッタ研究所を拠点に選んだ。その背景には、それまで前野さんが「実験室」でのみサバクトビバッタを見てきたことに、少々、違和感を覚え始めたことにある。

「実は博士課程に入った頃から、このまま研究していってもはたしていいものかどうか、恥ずかしさとか後ろめたさを感じはじめていまして。よくよく考えたら、サバクトビバッタは現地でものすごい大発生をして、深刻な被害を及ぼしているわけじゃないですか。とするなら、野生のサバクトビバッタが何をしているのかを知ることが、結局自分の最終目的じゃないかと。相変異のメカニズムを知るとか、これまでのテーマをやっていく上でも本当の自然を知らなければ、間違ったところにたどり着いてしまうんじゃないか、そういう不安やフラストレーションがありました。それで、現地に行って研究して、なおかつ、アフリカのバッタ問題の解決に貢献できたらいいな、できるんじゃないかなって、最初は軽い気持ちです」

 軽い気持ちと本人は言うが、環境が整えられた日本の研究室から、えいやっと日本人がほとんど住んでいない砂漠の国へと旅立つのは、それなりの決意がいる。ポスドク(博士研究員)を支援する日本学術振興会の海外特別研究員という制度で、生活費と研究費はまかなえるものの、それも2年の期限付き。キャリアとして考えれば、賭け、ということになるだろう。

 幸運だったのは、モーリタニア側の受け入れが、かなりしっかりしていたことだ。研究所内にあるゲストハウスを居室兼研究室として使えたし、なにより、研究所長のババ博士が日本からやってきた研究者を非常に歓迎してくれた。ババ所長には、ぼくも滞在中、3回ほどお会いしたが、バッタ防除についての責任を担って多忙であるにもかかわらず、常に笑顔で人を包み込む人格者だ。研究所で雇用する現地の職員の人望も厚い所長みずからが、前野さんの研究を大歓迎し、フルサポートしてくれた。

「ババ所長はいつもてんてこ舞いで、くたびれていてもバッタと闘うための準備を一生懸命やっているんです。それなのに、私のこともいろいろ励ましてくれるんですよ。日本のバッタ研究者がアフリカの現地に来て、腰を据えて研究をするのは初めてだそうです。それどころか、『見てみろ、浩太郎、今、先進国から誰も研究者が来てないぞ、おまえだけだぞ』って。アフリカの人たちは浩太郎の研究面での活躍に期待しているんだとまで言ってもらえたんです」

 実際に、「先進国」のサバクトビバッタの研究者で、アフリカの現地を拠点にしているのは、前野さんだけなのだそうだ。ただでさえ研究設備が整わず不便な土地だ。それに加えて、旧宗主国であるフランスをはじめヨーロッパ系の研究者はテロの対象になりやすい(ぼくの訪問時、フランス大使館はフランス人が首都のヌアクショットから出ないように勧告していた)などの、様々な要因もある。一方、アフリカ現地の研究者は、外国の大学で学位を取って研究のノウハウを身につけても、母国ではすぐに人の上に立って指揮をする立場になってしまう。前野さんは、ぽっかり空いた昆虫学のエアポケットに吸い込まれ、唯一無二の研究者として、砂漠の国に降り立ったのだった。

 では、実際に現地でみるライブなサバクトビバッタはどうだったろう。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・・・・

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

バッタ博士の決意

バッタの大発生は天災に間違いない。だが、「災い転じて福となす」という言葉があるようにバッタの大発生の良いところを見つけ、それをうまく利用することができれば哀しみが喜びに変わるのではないだろうか。今は構想の段階なので披露するわけにはいかないが、これが実現するとき、歓喜の輪がアフリカを包むかもしれない。

私は、もう昔の前野浩太郎ではない。前野ウルド浩太郎として生まれ変わり、フィールドという新天地に闘いの舞台を移した。

だが、実験室だろうが、フィールドだろうが、どこで、どんな分野を研究することになろうとも自分の知りたいと思った謎に挑むことになんら変わりはない。知りたいことをみずからの力で知ることができる昆虫学者になる道は険しく、追い求める理想像は遥か彼方だ。

だが、そんな難しいことはさておき、目先のバッタに捕らわれてしまえばいい。バッタとファーブルに思いを寄せて、この夢のような日々を続けるために、暴れさせてもらう。

“史上最大の現場” / 悔しさが探求心を刺激する

サバクトビバッタの野外調査で一番大変なのは、胸の高鳴りを抑えることだ。今日のバッタは何色だろう、大群に襲われて着衣が食べられて丸裸にされたらキャッ恥ずかしいとかいらない妄想をしながら、相棒のティジャニが運転する車で砂丘を乗り越え、彼らの住処・サハラ砂漠に突撃する。先発隊からもらった位置情報めがけ、GPSを手掛かりに数百kmかけてのダイブ。万が一の命綱は、地球上のどこからでも繋がる10万円の衛星電話と無線。戦闘コマンドは「命大事にしつつも果敢に攻めろ!」。

バッタたちを発見したら、おもむろに密着しはじめる。野宿しながらバッタとの5日間の同棲生活。寝ても覚めてもバッタをうっとりと凝視する。夜もヘッドランプ片手に寝込みを襲う。

「こんな暑いところで大変ですね。草も食べなきゃいけないし、天敵の鳥からも隠れなきゃいけない。おまけに脱皮もしないといけないし」

生態を明らかにするためには、目の前のバッタをただ漠然と観察するのではなく、自分もバッタになりきって彼らが直面している問題に気づくことが重要だ。

「灼熱の大地でいかなる手段をもちいて生き延びようか」「この広大な砂漠で、はたして交尾相手は見つかるか」など、砂漠という過酷な土地で生きている者が抱える特有の問題がみえてくる。砂漠でうごめくバッタたちを一日中見ていると、いくつもの不可解な行動に気づく。バッタ博士を名乗っているくせに、いかに彼らのことを知らないか痛感させられる。だが、その悔しさが知的探求心を刺激する。

バッタはどんな工夫をして問題を解決しているのだろうか。「相変異」は過酷な環境で生き延びるために自らを進化させた彼らの最大の工夫と言っていいだろう。サバクトビバッタならではの工夫を知ることが何よりの喜びである。「なぜ、どうして、どうやって」としつこくバッタと自分を尋問する。知りたくて知りたくてどうしても知りたくて、身悶えしてしまうものが、その日挑む謎となる。すなわち、研究対象となる目先の謎は、現地調達している。野外調査が成功するかどうかは、「無計画」がカギを握っている。

・・・・・・・・明日に続く・・・・・

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https://youtu.be/dt6zCJ2VHok  == These Swarming Locusts Are Grasshoppers Gone Wrong ==

https://youtu.be/uzi9o-3C1B8

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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