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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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“バッタの子孫”の活動録/前野ウルド浩太郎(09/nx)_学究達=443

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年04月28日<ⰧⰊⰧ ◆ 有名人が産まれる特異日。この日産まれたのには秀吉を苦しめた朝鮮人・孤独好きなアメリカ大統領・ポルトガルを長らく統治した経済学者・女の絵で有名な二科会のドン・神を証明しようとした不完全性定理で有名な数学者・名簿でユダヤ人を救おうとした方・イラクの血生臭いヒゲの親父・平和の船でワイワイやろうと言い出した張本人等々・・・・・  ◆ スイスへ逃亡中のベニート・ムッソリーニがパルチザンからリア充ぶりを指弾され、爆発させられる。(1945年)  ◆ ダグラス・マッカーサーが「僕は死にましぇん。ただ消え去るのみです。」と言い放ち、日本を去って美しい国に帰還(1952年)。

本日記載附録(ブログ)

アフリカでしばしば大発生し、ユーラシアの農作物に深刻な被害を及ぼすサバクトビバッタ。

防除のために巨額の費用が投じられているが、未だに根本的な解決策は見出されていない。

『バッタを倒しにアフリカへ』と単身、西アグリカ・モーリタニアに渡った日本人がいる。

”愛するものの暴走を止めたい”と語る前野ウルド浩太郎、秋田市土崎港出身の人である。

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

“サバクトビバッタの相変異” の解明が世界を救う

前野ウルド浩太郎(09) ◇◆ 第3回 バッタ博士、サバクトビバッタと出会う =3/3= ◆◇

「バッタの体の表面をマニキュアでコーティングして他のバッタが直接ぶつからないようにしてみたり、目を黒く塗って視覚を遮ってみたり、いろいろやりました……その結果、ぶつかり合い、つまり他個体とぶつかるのが一番重要だと分かりました。それも触角でぶつかり合いを感じていました。さらに厳密に、感受期っていうんですけど、いつ、どれくらいの長さで混み合いを感じると卵を変化させるのかも特定出来ました。 卵を産む、前後の2日間、つまり、計4日なんです。卵のサイズをS、M、Lサイズとすると、その4日間フルで混み合うとLサイズ、2日間だけだとMサイズ、一切混み合わないとSサイズっていうふうに」

 さらに詳しく伺うと、サバクトビバッタの卵を製造する卵巣小管という器官では、産卵目前のもの、次回産卵分、次々回産卵分などの卵が、成長するソーセージのように連結しており、そのうち一番成長して産卵を目前にしたものはもう混み合いの影響を受けない、そうだ。次回のものが感受期であり、この時期に4日間の混み合いを経験すると、卵サイズがLになる、という。産卵直前にはもう卵は「完成」しているのだろうから、それ以前に感受期があるというのは、理に適っている。ちょっとヤヤコシイが。

 そして、その探究の中での、前野さんがたどりついた仮説とは──

「メス成虫の体内で卵の大きさを決める特殊なホルモンが出ていて、それに反応してその後卵を大きくするか、小さくするかを決めているという仮説までは、今たどり着いています」とのことである。

 このあたり、興味深いが、細かく語りはじめるときりがない。また、前野さんの書籍の内容と被る部分も多いのでこのくらいで。

あえてまとめるなら、サバクトビバッタが、環境(混み合い)に応じて、卵の大きさを切り替えることができ、それが特殊なホルモンによるものだ、という仮説が、前野さんの「実験室」での到達点だ。とするなら、そこからホルモンの特定に進みたいのがスジだと思うのだが、どうだろう。

「もちろん、どういったホルモンで制御されているかまとめるところまでは自分でやりたいと思っています。でも、ちょうどそこで自分が田中先生の研究室を出て行く時期になってしまいまして。そういった仕事はまた将来、自分でラボを持ったときに厳密にやっていきたいと思っています。自分が発見した現象なので特に思い入れが強いですから」

 そして、師の元を離れた博士研究員として前野さんが選んだのが、日本の研究室で飼育されているものではなく、野生のサバクトビバッタが実際にいるモーリタニアだったのである。

次回は“第4回 バッタ博士、モーリタニアへ旅立つ”に続く・・・・・

…… 参考資料: バッタに人生を捧げます!!  ……

天災レベルに大発生する害虫を愛する男が行き着いた"ある場所"

好きな人のことは何でも知りたい乙女の心境と同じ

実際の彼らの生態を知らずして研究の進展は望めないというのになぜ誰もやらないのか不思議だ。

そして、こういった地味な仕事こそ、自分がやるべき仕事の一つとして捉えている。好きな人のことは何でも知りたい乙女の心境と同じで、私はサバクトビバッタのどんな些細なことでも知りたい。

現実問題としてモーリタニアでの生活は3日に1度は停電する無計画停電が行われたり、シャンプーしている最中や米を研いでいるときにまさかのタイミングで断水することが多々ある。しかし、便利な生活と新発見のどちらをとるかという質問は私にとって愚問だ。

サバクトビバッタの野外生態は手つかずのままになっているのでシンプルな観察でもすぐに何かを発見できる可能性が大きい。現に、1週間にも満たないフィールド調査で生態学に関する論文が出るのだ。これは私が優秀な研究者というわけではなく、若造の浅知恵ですら新発見ができたと見るのが正しい。

重要なのにフィールドワークが進まない2つの理由

こんなおいしい穴場があるというのに現在、アフリカでフィールドワークをしているのは私たちだけである。なぜ誰も手をつけようとしないのか?

フィールドワークが行われていない背景には2つほど問題がある。

1つは、治安の問題。白人はテロリストたちのターゲットになっているためフィールドで腰を据えて研究するのは難しいそうだ。白人が研究できないのなら現地の人が研究すればいいではないかと思われるだろう。そうなのだが、2つ目の問題としてアフリカ出身の研究者がバッタ研究に没頭できない事情があることをFAOのバッタ研究チームに属するレミン博士に教えてもらった。

「研究者を志す人たちは、ほとんどが外国に学位を取得しに行くのだが、一人前になって自国に戻ってくるとすぐに偉くなってしまい事務的な作業や運営に忙殺されて研究がほとんどできなくなってしまう」とのこと。

現在も毎年1人ずつアフリカでバッタ研究をする博士の人材育成にFAOは取り組んでいるが、彼らがまた偉くなってしまう可能性は高いだろう。白人も現地の人もフィールドワークができないとしたら、いったい誰ができるというのか? 誰がこの現状を打開するというのだろうか? 今、1人の男がアフリカに渡り、歴史が変わろうとしている。

バッタ被害を食い止めるのが使命ではあるが…

最後にこんなことを言うと怒られそうだけど、研究成果でサバクトビバッタを撲滅する気は毛頭ない。私はサバクトビバッタの数が増えすぎないようにコントロールすることができればと考えている。

日本が世界に誇る昆虫学者である桐谷圭治先生が提唱した「害虫も数を減らせば、ただの虫」という考えに賛成である。愛する者の暴走を止めることができれば彼らが必要以上に人々に恨まれずにすむ。

万が一、彼らを全滅させる手段を見つけてしまっても、きっと今の自分のままだと誰にも言わずに墓の中までもっていくと思う。もしかしたら、先人の中にもバッタの弱点を見つけたけど口外しない研究者がいたのではないだろうか。研究者を魅了してしまうのがバッタの最大の生存戦略なのかもしれない。

・・・・・・・・明日に続く

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https://youtu.be/VtEA98wueC8  == Locusts | Return of the Plagues ==

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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