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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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霊長類学者”フィールドワークの鬼”/松田一希(11/nx)_学究達=426

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ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年03月30日<ⰧⰊⰧ

☆ シチリアで夕べの祈りを済ませた後に、フランス人を皆殺し(1282年-シチリアの晩祷)。 この連中の血を引く者が後にマフィアとなった。

☆ いちいち消しゴムを探すのが面倒臭いアメリカ人によって、鉛筆の一方に消しゴムをくっつけたのが発明される(1858年)。発明者ハイマン・リップマンにいかほどの特許料が……。

☆ アメリカ合衆国が、北極に面するどデカい荒野を1エーカー当たり2セントでロシアから購入(1867年)。 ロシアにとっては厄介払いだと糠喜びしたが、後になって金脈があったと知るや地団駄を踏むことになり冷戦の遠因となることに。

本日記載附録(ブログ)

天狗を彷彿する長い鼻―ぽんぽこりんの太鼓腹-川に飛び込む豪快なダイビング

姿も行動もユニークなテングザルを、ボルネオ島で3500時間以上も観察

次々と新たな発見と仮説を生み出し、従来の常識を覆すような研究成果は多岐に渡る

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

自らの足でジャングルに分け入り、より近くで長期間観察するというフィールドワーク

松田一希(11) ◇◆ 第4回 マングローブ林にもテングザル =2/3= ◆◇

「アバイの村でホームステイさせてもらったら、それがすごく落ち着くんです。人もいいし、食べ物もおいしい! これなら意外と、腰を落ち着けてできるんじゃないかっていう気がして、最初はまず観察を、それから、やはりフェノロジー調査をやらないといけないということで、それもやり始めて。マングローブ林は、木の種類が少ないから、スカウでやるよりずっと楽でしたけど、地盤自体がドロドロなんで、歩きにくいし、その点ではすごく大変ですね」

 居心地がよくて、食事がおいしい!

 つまり、安心できる拠点がある。

 これは、フィールドでの研究ではとても大事なことだ。松田さんは、上流のスカウの二次林での研究と並行して、下流のアバイのマングローブ林での研究にも力を注ぐようになった。

 潮が引いた時間帯、松田さんは、ぼくをフェノロジー調査用のトレイルに招いてくれた。

 ボートから1歩、足を踏み出すと、いきなりやってしまった。

 長靴がずぶずぶとめり込んで、中に水が入ってきた。たしかにぬかるみだったのだが、ちょっと体重をかけるだけで、あそこまでめり込むとは思わなかった。近くの木にしがみついてなんとか脱出。

 そこから先は、松田さんと助手さんが通る道をしっかりとトレースして進んだ。

 見た目では、スカウよりは、地面がスカスカで見通しがいい。1日の半分は汽水のしょっぱい水につかっているので、なかなか木々が育たないのである。見通し良好なら、観察にもってこいのはずなのだが……しかし、いくつも困難があった。

 まず、蚊だ。

 湿地であるせいか、ほんの一瞬立っているだけで見事に蚊に取り囲まれる。歩き続ければそれほどでもないが、数10秒でも立ち止まろうものなら、あちこち刺されること請け合いだ。ぼくは蚊アレルギーのようで、刺されたところが大きな水ぶくれになるし、すぐに掻き崩してしまう。ここのフィールドはこの時点で、ぼくには「無理」である。

 もうひとつ、大問題は、「イタイタの木」とぼくが名付けた木の存在だ。

「ニブンヤシって種類ですけど、これ幹にトゲあるし、すごく痛いんですよね。あと、下生えの草にはトゲのあるやつがあってこれも痛い。もう体力と気力だけではどうにもならないレベルだというのを思い知って、1頭にテレメトリーを付けたのもそういうことなんです。GPSがついていて、今どこにその個体がいるのか、研究基地に常時送信してくれます」

 ニブンヤシのトゲだが、試しにそろりと触ってみたところ、それだけで鋭い痛みが走った。よく見ると、指に3本、小さな棘が刺さっていた。棘をかき分け、蚊に刺されながらの調査はさぞかし大変だろう。使える技術はどんどん使った方がいい。

「テレメトリーもそうですけど、何を食べているかなんかも、川沿いにいればともかく、森の中に入っちゃうと分からない。だから、最近は糞を採集して、そこに残っている食べ物となった植物片からのDNAを探すというのをやろうと思っています。霊長研にも次世代DNAシークエンサーが入りましたので、少しでも混ざっていれば、何を食べていたか分かるようになっているんです」

 そのような話を、足下の悪い中、聞きつつ、ぼくはどこかにテングザルが出現しないか、マングープ林の上の方を見たり、物音に耳をそばだてたりしていた。

 しかし、静かだ。

・・・・・・明日に続く

…… …… 参考資料: サル特集 / ゴリラの家庭学 (4/4) …… ……

 群れがのんびり草を食べていると、ジョージが偶然、地面にモベイの実が落ちているのを見つけた。彼女は音をたてないように素早く歯で皮をむき、仲間からそっと離れようとしたがうまくいかなかった。食べ物には目がないキンゴは、果実の匂いか実をかじる音で感づいたのだろう。間髪を入れず、うなり声をあげて足音をとどろかせながら近づいてきた。ジョージが身をすくませた瞬間、キンゴは彼女を殴り倒してその手から果実を奪い取った。

 食べる、寝る、移動する。この繰りかえしがゴリラの日常だ。彼らが実際に動きまわるエリアを「遊動域」という。キンゴたちの遊動域は約15平方キロにおよび、隣接するほかの群れの遊動域と部分的に重なっている。周辺には少なくとも9つの群れがいるようだ。ニシローランドゴリラは縄張り行動をしないのでほかの群れと遭遇することも多いが、おおかたの出会いはとても穏やかだ。マウンテンゴリラは対照的で、互いに胸を打ってドラミングし、叫び声とともに襲い掛かったりする。

 ドラン=シーヒーは観察を続けるうちに、ニシゴリラの集団では群れの家長同士が、兄弟や腹違いの兄弟、親子などの血縁関係にある可能性を明らかにした。このことは、森で出くわしても互いにとても寛大な理由を解く鍵になるかもしれない。午後になると、キンゴたちは素早くジャングルを移動し、私たちはキンゴを見失ってしまった。しかしトラッカーたちには、行き先がわかっていた。沼地だ。

 翌朝、再び群れに追いつくには2時間かかった。斜面を下って、緑色によどんだ水たまりや、足の付け根まで沈みこむような深い泥地をいくつも越えた。とげだらけのつる植物が屋根のように頭上を覆っている。しばらくすると、やっと開けた湿地に出た。そこには、生命に満ちあふれた大自然の景観が広がっていた。

 降りそそぐ太陽の光の中で、鳥のように大きなチョウが優雅に舞い、子どもの手ほどもあるクモが木の根っこの上で日なたぼっこをしている。カエルがゲロゲロと鳴き、トンボが軽快に飛びかい、虫がブンブンと羽を鳴らし、あらゆる種類の鳥たちが「ピーピー、カーカー、ホーホー、クークー」と、思い思いの歌声を響かせる。そして、キンゴはその中心にいた。沼の水に胸までつかって座こみ、沼に生えたトチカガミなどの水草の根を引き抜いては水で洗って、スパゲティでも食べるようにすすりこんだ。食物に恵まれた沼を独り占めにして、これ以上の幸せはないといった表情をしている。

 群れのメンバー全員が満ち足りているように見えた。もちろん、食事中は誰もキンゴに近づけはしないが、それぞれが太陽のもとで自分たちの居場所を見つけている。アグリーは少し離れたところで優しくボモを抱き、水浴びをさせようとしていた。クスとエケンディの姿は見えないが、茂みの中から楽しそうに動きまわる音が聞こえてくる。

 ジョージは姿も見せなければ音もたてない。ベアトリスは沼地の一角の平穏な場所で、静かに授乳している。メコメはキンゴの気をひこうと思っているのか、彼のいる沼にそろそろと入っていく。木の上のママはシロアリを次々と口に放りこんでいる。幸せな大家族の姿がそこにあった。

//////“サルの楽園ビオコ”に続く

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=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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森のなかえ

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