Quantcast
Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

霊長類学者”フィールドワークの鬼”/松田一希(05/nx)_学究達=420

$
0
0

ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年03月22日<ⰧⰊⰧ

★ 初のアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』リリースで英国の若者4名が黄金虫として羽ばたき開始(1963年) &so、さわやか律っちゃんが初代日本ボウリングチャンピオンとなる(1970年)。

★ インテルによって新型CPU・Pentiumがリリースされる(1993年)。しかし、計算が不得意なあれだったが故に翌年にはリコールに追い込まれる破目に。

★ アエロフロートのパイロットが、自分の倅に操縦桿を握らせた挙句に乗客を巻き込んで飛行機をシベリアの大地に叩き落とす(1994年)。

本日記載附録(ブログ)

天狗を彷彿する長い鼻―ぽんぽこりんの太鼓腹-川に飛び込む豪快なダイビング

姿も行動もユニークなテングザルを、ボルネオ島で3500時間以上も観察

次々と新たな発見と仮説を生み出し、従来の常識を覆すような研究成果は多岐に渡る

【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)

自らの足でジャングルに分け入り、より近くで長期間観察するというフィールドワーク

松田一希(05) ◇◆ 第2回 でか鼻でか腹テングザルの意外な生態 =2/3= ◆◇

 南米でクモザルの研究をし、博士課程は北海道大学に籍を置いていた松田さん。日本の霊長類学は、今も昔も、京都大学が圧倒的に強い。霊長類研究の共同体の中で、まるっきり無名だった松田さんが、一躍、「面白い奴がいる」と認められた。

「本当に嬉しかった。それまで、ずっと不安だったんです。1年半くらいずっとフィールドにいたわけですけど、どれぐらい行動データをとったらいいかとかも、自分でよくわかんないわけです。月に何日ぐらい追いかけたら論文になるのかとかも分からない。だから、月に少なくとも12日、多いと17日くらい行動データを取っていたんですが、今から思うと、月4日ぐらいのデータでいくらでも論文になっているんです。そう考えたら確かに何千時間も1年間で追ったっていうのは、すごいデータなんだなと、自分でも誇りに思っています」

一般論として、野生動物の研究者が、まとまった時間、フィールドで生き物と向き合えるのは若い間だけだ。学位を取り、学生ではなくなり、やがて大学にポストを得ると、様々な「雑用」も増えるし、人間としての社会生活も複雑になり、結婚やら子育てやら、様々な研究以外の要素が人生を彩るようになる。それは大変豊かなことであると同時に、若い頃にフィールドに打ち込んでおかないと、後々、同じことはできないということでもある。

 長時間の観察を通じて、松田さんが見いだした「新事実」を挙げておこう。森の植物や動物を見続けたデータから、様々な切り口で次々と新たな発見、仮説を生み出している様子は傍目にもすごい。これまで松田さんが論じてきたテーマを箇条書きしてみる。

 長時間の観察を通じて、松田さんが見いだした「新事実」を挙げておこう。森の植物や動物を見続けたデータから、様々な切り口で次々と新たな発見、仮説を生み出している様子は傍目にもすごい。これまで松田さんが論じてきたテーマを箇条書きしてみる。

・テングザルが、川にいるワニや木登りが得意なネコ科のウンピョウからの捕食圧に対処する戦略。
・洪水時、森が水没しても、川沿いで眠るのかどうか。
・どんな食べ物を、どんな時、どれくらい食べているのか。
・1日にどれくらい移動するのか。森の食べ物の量の変動との関係は?
・テングザルはなぜ川沿いで眠るのか。

 このあたりまでが第1段階。さらに社会性についての研究が続く。

・テングザル群れ内の個体間関係。
・テングザルの群れと群れの間の関係(重層化社会について)

 さらにテングザルの生理学的な研究まで進む。

・食べたものをいったん吐き戻してまたかみ直す反芻行動に似た行動の発見(霊長類で初)

 今のところ松田さんが一番多く論文として発表している「第1段階」のことを中心に素描してみる。

 まず、分かりやすいのは、この森のテングザルの食性がはっきりしたことだ。

「これまですごく単調な食生活を送っていると思われていたんですけど、188種類もの植物を食べていることがわかりました。その内訳は若葉が66%とやっぱり葉っぱが多いんですが、果実が26%にもなります。それと、花が8%。森に果実が多い月には、葉よりも果実の方を多く食べたこともありました。あと、1種類とはいえ、樹上性のシロアリの巣を食べているのも確認できたんです」

 これまで「単調」と思われていた食生活が、これだけ多様なものだと分かると、とたんにテングザルの生活そのものも色彩豊かに感じられるから不思議だ。

 もっとも、果実といっても、熟していない若い果実がほとんどである。これはテングザルの消化の仕組みにもかかわることで、人間の味覚で美味いとは思えないものばかり食べている。ほかのサルなら好むであろう糖分の多い熟した果実はあえて避けているようだ。セルロースを消化して栄養にする胃内の微生物が、糖分を異常発酵させてしまい大変なことになるからという説は、やはり正しいのかもしれない。

・・・・・・明日に続く

 …… 参考資料: 大きな鼻ほど強くてモテる、テングザルで判明(1/2) …… 

 テングザルという奇妙なサルがいる。東南アジア、ボルネオ島の一部にのみ生息する希少な絶滅危惧種(endangered)で、その名が示すとおり、オスは天狗のように大きな鼻をもつ。

 しかし、テングザルのオスがなぜ大きな鼻をもつようになったのかはこれまで大きな謎だった。その謎の一端を、中部大学、松田一希准教授らが解き明かし、2月22日付けの科学誌「Science Advances」に論文が掲載された。

 論文によると、テングザルでは鼻が大きなオスほど、肉体的に強く、繁殖力も高いという。さらに、1頭のオスと複数のメスからなるハーレムで、より多くのメスを保持していることが明らかになった。

 また、鼻が大きいほどある種の鳴き声が低くなることから、声の低さがオスの強さを示す手段になる可能性も示された。オスの大きな鼻は、見た目だけでなく、聴覚的にもメスを魅了する武器となっているのかもしれない。

 動物の世界でオスが派手になる現象は、メスをめぐるオスの競争によって起こると考えられている。こうした進化は「性選択」と呼ばれる。(参考記事:「地球の奇跡! 目を疑うほど色彩豊かな動物たち」

「雌雄差の大きな特徴が異性にどうやって選ばれ、それが繁殖成功にどのように影響しているか、という性選択の仕組みはこれまで詳しく調べられていなかった。テングザルのオスの鼻の大きさが繁殖能力を表す指標となり、メスに選択されて配偶者を多く得ることにつながるという結果は、実証例として誠に貴重である」と、京都大学の総長で、ゴリラの性差や社会性に詳しい山極寿一氏は今回の研究を評価する。(参考記事:「唯一オランウータンと心が通ったと思ったとき」

「私の調べているゴリラでも、オスの背中の毛の白さや頭頂部隆起に個体差があり、メスにどのように選ばれているか、この研究を参考に分析が進むことが期待される。現代人や人類の祖先の男女差にも関連付けられる、大きな発見だと思う」(参考記事:「ゴリラにみる「イクメンの起源」」

予想を上回った「きれいな結果」

「テングザルの鼻がなぜ長いのかは、もちろん研究開始当初から興味がありました」と、野生テングザル研究の草分けで、ナショナル ジオグラフィックも研究を支援する松田氏は言う。

 研究チームは、2011年から15年にかけて、18頭のオスの身体を詳しく測定した。その一方で、10年以上にわたり別の場所で実施した生態調査のデータから、ハーレムをもつオスの鼻のサイズと、所属するメスの数を割り出した。

 すると、これらのデータから、鼻の大きなオスほど体重が重く、睾丸の容量が大きく、そして、ハーレムのメスの数が多いことが明らかになった。

「複雑に進化をとげてきたであろう形態や社会性という生物学的な要素に、きれいな正の相関関係がみられました。これはもう、本当に驚きました。こんなにきれいな結果が出るとはまったく予想していませんでしたから」 と松田氏は当時を振り返る。

・・・・・・明日に続く

⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡ ⬢ ⬡

=Proboscis monkey scratches his big belly while eating food=

https://youtu.be/MIPVY_LrZDg   

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・

前節へ移行 : https://blog.goo.ne.jp/bothukemon/e/9d8e501a749ed6faf4d423e467f1eb76

後節へ移行 : http://blog.goo.ne.jp/学究達=421=/xxx

----------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------

【浪漫孤鴻;時事自講】 :http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【壺公夢想;如水総覧】 :https://thubokou.wordpress.com/

================================================  

森のなかえ

================================================


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2016

Trending Articles