ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成5年03月23日<ⰧⰊⰧ
★ 原爆の後遺症で青息吐息だったカープ球団、広島市民の樽募金の助けもあって何とか生き永らえる(1951年)。
★ 日本の児玉誉士夫の家で31年ぶりに神風が観測される(1976年)。神風を起こしたのは右翼のポルノ俳優の前野某。 「天誅を下すべきだ」との結論に至り、神風を起こす。
★ 海上自衛隊が、能登半島沖で怪しい船と追いかけっこしたものの、結局あちらの方へ逃げられてしまう(1999年=能登半島沖不審船事件)。
本日記載附録(ブログ)
天狗を彷彿する長い鼻―ぽんぽこりんの太鼓腹-川に飛び込む豪快なダイビング
姿も行動もユニークなテングザルを、ボルネオ島で3500時間以上も観察
次々と新たな発見と仮説を生み出し、従来の常識を覆すような研究成果は多岐に渡る
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
自らの足でジャングルに分け入り、より近くで長期間観察するというフィールドワーク
松田一希(06) ◇◆ 第2回 でか鼻でか腹テングザルの意外な生態 =3/3= ◆◇
テングザルが口にする果実は、もっとも、果実といっても、熟していない若い果実がほとんどである。これはテングザルの消化の仕組みにもかかわることで、人間の味覚で美味いとは思えないものばかり食べている。ほかのサルなら好むであろう糖分の多い熟した果実はあえて避けているようだ。セルロースを消化して栄養にする胃内の微生物が、糖分を異常発酵させてしまい大変なことになるからという説は、やはり正しいのかもしれない。
ぼくも、トレイルを松田さんと一緒に歩きながら、「あ、これは、よく食べるやつですよ」と若い果実をいくつも試食させてもらったが、苦かったり、酸っぱかったり、よくもまあこんなものを食べているなあ、と思わせるものだった。同じエリアで果実をよく食べるオランウータンとまったく違う。オランウータンがよく食べる果実は、人間の味覚にも甘くて美味しいものが結構ある。
さらに、松田さんの観察で、テングザルの1日の時間の使い方もはっきりしてきた。日中の活動時間の中で、採食に費やしていたのは19.5%、休息していたのが76.4%! そして、移動は3.5%! 移動距離はあまり長くはなく、最短で220メートル、最長でも1600メートルほどだったそうだ。つまり、基本的に川の近くで過ごしている。
また、採食と休息に注目すると、非常によく休むサルだともいえる。研究が蓄積しているニホンザルが採食38%、休息32%だそうで、テングザルの休みっぷりは際立っている。実は近縁のコロブス亜科でも、長い休息時間をとるものが多く、これも葉をゆっくり消化する仕組みに関わっているらしい。
さらに「テングザルはなぜ川のサルなのか」「なぜ川沿いに眠るのか」という点について。
「ひとつは捕食圧ですよね。ウンピョウのような捕食者がいて、川沿いにいれば飛び込んで回避しやすいからそこにいる、と。特に川の幅が細くなっているところを泊まり場にする傾向が強いんです。だって、川にはワニがいますから。体の大きなオスは向こう岸までジャンプできますが、メスやコドモは届かなくて泳がなければならない距離をできるだけ短くできるようにそういう場所を選んでいると解釈しました」
松田さんは、ウンピョウがテングザルのコドモとアカンボウを捕食するのを自分自身でも目撃している。これは、本当にすごいことで、観察にかけた時間と運の賜物といえるだろう。また、松田さんは洪水で森が水没した時期には、テングザルが川沿いに来ないことも観察しており、水没してしまえば、ウンピョウも入り込めずわざわざ川辺まで移動する必要がないためだとも解釈している。
ただ、「でも、この解釈って、問題があるんですよ」と松田さんは述べた。
「捕食圧は、テングザルに限ったことではないので、じゃあ、何で他のサルは捕食圧を避けるために川沿いに来ないんだということになってしまいます。そこで、あとひとつ、川沿いで手に入る食べ物の栄養の質が良いのかもしれない、という可能性があります。でも、これはまだはっきりとは分かってません。捕食圧や食べ物のことばかりではなくて、社会的な面もあるかもしれないんです。テングザルの場合、川沿いに群れが集まって、群れと群れがくっついて重層的な群れになることがあるので、それがどういう意味を持つのかということも含めて考察しなければならないと思っています」
次回は“第3回 これは面白い! テングザルの反芻行動を発見”に続く
…… 参考資料: 大きな鼻ほど強くてモテる、テングザルで判明(2/2) ……
「テングザルの鼻がなぜ長い?」の研究をあ行っていた松田氏は、あわせて、テングザルの音声に関する研究も行った松田氏は当時を振り返る。
「観察していた当初から、オスの鼻にかかったような鳴き声、そしてメスに比べて多様な鳴き方から、直感として鼻が鳴き声と関係しているだろうという考えはありました」と松田氏。「しかし、最近までそれを解明する明確なアイデアを考える余裕がありませんでした」
研究が進む契機となったのは、京都大学霊長類研究所の助教で、霊長類の鳴き声の専門家である香田啓貴氏と知り合ったことだった。両氏は共にアイデアを練り、よこはま動物園ズーラシアをはじめ、世界の動物園などで飼育されている7頭のオスの鳴き声を録音して解析した。
鳴き声のなかから、体重と鼻の影響を受けている部分を特定し、オスの体の特徴との関係をひもといた。結果、鼻が大きいほど声が低いことが判明した。つまり、声の低いオスはそれだけ強くて繁殖力が高いというわけだ。鼻の大きさに加えて、声の低さまでオスの有利さと関係するのは、テングザルが暮らす密林は見通しが悪く、声も重要な要素だからなのかもしれない。
無駄な争いを避けるための「勲章」
動物の世界では一般的に、オスの競争が激しくなると、無駄な争いを避けるために「勲章」となるような特徴を進化させることがある。たとえば、マンドリルのオスでは、顔や性器の色が明るいほどオスの地位が高く、そのおかげで無駄な争いを避けられることがわかっている。テングザルの鼻もこのケースと考えられる。(参考記事:「サルの睾丸、なぜ青い?」)
実際のところ、テングザルは競争が激しくなりがちなハーレム型の群れをつくるうえ、ハーレム同士がなわばりをもたずに近接して暮らすせいで、メスをめぐるオスの競争は実に激しい。
今回の研究は、鼻の大きさといういわば「男らしさ」が、メスがオスを選ぶ指標につながっていることを霊長類ではじめて示した重要な研究となった。研究チームは今後、テングザルの認知や遺伝子など、鼻を含めメスがオスを選ぶときのより直接的な証拠について研究する予定だ。
テングザルに迫る危機
絶滅危惧種であるテングザルの保護も大切だ。松田氏によれば、氏の調査地であるマレーシア、キナバタンガン川の周辺では、個体数は安定しているものの、群れのサイズが小さくなっている。「群れサイズの減少から、個体数減少へとつながる可能性も十分にあります」(参考記事:「ボルネオ島のオランウータン、16年間で15万頭失われる」)
過去の霊長類の例から、森林が細かく分断されると群れが小さくなることがわかっている。テングザルの調査地でも、アブラヤシのプランテーションにより森林が断片化されている。
テングザルが暮らす川沿いの森では、利益を上げるほど収穫が得られない場所にまでアブラヤシが植えられているという。
「そういった場所に木を植林することで森林の断片化を和らげることができると考えています」と松田氏は言う。だが、植林には多大な資金が必要だ。「現地のNGOやマレーシア政府とも連携した活動が必要だと痛感しました」
文=ナショナル ジオグラフィック編集部
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