ⰧⰊⰧ Intermiussion/幕間 =狂(きょう)の出来事=平成4年10月18日<ⰧⰊⰧ
☆★ 玄洋社の一社員が大隈重信外務大臣を手投げ弾で仕留めようとするも、片足をもいだだけの被害しか与えられず自害(1889年)。☆★ 東條英機内閣が発足する景気づけにリヒャルト・ゾルゲをスパイ容疑で逮捕する(1941年=東條内閣成立&ゾルゲ事件)。☆★ 海の向こうで流行していたフラフープが日本でもリリース(1958年)。あっという間に全国に健康被害を齎す。
本日記載附録(ブログ)
表向きは生物統計学の上席研究員にして大学教授。しかし、その裏では体系的な認識のルーツと本質を探求/宗教、写本、はては「百鬼夜行絵巻」など
曰く、日本の進化学者/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業環境変動研究センター環境情報基盤研究領域 統計モデル解析ユニット専門員にして、農学博士(東京大学)
【この企画はWebナショジオ】を基調に編纂(文責 & イラスト・資料編纂=涯 如水)
統計学を駆使してさまざまな対象に切り込む“系統樹ハンター”=系統樹思考の世界=
三中信宏(02/13)◇◆ 第一回__「裏の仕事」は“系統樹ハンター”=中節= ◆◇
「系統樹は、ダーウィンが進化論と一緒に発明したと思う人がいるのですが、実はダーウィン自身は、系統樹的なものはほとんど描かなかったんです。むしろ、ドイツで進化論を広めた同時代のエルンスト・ヘッケルがおびただしい数の系統樹を描いています」
と、まず、三中さんは、系統樹=ダーウィン、というような短絡した考えに、釘を刺した。
ヘッケルは進化論者であったが、同時に優秀な比較解剖学者であった。実に絵心がある人物で、著名な生物画集『生物の驚異的な形』(河出書房新社より邦訳が出ている)は、看板にいつわりなく驚異的に美しい。19世紀の博物学者・比較解剖学者の面目躍如。その真骨頂は、言葉による解説部よりも、むしろ、放散虫や珪藻類、植物などを、細密に描いた生物画そのものだ。
これほど絵心に恵まれたヘッケルであるから、ダーウィンが唱えた進化論を図示する方法として系統樹を編み出すことができた、と理解したくなるわけだが、それも違う、と三中さんは言う。
「もちろん、進化論的な考え方が出るまでは、系統樹の概念もなかったはずなんですね。
でも、旧約聖書の宗教的な家系図をツリーとして描くというのはよくありました。ダーウィンの頃は、まだキリスト教が強いですから、聖書に出てくるような系図の印象が強かったはずなので、そういうものとあえて切り離したくて、公表される論文などでは、系統樹を描かなかったのかもしれません」
三中さんが指摘したキリスト教世界でしきりと描かれた宗教的な家系図で代表的なのは「エッサイの樹」だ。イエスの家系を描くために、繰り返し用いられてきた。さらに、中世の思想家アタナシウス・キルヒャーによる「大洪水後のノア以降の系図」などもその例。さらにさらに言うならば、家系図ではなく、言語や語彙の由来、様々な文書の写本の系統関係を議論するためにも、ツリー、系統樹相当の表現は活用されてきた。
ここで立ち止まって考えてみる。我々が「系統樹」と口にする時、どのようなものをイメージしているか。共通祖先のような存在が始点にあり、それが次第に分岐していく様が樹木のように見えるから、系統樹、というのだろう。
もしも、もっと単純に「分岐がない系統樹」のようなものを考えたなら、それは樹というよりは鎖だ。ツリーではなくチェイン。たまたま分岐がない樹(ツリー)が鎖(チェイン)ともいえる。
とすると、たとえば古くから言われてきた「存在の連鎖」(右の図)のように、土・火・空気・水の四大元素から始まって人間に至るまで、一つの連なりのものとして把握しようとする試みも、三中さんの興味の対象となる。
さらに、アニメ・ヱヴァンゲリヲンでも有名になった、神秘思想カバラの「生命の樹(セフィロート)」のような図像(ページ下)はどうだろう。これは「樹」と呼ばれるように、樹木をイメージしているわけだが、単純に分岐していくツリーではない。
・・・・・・明日に続く・・・
=== 参考資料: 系統樹(2/2) ===
より厳格な系統樹を描く方法を提示したのが分岐分類学である。それまでは各分類群の特徴を恣意的に取捨しつつ系統を論じていたのに対して、様々な形質を選び出し、それらを厳格な手順で比較、類似点を求めつつ分岐図を書き上げる方法を示した。
そこでは分岐からのエッジの長さは類似度や信頼度のような数字で示され、それが進化に要したと見積もられる時間に相当する。さらに分子遺伝学的情報を用いて、分子時計を利用すれば、(その信頼性は別に論じなければならないとしても)絶対年代までを示しうる。
ただし、その図はやたらチームの多いトーナメント表のごときものになり、直感的な視認性の点では問題がある。そのため、一般読者に向けては、古典的な曖昧な系統樹もまた、需要はある。しかしながら、生物の系統に関する理解は、21世紀初頭現在、かなりの混乱にある。
今日的問題
21世紀初頭である現在は、一般向けにわかりやすい系統樹を書くには、とても困難な状況にあると言える。系統分類学は、いくつもの分野で、新しい方法によって旧来の体系の問題を指摘し、しかし新しい知識は完全な代替案を提出できていない。
分岐分類学は、これまでの手法では思いつかなかった分類群間の類似点を指摘することになる場合も多く、さらにそれを分子遺伝学的情報が裏打ちする場合もあれば、さらなる見直しを要求する場合もある。
系統樹説(けいとうじゅせつ)とは単一の祖語から枝分かれして様々な言語が派生するという説である。アウグスト・シュライヒャーが提唱して以来、比較言語学の基礎となった。系統樹説で用いられる系統樹モデル(tree model)とは歴史言語学において、言語の変化を家系図の概念の類推によって描くモデルである。
概念としては生物の系統樹と同じである。系統樹のノードにあたる部分は祖語である。
系統樹説に対する説としてヨハネス・シュミットらによる言語接触を説明する波紋説がある。実際のところ、言語は分化と接触を繰り返しており、系統樹説と波紋説はどちらも間違っていないといえる。混淆を考慮した「ネットワーク系統樹」が有効な場合もある。
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