長くて27分以上、深さにして560m以上 鳥類でいちばんの潜水能力
-65℃の氷原上で身を寄せ合い、雪しかない絶食状態にて繁殖地で抱卵するオス
卵が孵化する約120日間で体重は40%以上減少、再び海洋に戻る途中に死ぬオスがいる
オスだけが抱卵するコウテイペンギン、その潜水戦略を解き明かす塩見こずえ
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文=川端裕人/写真=藤谷清美、塩見こずえ(調査) & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆ 塩見こずえ(03) / 第2回 “長く深く”潜るコウテイペンギンの思いを探る =1/3= ◆◇
塩見こずえさんは、現在、千葉県柏市にある東京大学大気海洋研究所に籍を置く、いわゆるポストドクターだ。日本学術振興会の特別研究員として支援を受けている。
つくばエクスプレスの「柏の葉キャンパス」が最寄り駅で、まさに「郊外」という雰囲気の中に、大気海洋研究所はある。物性研究所、宇宙線研究所といった、東大の他の研究所と同じ敷地内に並んでおり、ガラス張りのビルに外側からあえて枠組を取り付けたような近代的な設計・デザインだ。なにしろ2010年に完成したそうだから、できたてのほやほやである。
その一角に、バイオロギング研究をしている学生やポスドクの部屋があり、元締めである佐藤克文准教授の部屋の応接スペースを借りてお話を伺った。
まず、コウテイペンギンを研究対象にするメリットを、塩見さんの観点から述べてもらった。これにはコウテイペンギンが、鳥類で一番の潜水能力を誇っていることが、大いに関係している。
「潜水時間は長くて27分以上、深さにして560メートル以上も潜った記録があります。何故そんなことができるのか生理学的な視点から重要な研究材料であることはもちろんなのですが、わたしの興味はちょっと違ってまして。潜水能力が高いって、その分、行動の選択肢も多くなるわけですよね。長く深く潜れたら、どこでエサをとるか、どれだけの時間潜っているか、いつどこで開氷部に向けて戻り始めるか、すべてにおいて選択の幅が広くなります。では、動物がどういうふうに意思決定をするのか、行動を決めるルールを見つけようと思ったとき、コウテイペンギンはよい研究対象なのではないかと思います」
潜水能力が高いが故に、水中での行動の選択肢が増える。コウテイペンギンの場合、氷の上に開いた穴から海に入ることがあり、この場合、どこかで採餌を終了し、穴に戻って呼吸をしなければならない。その際の意思決定は、どんなルールに従っているのか。というのが、塩見さんがコウテイペンギンの研究を通じて明らかにしようとしたテーマだ。その結果はすでに一部論文となって、クリアな結論も出ているのだが、それは次回。
ここでは先に塩見さんがバイオロギングの世界に足を踏み入れ、コウテイペンギンの研究に手を染めるまでのことを聞いておこう。
・・・・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: 可愛くて愛くるしいコウテイペンギン=皇帝ペンギン= (3/6) □■
コウテイペンギン(エンペラーペンギン)の生態系
コウテイペンギンの生息地・繁殖地について
コウテイペンギンが生息しているのは、極寒の地『南極大陸』です。とは言っても南極大陸は非常に広く、コウテイペンギンが過ごしているのはその中でも特に冷たい海域となります。 繁殖地は南緯66〜78度ほどの場所で、海から内陸部にかけて100km以上も移動したところ。南極大陸・南極半島など島々の端にある棚氷の上で行われています。
あんなに可愛い顔をしていながら、人間では到底考えられない非常に厳しい環境下で暮らしているんですよ!
最大水深564メートルまで潜水した記録がある。一方で水深の浅い大陸棚の周辺に好んで生息し、水深185メートル以上潜水するのは約5%にすぎない。通常は2分半から4分潜水し、深い場所に潜る際は12分潜水することもある。最長潜水時間は22分だが、水深の浅い場所での記録であり、氷の割れ目を探すのに手間取ったためと考えられている。
冬季 寒さから身を守るため、輪状になって体を寄せ合う群れ(ハドル)を形成する。ハドルの中は絶えず移動しており、外側にいる個体が内側へ移動していく[。マイナス10℃で体が触れ合わない緩いハドルを形成し、マイナス22℃になると互いに体を寄せ合うハドルを形成するという報告例もある。氷山などで風を防ぐが、次第にハドルを形成すると風上に対して背を向けるように移動する。
How does a penguin launch itself from the sea? https://youtu.be/snAvGxz7D04
1998年のワシントン岬の調査では、食性の85 - 95%は魚類、5 - 11%はオキアミなどの甲殻類とする報告例もある。他のペンギンと同様に肉食性で、魚類、イカ、オキアミなどを捕食する。卵や雛の捕食者としてオオフルマカモメが挙げられる。 弱った雛や飢えた雛はトウゾクカモメ類にも捕食される。
一方で隣接する個体が暴れ、約45 %の卵が壊れ、雌雄で受け渡す際などの同種同士の影響により、繁殖に失敗することも多い。 繁殖に失敗した個体は別の親から卵や雛を奪おうとすることもあるが、この際に奪おうとした卵が壊れたり雛が死亡することが多い。 成鳥の捕食者として、シャチやヒョウアザラシが挙げられる。
繁殖地には3月〜12月までの間で、その他の3ヶ月間は繁殖地を空にします。こうして、コウテイペンギンは狩りに出る場所と、繁殖地とを往復するのです。
ペアは繁殖期ごとに解消し、前年と同じ相手とペアを形成することはほぼない。 冬季に氷上で繁殖し、巣は作らない。 巣を形成しないため縄張りがなく、そのため縄張り争いを行わない。 5月上旬に、1個の卵を産む。 卵や雛は後肢の上に乗せ、腹部にある皮膚のたるみ(抱卵嚢)で覆う。
産卵したメスは、オスに卵を託し採食のために海へ向かう。 オスのみが抱卵し、抱卵期間は64.4日。 メスが戻る前に卵が孵化すると、オスは食道からの分泌物(ペンギンミルク)を雛に与える。 メスは65 - 78日を採食に費やし、この間に抱卵・育雛を行うオスは110 - 120日も絶食に耐える。
・・・・・・明日に続く
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◆ もはや可愛さしかない子ペンギンの戯れ ◆
動画のURL: https://youtu.be/2UVPZcNLZVw
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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