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Channel: 【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》
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システム=”代替現実”_知の学究達=238=/ 藤井直敬(01/mn)

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もしも目の前の光景がホントかウソかまるっきりわからなくなってしまったら――

予め用意した「過去」の映像を「現実」と差し替えて・・・・

何が現実かをカンペキにわからなくする装置がついに開発された

その「代替現実」システムを発明した藤井直敬!!

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆藤井直敬(01) /第一回 代替現実でいとも容易く現実は崩壊する=1/3=◆◇

奇妙な体験をした。

 白日夢と現実の境目を、行ったり来たりするかのような。

 その体験には演出者がいて、工学という魔法の杖で、ぼくに術をかけた。

 演出者である魔術師は、埼玉県和光市にある理化学研究所脳科学総合研究センターの適応知性研究チーム・藤井直敬チームリーダー。

 先端の脳科学研究室が並ぶ建物の中で、撮影スタジオ風の小部屋にぼくを導き、いわゆるHMD(ヘッドマウントディプレイ)とヘッドフォンからなる装置を差し出した。それを装着した後、ぼくの目に見えるものはディスプレイから、耳に聞こえてくるものはヘッドフォンから、それぞれ与えられることとなった。

 まず、HMDで見えたのは、さっきまで肉眼で見ていたのと同じスタジオ内の眺めだ。これは、HMDにつけられたカメラからのライブ映像だと言う。周りを見回し、さらに自分の手を見て、たしかに自分はリアルタイムで現実の映像を与えられていると確認した。つまり、視覚的には、目に見えている映像を現実ではないと疑う理由は全く見当たらない。

 また、聴覚に関しては、周囲の音をそのまま拾ってヘッドフォンに流してくれているのでなんら違和感はない。ぼくはこれらのデバイス(とりあえずSR〈代替現実〉装置と呼ぶ。説明は後で)を身につけてからほんの数10秒で、見えるもの、聞こえるものをリアルなものと受け入れていた。

 ここから先、ストーリーは2つに分岐する。SR装置をつけているぼくが体験したことと、SR装置をつけずにぼくを見ていた人たちが体験したこと。

1)川端(当稿のインタビューアー/編集者)サイド
 最初に藤井さんがあらわれて、「写真を撮ります」とコンパクトカメラで写真を撮ることになった。ぼくは、「はい、おねがいします」と返事をした。

 その後、いったん出入り口から外に出た藤井さんがすぐに戻ってきて、スタジオの壁に沿って歩き、ぼくの背後をとおりすぎて、また出入り口に向かった。

「カメラは何を使っているんですか」と問いかけたら、藤井さんから返事はなく、おや?と思った。これ、本当に藤井さんなんだろうか。SR装置に流される情報がどこかで切り替わり、今この瞬間の現実ではない過去に撮影した映像や足音を流されたのではないか。

 その後、「これから肩をたたきます」と言われて、ポンと肩を叩かれた。肩を叩かれる瞬間の自分の肩は装置の視界の限界で見えなかったが、しっかり手が触れた感覚はあったから、こちらは本当に違いなかった。

 さらに、藤井さんが2人出てきて、スタジオ内を歩き回った。分身の術を使う忍者のごとく、藤井さんが当たり前のような顔をして2人いる。これはどちらかがフェイクで、どちらかは「本物」だ。

「うわっ、どっちが本物さんですか」などと聞いてから、両方フェイクという可能性にも思い当たった。疑り深くなったぼくは、目の前にいる左右の藤井さんを交互に凝視したが、何かが分かるわけでもない。「左が本物・右フェイク」「右フェイク・左本物」「両方フェイク」、あるいは何か特殊なエフェクトで「両方本物」という可能性がある中で、ぼくは「本当の現実」というのが何なのかよく分からなくなってしまった。

・・・・・・明日に続く・・・

■□参考資料: 藤井直敬「正義を掲げる人は危険だ その危うさに気づけるか」(1/2) □■

新型コロナウイルスとナショナリズム =The Asahi_Shinbun GLOBE+ 2020.04.10 より=

なぜ、人間には同じ国の人同士でまとまろうという意識が芽生えるのか。全世界に蔓延(まんえん)する新型コロナウイルスは、私たちの「国民」意識やナショナリズムにどのような影響を及ぼすのか。脳科学者でVRサービスを手掛ける「ハコスコ」CEOの藤井直敬さん(54)に尋ねた。(構成・大室一也)

■「正義」を持ち出すと疑わない

――なぜ人間は集団を作り、帰属意識を持つのでしょう。

人間は昔から、他の動物と比べたら弱く、子どもを安全に育てるために群れを作らざるを得なかった。農耕社会になって格差が生まれると、誰かにモノを持って行かれないよう境界を作る必要が出てきた。その後は今の社会とほぼ同じ問題が何千年も続いた。共同体ごとの関係があり、恨みや憎しみが継続してきた。

ナショナリズムの話になると、人は意味付けを欲しがる。正義というキーワードを大義に掲げれば、人は乗りやすい。でも、視点が違うと、正義も違って見える。どちらから見た正義で踊らされるか、ということだと思う。だが、正義を掲げる人は危険だ。正義を出しちゃうと、誰も疑わない。昔から宗教がそれを上手に使い、今でも政治家はそういう視点で話すことが多い。

――どのように人間の脳内で「同じ国民」という意識が芽生えるのですか。

脳科学とは関係なく、単なる教育じゃないですか。先生が言うことはたいてい正しいと教わってきているから、疑うことはすごく難しい。

脳は前頭葉の前頭前野で、新規の物事への意味付けや既存の意味の付け替えを考えるが、脳への負荷が非常に高い。いったんできあがった思考の枠組みをもう一度組み直すことほど、脳に負担になることはない。

人間は高次な認知機能があり、自分たちは自由に物を考えているつもりだが、実際は違う。「僕らは日本人だから、こうあるべきだ」みたいな変なバイアスがかかる中で暮らしている。しかもそのバイアスは実は全員異なる。みんな違う行動規範を持っているが、幻想として「同じ日本人だから同じように考えている」と勝手に思い込む。思考の枠を作ると、考えなくていいから楽だ。

2001年の同時多発テロの時に米国にいてびっくりしたのが、人種を問わずにみんな同じように怒っていたこと。みんな、赤と青と白の星条旗の色の服を着よう! みたいなことを言って、実際に着ていた。あのときのナショナリズムの発露はすごいと思った。 ・・・・・・明日に続く

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◆ 理化学研究所 脳科学総合研究センター 藤井直敬 脇坂崇平 ◆

動画のURL: https://youtu.be/TRdsskWTe6k 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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