ゲリラ豪雨・竜巻・落雷・ひょう_大きな被害をもたらす突発的な悪天候
狭いエリアで起こる激しい天気は、“雲の王”とも呼ばれる積乱雲が原因だ
“気候変動に伴う極端気象に強い都市創り”という防災対策上、切実で現実的な研究
主にゲリラ豪雨や竜巻の予報技術の確立に取り組む真木雅之
【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた】 を基調に編纂
(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)
◇◆真木雅之(10) / 第4回 竜巻の内部がついに見えた! =2/3= ◆◇
「風が吹いていますと地面との摩擦と、上空での摩擦が違うので、地面と水平なロール状の渦が割とできやすいんですね。これは1つの説ですけど、そこに雨が降りますと、地表に水平なロール状の渦が分断されて2つに分かれる。なおかつ、その渦の片側が持ち上がって傾くようなことがあって、それが低気圧性の回転に引き寄せられてつながると。地上で出来た渦は小さなものですが、そこに大きな回転がつながる訳ですから、角運動量保存の法則が働いて、回転が速くなり、竜巻になります。スケートの選手が体を縮めて回転をあげるのと同じ原理です」
いかに小さなスケールの低気圧とはいえ、数キロ以上の半径で風が巻いているわけだし、そこに地上でたまたまできた小さな渦巻きが接続すると、その小さな半径のまま低気圧の回転の角運動量が伝えられる。その結果、あれだけ激しい回転の竜巻となる。
「もっとも、竜巻の本場はアメリカなどです。日本でも確かに起きているし被害もあるものの、規模は小さいです。沖縄では良く起こってますし、台風の中でも起きてます。規模は全然違いますが、面積あたりの個数でいうと、日本もアメリカもそれほど違いはないと思います。アメリカは面積が大きいので、多そうに見えるんですが。確実なのは、アメリカの方が強い竜巻が多いということですね」
竜巻の強さを示す尺度に、日本人の名を冠した藤田スケール(Fスケール)がある。アメリカではF3から最大のF5が観測される。日本は今まで一番大きいのでもF3ぐらいで、この前のつくばでの竜巻はF2とされている。ただ、建物の倒れ具合からF3ではないかと言う研究者もいるそうだ。
いずれにしても、アメリカの方が竜巻被害は深刻であり、研究もその分、進んでいる。
「例えばMPレーダを使って竜巻を見つけられるのかというのは1つのチャレンジで、アメリカではスーパーセルができると、レーダをできるだけ近くまで持っていって観測していますね。トルネード(竜巻)ハンターといって趣味でやってる人もいるし、研究でやっている人も当然います。VORTEXと名付けられた研究は、去年あたりまで、かなり大きな予算を使って100人ぐらいが参加して、2年がかりの大プロジェクトをやっていました。これらの研究から、竜巻自体をレーダで見ることができるようになりまして、内部の構造やどの位の風が吹いているのか、どのようなものが巻き上げられているのかが明らかにされつつあります」
・・・・・・明日に続く・・・
■□参考資料: この異常気象は地球温暖化が原因?(1/3) □■
地球環境研究センター 気候モデリング・解析研究室 特別研究員 釜江陽一
/ 気候変動リスク評価研究室 主任研究員 塩竈秀夫
最近の異常気象は地球温暖化によるもの?
2013年の夏は記録的な猛暑や大雨[注1]に、2013/2014年の冬は関東甲信地方を中心に大雪に見舞われました。最近は異常気象が増えているのではないか? 地球温暖化のせいではないか? そんな不安な声も聞かれます。一般的に、地球温暖化は異常気象の頻度を変える可能性があることが知られています。一方で、個別の極端な気象イベントが地球温暖化によるものか、を判断することは困難です。たばこを例にすると、喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんになる可能性が高まることが知られていますが、特定の喫煙者が肺がんになった原因はたばこである、と断定することはできません。たばこを吸わない人でも、肺がんになる可能性はある程度存在するためです。とはいえ、たばこ(ここでは地球温暖化)が肺がん(実際に起きた極端な気象イベント)の発症(発生)リスクをどの程度高めたか、という評価を行うことはできます。このように、個別の極端な気象イベントの発生に対する地球温暖化の寄与度を評価する手法を「イベント・アトリビューション」と呼びます[注2]。
これまでに、2010年夏に起きたロシアの記録的な猛暑、2010年夏の南アマゾンの干ばつ[注2]、2012年7月の九州北部豪雨など、社会的に大きな被害をもたらした気象イベントについて、地球温暖化がどの程度寄与したか、気候モデル[注3]を用いた調査が進められました。その結果、記録的な極端現象の発生には自然本来の「ゆらぎ」が最も重要であることが多い一方で、一部の気象イベントについては、地球温暖化の進行によってその発生確率が大きく引き上げられていたことがわかりました。
下記参考資料 / 表1 : 近年観測された極端な気象現象の変化の世界規模の評価、その変化に対する人間活動の寄与、21世紀初頭(2016〜2035年)
及び21世紀末(2081〜2100年)の将来変化予測。IPCC第5次評価報告書の第1作業部会報告書、政策決定者向け要約の表SPM1より抜粋
現象及び変化傾向
変化が生じているか
人間活動の寄与
21世紀初頭に
予測される変化
21世紀末に
予測される変化
ほとんどの陸域で寒い日や寒い夜の頻度の減少や昇温
可能性が非常に高い
可能性が非常に高い
可能性が高い
ほぼ確実
ほとんどの陸域で暑い日や暑い夜の頻度の増加や昇温
可能性が非常に高い
可能性が非常に高い
可能性が高い
ほぼ確実
ほとんどの陸域で継続的な高温/熱波の頻度や継続期間の増加
世界規模で確信度が中程度
ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの大部分で可能性が高い
可能性が高い
正式に評価されていない
可能性が非常に高い
大雨の頻度、強度、大雨の降水量の増加
減少している陸域より増加している陸域のほうが多い可能性が高い
確信度が中程度
多くの陸域で可能性が高い
中緯度の大陸のほとんどと湿潤な熱帯域で可能性が非常に高い
干ばつの強度や持続時間の増加
世界規模で確信度が低い
いくつかの地域で変化した可能性が高い
確信度が低い
確信度が低い
地域規模から世界規模で可能性が高い(確信度は中程度)
強い熱帯低気圧の活動度の増加
長期(100年規模)変化の確信度が低い
1970年以降北大西洋でほぼ確実
確信度が低い
確信度が低い
北西太平洋と北大西洋でどちらかといえば起こる
これまでに、2010年夏に起きたロシアの記録的な猛暑、2010年夏の南アマゾンの干ばつ[注2]、2012年7月の九州北部豪雨など、社会的に大きな被害をもたらした気象イベントについて、地球温暖化がどの程度寄与したか、気候モデル[注3]を用いた調査が進められました。その結果、記録的な極端現象の発生には自然本来の「ゆらぎ」が最も重要であることが多い一方で、一部の気象イベントについては、地球温暖化の進行によってその発生確率が大きく引き上げられていたことがわかりました。
[注2] 江守正多「【解説】異常気象と地球温暖化の関係について」http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2013/130911.html
[注2] 塩竈秀夫「【最近の研究成果】2010年南アマゾン旱魃に関するイベント・アトリビューション研究」地球環境研究センターニュース2013年6月号http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201306/271008.html
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◆ 何があったのか?竜巻生んだ"スーパーセル"とは ◆
動画のURL: https://youtu.be/-NLipT6KPLQ
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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽 憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・
森のなかえ
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